究極の殺菌作用を持つカレーのお供「らっきょう」

らっきょうはネギ科の多年草であり、ヒマラヤを原産としています。らっきょうはエシャレットと混同されやすいですが、エシャレットはヒガンバナ科の一種であり、らっきょうと近縁主の玉葱の仲間に分類されます。らっきょうの収穫時期は5~6月頃です。

らっきょうにはネギ科の食物に含まれ、特有の刺激臭と辛み成分であるファイトケミカルの硫化アリルが含まれています。

硫化アリルはビタミンB1の働きを強化することで知られています。

そしてビタミンB1は主に糖質の代謝に関与します。





 

ラッキョウの栄養と期待する効能

らっきょうには硫化アリルをはじめ、食物繊維、カリウム、サポニン、フルクタン、ジアリルスルフィドによる働きが注目されています。

その期待する効能には次のものが挙げられます。

  • スタミナを付ける
  • 夏バテ予防
  • 脳機能向上
  • 神経機能の維持
  • 脳機能向上
  • 腸内環境改善
  • 生活習慣病予防
  • 殺菌作用
  • 抗アレルギー
  • 感染症予防
  • 血流促進
  • 癌予防…等

 

ビタミンB1の効能を高める

硫化アリルはビタミンB1の効能を高める働きがあります。

ビタミンB1は三大栄養素、特に糖質の代謝において、ビタミンB1によって三大栄養素をエネルギーに変換します。

この働きを助長するのが硫化アリルの働きであり、エネルギーを効率的に燃焼し、疲労抑制効果を高めることによって、エネルギー消費を効率的に行えることが言えます。

ビタミンB1には疲労回復効果もあると言われます。

このようにらっきょうにはスタミナを付ける働きや夏バテ予防効果があることが言えます。

ビタミンB1は脳の栄養源となる糖質の代謝に関わることから、脳機能向上神経機能の維持に携わります。

 

腸内環境改善

らっきょうには食物繊維が含まれ、不溶性と水溶性の両方を含みます。

不溶性食物繊維は主に腸の蠕動運動を促し、腸内に溜まった老廃物の排泄を促す働きがあると言われます。

そしてプレバイオティクスとして善玉菌の餌となって善玉菌を増やし、腸内環境を改善します。

水溶性食物繊維は腸管内で短鎖脂肪酸を増やし、腸内を酸性に傾けることによって善玉菌を優位にし、排便を円滑にすることによって腸内環境改善を図ります。

らっきょうには腸内環境改善効果によって便秘の解消、老廃物排泄、腸内環境改善による太りやすい体質の改善、免疫力強化等の効果が期待出来ます。

 

生活習慣病予防

不溶性食物繊維には腸管からの糖質の吸収を妨げる働きがあります。らっきょうにはサポニンも含まれており、サポニンにも血糖上昇抑制作用があると言われます。

らっきょうに含まれるフルクタンは9割程が水溶性食物繊維です。

水溶性食物繊維には血液中の余分なLDLコレステロールや中性脂肪を吸着して、体外に排出させる働きがあります。

また、糖質の吸収抑制やコレステロール等の排泄促進により、糖尿病、脂質異常症、肥満、動脈硬化、心不全、脳血管疾患、胆石症、脂肪肝等の生活習慣病をはじめとする様々な疾病予防効果に期待があることも言えます。

更にらっきょうに含まれている硫化アリルとジアリルスルフィドには血液凝固抑制作用による高血圧症や冷え性、肩こり、動脈硬化等の循環器系疾患予防効果があると言われ、更に生活習慣病予防効果に期待出来るでしょう。

 

殺菌作用、免疫力向上

硫化アリルとジアリルスルフィドには殺菌作用があると言われています。また、らっきょうには食物繊維が豊富に含まれていることから腸内環境改善効果により、免疫力強化があると言われます。

