消臭作用を持つクロロフィルの作用が強力な「よもぎ」

よもぎはキク科の多年草であり、1m位の高さになるまで成長します。

よもぎは陽当たりの良い道端や河川に生えていることが多く、春先に地表に生える若芽は食用として用いられ、ヨモギ饅頭などに用いられます。

よもぎの緑色の色素はクロロフィルによるものであり、殺菌作用や消臭作用があると言われます。





 

よもぎの栄養と期待する効能

よもぎにはビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンK、コリン、クロロフィル、ルテイン、ゼアキサンチン、葉酸、カリウム、カルシウム、リン、鉄、ナトリウム等、ビタミンやミネラルを豊富に含みます。

よもぎには微量ながら脂質も含まれ、パルミチン酸、オレイン酸、リノレン酸が少し含まれます。

香り成分も含まれ、主な香り成分はシネオールであり、この他に、ツヨン、βカリオフィレン、ポルネオール、カンファー等が含まれています。

よもぎには次の効能に期待があります。

  • 抗酸化作用
  • 癌予防
  • コレステロール調整
  • 殺菌作用、消臭作用、抗菌作用
  • 造血作用
  • 末梢血管拡張
  • 抗アレルギー
  • 新陳代謝促進
  • 目のトラブル予防
  • エネルギー代謝
  • 骨形成に関与
  • 血流改善
  • 血液をサラサラにする…等

 

抗酸化作用

よもぎにはクロロフィルが含まれており、クロロフィルには抗酸化作用、癌予防、コレステロール調整、消臭・殺菌効果、抗菌効果、浄血、造血、末梢血管拡張、抗アレルギー作用、新陳代謝促進等の作用があると言われます。

これらの効能は漢方において婦人科系に用いられています。

よもぎに含まれるクロロフィルは、他の緑色の食品よりも強力な効能をもち、速やかに作用すると言われます。

ビタミンAは細胞を若返らせたり、抗酸化作用や免疫賦活作用があると言われます。

パルミチン酸にも抗酸化作用があり、ビタミンAの働きを安定させるとのことです。

ビタミンCも抗酸化作用があり、抗酸化作用により血中のコレステロールや中性脂肪の酸化を抑制し、酸化したLDLコレステロールや中性脂肪によって血管が傷つくことを防ぎます。

その為、動脈硬化や心疾患、脳血管疾患の予防効果が期待出来ます。

抗酸化作用には紫外線から皮膚を守り、シミやしわを防ぐ働きがあると言われます。

ビタミンCには美容効果があり、メラニンを作る酵素の働きを抑制したり、メラニンに直接働かせることによってシミやそばかすを目立たなくする作用があると言われています。

ビタミンCはコラーゲン生成にも関与する為、更なる美容効果に期待があります。

抗酸化作用には細胞の損傷から守ることによって癌の予防に役立てたり、過酸化脂質の生成抑制によって肝機能の悪化を防ぐと言われます。

 

造血作用

クロロフィルは赤血球に含まれていると言われます。

よもぎには鉄分が含まれ、造血作用に関与しています。

また、ビタミンCも含まれている為、鉄の吸収促進効果によって鉄欠乏性貧血の予防や改善効果があるとされています。

よもぎには葉酸も含まれ、ビタミンB12を含む食品と摂取することにより、赤血球の核酸の合成に関わり、悪性貧血を予防する効果があると言われます。

 

目のトラブル予防

よもぎにはビタミンAが非常に多く含まれています。

ビタミンAは網膜細胞の保護や光刺激反応に重要であり、不足すると夜盲症の症状が現れます。

よもぎにはビタミンB2も含まれ、ビタミンB2には粘膜保護作用があることから、疲れ目や目の充血、涙目を改善し、白内障の予防に役立てることが言えます。

ルテイン、ゼアキサンチンも含まれている為、黄斑部を紫外線から守ることから白内障や加齢性黄斑変性症予防にも役立つそうです。

また、ビタミンCにも白内障、加齢性黄斑変性症予防を予防する働きがあるとのことです。

ビタミンCはコラーゲン生成に関わり、コラーゲンは目の網膜の生成に必要な成分です。

つまり、よもぎには様々な目のトラブルを予防することに期待があるんです。




 

エネルギー代謝

よもぎにはビタミンB1、ビタミンB2が含まれており、糖質や脂質のエネルギー代謝に関わります。

運動時において糖分や蓄積された脂肪の脂肪燃焼を促し、更に疲労予防効果があることから、効率的にダイエットを行える効果に期待があります。

よもぎは「よもぎ饅頭」や「よもぎ団子」として摂取されますが、饅頭や団子に使用されるもち米から炭水化物や蛋白質が摂取され、あんこにはビタミンB1や蛋白質が含まれます。

