介護用食品の活用

最近では咀嚼嚥下困難な方向けの食品のバリエーションが増えつつあります。

キザミ食やペースト食より見た目が良くなり、刻む、ミキサーにかける手間が省けるという点でも活用出来ます。





 

介護用食品はコスト面が不安

介護用食品は決して安いものではないので、導入するのに躊躇してしまいます。

食事の見た目を良くするために導入したものの、結局食べなければ残菜となって食材費をかけた割にはその食材費をドブに捨ててしまうことと同じ事になってしまうのではないかと、そんな不安を募らせがちです。

しかし、介護用食品という加工品を使ったからといって必ずしも給食運営が従来の方法よりマイナスになるとは限らないのです。

 

やりかた次第ではコストカットも

介護用食品の肉や魚は、通常の切り身より寧ろ安く購入出来ます。

肉や魚の介護用食品は中には蛋白質が強化されているものもあり、一食分あたり約80円程の価格で購入可能です。

これが鶏肉一人分だとそれほど価格は変わりませんが、魚の切り身は価格高騰のため、一切れ130円や150円のものがざらです。

そして切り身を使うということは、刻む、ミキサーにかける行程が必要となります。この一連の行程が食費以外のところでコストをかけているのです。

例えばミキサーやフードプロセッサーにかける時は使った分だけの電気代がかかります。

一度に使う分なら大したことないと思いますが、何度も使えば塵も積もれば山となるので金額が嵩みます。

そして刻む、ミキサーにかけるということは一度道具を使った後に他の食材を加工するため、洗浄する必要があります。

その時使う水道代及びガス代(お湯で洗浄)、そして洗剤も使うので微々たることですがここでもランニングコストが発生しています。

またこれらの作業を行うためには必要な人員を揃えなければなりません。

そして病院や施設の調理業務の中で一番時間をかける業務が、キザミやミキサーにかけるという業務です。

手間をかけるということは人件費が嵩む部分でもあります。

更に、ミキサーなどの機械を頻繁に使うと老朽化を早めてしまいます。

そうなると故障による修理回数が増えたり、買い替え頻度が短くなるなどして、ここでも費用が嵩んでしまうのです。

しかも、ミキサーにかける時はある程度水分を加えないとミキサーが回転しません。

特に肉や魚は水分を加えることによって食材そのものが薄まってしまうので、栄養価を下げてしまうのです。

これらを総合して考えると特に主菜の調理に関しては蛋白質の強化された介護用食品を使った方が、患者様や利用者様の衰弱を抑えられ、コスト面においても浮かすことができます。

実際、介護用食品を導入した病院のデータによると、水道光熱費を1食あたり46円、人件費を200円減らしたというデータがあり、キザミ食やペースト食で苦労した分のお金がそれだけ浮いたのです。

仮にその病院が1日あたり700円で食事を提供した際、介護用食品を活用することによって、1日900円にアップし、栄養面や内容において充実出来る食事提供が可能となるのです。




 

オペレーションの円滑化

介護用食品は通常の調理方法よりオペレーションを円滑に行うことが出来ます。

スチームコンベクションオーブンを使えば、ほぼ一度の操作で調理することが出来ます。

刻む、ミキサーにかけるという行程が省かれるので調理してから喫食までの時間を短縮することが出来ます。

また、作る調理師によって食形態が異なるという問題もなくなります。

厨房関係の仕事は人手不足が深刻です。

この介護用食品も人手不足問題を解消するための一つのツールです。

また、施設や病院の厨房業務は交代制勤務なので早番をやりたがらない人もいます。

このような商品を活用して作業効率アップを目指せば、早番の人数を減らし、早番の回数が少なくなることによって働きやすい環境づくりに繋げていけるでしょうと思います。

 

解凍時間に注意

冷凍食品である介護用食品は冷凍庫から取り出して、冷蔵庫で解凍する期間は1日に留めておかないとカビが生えるというトラブルを起こしてしまいます。

食材ロスや業務の混乱の原因となりますので注意が必要です。

 

喫食率のアップに

10年以上前からソフト食の導入が始まっています。

ソフト食は手間がかかりますが、介護用食品は作業がかなりシンプルになります。

ソフト食の導入が少しずつ始まったばかりの頃、以前のキザミ食に比べて残菜が少なくなったという報告が沢山ありました。

このように見た目で献立内容が分かる形態のものを提供して、患者様、利用者様の食べるモチベーションに繋がり、喫食量もアップ出来たのだと思われます。

ソフト食対象の方の中には自己摂取が可能な方もいます。

介護用食品はスプーンですくいやすく、介護用食品そのものがスプーンで中々切れないということがありません。

そして誤嚥のリスクも大きく下がります。

 

まとめ

対象者が高齢者であるケースが殆どなので、介護用食品を導入したからと言って病状や栄養状態が大幅に回復できるという期待はそれほど大きいとは言えません。

但し。楽しみという観点からすると、介護用食品は先の短い高齢者にとって更に食を楽しむことが出来、その人の尊厳につながっていくのではないのでしょうか。

 
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