らっきょうにはビタミンCも含まれており、風邪やインフルエンザの感染症や花粉症の予防に殺菌作用や免疫力強化の効能に期待があると言えるでしょう。

らっきょうは亜麻酢漬けとして作られることが多いですが、甘味としてはちみつを活用すると、菌の増殖を抑え更なる免疫力強化力があると言われます。




 

血圧を正常に保つ

らっきょうにはカリウムが豊富に含まれます。その為、らっきょうを漬ける時は生で漬けた方が良いと言われています。

これにはカリウムの流出を防ぐことと、ビタミンCが壊れるのを防ぐことにより、らっきょうに含まれる栄養素を確実に摂れるように生を勧めています。

カリウムはナトリウムと共に電解質均衡を図り、細胞を正常に保ちます。カリウムには体内に余分となったナトリウムを排泄し、これによって血圧を正常値に調整します。

また、ナトリウムの排泄により浮腫みが改善され、血流が促進されます。

らっきょうに含まれている硫化アリルには身体を温める働きがあり、血流を更に促進する上に、冷え性対策や改善効果にも期待があります。

 

癌予防

らっきょうの栄養成分の一つであるジアリルスルフィドは発癌性物質の解毒作用、活性酸素の除去、癌細胞死滅等の効能があると言われています。

らっきょうにはその強い殺菌力により、ピロリ菌を死滅させる働きがあると言われます。その為、胃癌予防に効果的であることに期待があります。

また、フラボノイドとサポニンには癌細胞の活性を抑制することに関わっていると言われます。

 

注意点

らっきょうを食べる際は、次の点に注意しましょう。

腎機能低下がみられる場合

らっきょうにはカリウムが豊富に含まれます。

ところが腎不全により腎機能低下が進行して排尿量が少なくなると排泄機能が衰え、血中カリウム濃度が上がりやすくなります。

血中カリウム濃度が上がると不整脈を起こしやすくなり、最悪の場合は心不全を起こし、死に至る危険性があります。

その為、腎機能が良くない場合は摂取を控えると良いでしょう。

ペットに与えべからず

らっきょうには二硫化アリル(アルルプロピルジスルフィド)という成分が含まれており、この成分は犬や猫に中毒性をもたらしてしまいます。

硫化アリルは、犬や猫に与えると赤血球を破壊することによって溶血性貧血を起こしてしまう上に、胃腸障害や衰弱等の症状が現れます。らっきょうを含め、葱、玉葱、ニラ、にんにく、エシャレット等の食品は大切なペットには間違ってもあげないようにしてください。

人間も食べすぎは玉葱中毒に

アルルプロピルジスルフィドには硫化アリルと硫黄が結合することによって産生され、この物質によって痒みや蕁麻疹等のアレルギー症状を呈する場合があります。

らっきょうは食べ過ぎてしまうと、犬や猫と同様に溶血性貧血を起こしてしまいます。

アリシンは刺激の強い成分なので、胃の粘膜を傷付けたり、善玉菌まで殺してしまいます。

その為、胃痛や腹痛、下痢などの症状を起こしてしまいます。

 

1日あたりの目安摂取量

らっきょうは1日あたり3~4粒が適量です。

アレルギーがある場合や身体に合わなくて下痢を起こしてしまう場合は摂取を避けておいた方が安心ですが、特にこのような症状がなくても、1日に食べる量は5粒以下に抑えることが、過剰摂取障害を防ぎ、らっきょうの栄養効果を享受するのに効率的であると考えらえます。

 

まとめ

らっきょうの効能について最後にまとめます。

  • スタミナを付ける
  • 夏バテ予防
  • 脳機能向上
  • 神経機能の維持
  • 脳機能向上
  • 腸内環境改善
  • 生活習慣病予防
  • 殺菌作用
  • 抗アレルギー
  • 感染症予防
  • 血流促進
  • 癌予防…等

 

カレーライスやハヤシライスのお供にマッチしているらっきょうは、健康効果に期待があるものの、食べ過ぎによるデメリットがあることも頭にいれておきましょう。

 
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