よもぎを使った菓子を摂取することによって、上記のような脂肪燃焼効果が期待出来、

更に蛋白質を摂取出来ることから、筋肉の形成にも繋がり、脂肪燃焼しやすい身体作りに期待が出来ると言えます。

それなので、よもぎから作られた和菓子は食べるだけではなく、食べた後の運動があってこそ健康効果が得られると言っても良いでしょう。

 

骨形成に関与

よもぎにはカルシウムやリンが含まれ骨や歯の材料となります。

マグネシウムはあまり含まれていない為、マグネシウムを多く含む食品と併せて摂ると、骨へのカルシウム定着により更に骨を丈夫する働きがあると言われます。

よもぎにはカルシウム吸収促進効果のあるビタミンDや、骨蛋白のオステオカルシンを活性化させるビタミンKが含まれています。

ビタミンCも多く含まれている為、コラーゲン生成に関わることによって骨を強化する作用があることが言えます。

 

血流促進

よもぎにはカリウムが沢山含まれます。

カリウムは細胞を正常に働かせる働き、電解質均衡を図る働きがあり、体内に溜まった余分なナトリウムを排泄する為、血圧を正常値に調整する働きがあります。

ナトリウムを排泄することから、浮腫みを改善する効果があり、血流促進効果にも期待があります。

 

血液をサラサラにする

よもぎには微量ながら脂質も含まれています。

リノール酸は少量あれば、HDLコレステロールを上げてLDLコレステロールを下げる働きがあり、更に血糖値や血圧を下げる作用があると言われています。

オレイン酸にはHDLコレステロールを上げてLDLコレステロールを下げると言われています。

リノール酸は摂り過ぎると寧ろ身体に害を与えてしまうことから意識して摂る必要はありません。

寧ろ、オメガ3脂肪酸やオメガ9脂肪酸を優先的に摂り、オメガ6脂肪酸は普段の食事から摂るだけで過不足なく摂取することが可能です。

パルミチン酸は飽和脂肪酸の為、多量摂取すると脂質異常症の原因となりますが、よもぎに含まれるパルミチン酸の含有量は微量な為、それほど影響はないかと思われます。

 

よもぎ独自に含まれるアルテミニシンとは?

アルテミニシンとはよもぎ独自に含まれる成分であり、抗癌作用が注目されています。

アルテミニシンは、ヨモギの特にヨモギの花の部分に多く、次に葉の部分に多く含まれています。

癌細胞は生まれた時から増殖が始まっています。

それを、T細胞やNK細胞が癌細胞の増殖を抑制することによって、私達の身体は守られています。

アルテミニシンの含有量はヨモギの種類によって異なります。

アルテミニシンは鉄を多く含む細胞に反応する性質があります。

このアルテミニシンは、マラリアの治療に絶大な効果を示すと言われていますが、マラリアに罹ると、マラリア原虫が血液中に侵入すると増殖し、赤血球を次々と破壊してしまいます。

アルテ三ニシンは赤血球の材料となる鉄に反応すると、フリーラジカルを産生し、赤血球内に寄生するマラリア原虫を死滅させます。

そのため、アルテミニシンはマラリアの治療に効果があると言われています。

そして、鉄分は癌細胞に多く含まれています。

アルテミニシンの鉄を多く含む細胞に反応する性質を用いて、フリーラジカルが発生し、癌細胞を攻撃することで癌予防効果に期待があるのです。

よもぎそのものにも鉄分が豊富に含まれており、抗酸化作用もある為、よもぎは癌予防効果に期待があると言えます。

 

食用以外の活用方法

よもぎは独特な香りを持つことからお灸に使うもぐさとして用いられたり、よもぎ蒸しとして用いられることがあります。

 

注意点

よもぎを摂取する時は次の点に気を付けます。

ワーファリン服用

よもぎにはビタミンKが含まれている為、ワーファリン等の抗血栓薬を服用している場合は薬の作用を弱めてしまう場合があります。

ワーファリン等を服用している場合は摂取を控えると良いでしょう。

腎不全

よもぎにはカリウムが多く含まれていることから、腎不全により排泄機能が弱っている場合、尿からのカリウムの排泄が困難となり、体内にカリウムが蓄積されやすくなります。

カリウムが過剰に蓄積されると不整脈を起こし、最悪の場合、心不全を起こして死に至る危険性があります。その為、腎機能低下が見られる時も摂取を控えることをお勧めします。

 

まとめ

よもぎを摂取することによって期待する効能についてまとめます。

  • 抗酸化作用
  • 癌予防
  • コレステロール調整
  • 殺菌作用、消臭作用、抗菌作用
  • 造血作用
  • 末梢血管拡張
  • 抗アレルギー
  • 新陳代謝促進
  • 目のトラブル予防
  • エネルギー代謝
  • 骨形成に関与
  • 血流改善
  • 血液をサラサラにする…等

よもぎは春先に摂れる為、食べられる季節が限られてしまいますが、その栄養成分による効能は期待するものばかりです。

 
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