スピルリナは藻類の一種で、その起源は約35億年前に遡ると言われています。
約46憶年前に地球が誕生してから地球上で最初に出現した植物の一つであると考えられています。
現在、アフリカや中南米の亜熱帯にかけての湖沼に生息しています。
1927年にドイツ人によって発見され、コイルバネのような螺旋状をしていることから「スピルリナ」と名付けられました。
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スピルリナの栄養
スピルリナに含まれる蛋白質は60%以上で、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、コリン、パントテン酸、ビタミンB6、ビオチン、葉酸、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄分、亜鉛、銅、マンガン、セレン、食物繊維、βカロテン、クロロフィル、フィコシアニン等、50種類以上に渡る沢山の栄養成分が含まれています。
そして消化吸収率が95%と非常に高く、豊富な栄養素を無駄なく摂取出来るのです。
スピルリナに期待する効能には以下のものが挙げられます。
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美肌効果
スピルリナの蛋白質は60%以上も含まれている上、必須アミノ酸が全て含まれています。
蛋白質、ビタミンC、鉄分はコラーゲン生成に関わる栄養素です。
スピルリナにはコラーゲンの原料となるプロリンが含まれています。
ビタミンや亜鉛、鉄分等と摂取すると皮膚の形成を促し、これらの栄養成分もスピルリナに含まれており、美肌作りや傷ついた筋肉の収縮、重症な患者様に発生しやすい褥瘡やスキンテアの予防や改善に役立てます。
スピルリナはビタミン類が豊富でβカロテン、セレンを含み、抗酸化作用があります。
抗酸化作用には紫外線から皮膚を守ることによって肌の老化防止に期待があります。
スピルリナに豊富に含まれる蛋白質やその他ミネラルによる美肌効果に相乗し、アンチエイジング効果も期待できます。
内臓や髪、爪の栄養にも関与し、貧血対策にも良いとされています。
βカロテンは体内ではプロビタミンAに変換され、表皮の細胞を生まれ変わらせることによって皮膚を若返らすことに期待があります。
ビタミンB2は皮膚や粘膜、髪や爪の形成に関わります。
サルコペニア、COPD、肝硬変に役立つBCAAを含む
スピルリナには必須アミノ酸が含まれているので、動物性食品に頼らなくてもBCAAを摂取することができます。
BCAA(ロイシン、イソロイシン、バリン)は筋肉の形成に深く関わっています。筋肉を付けることによって燃焼体質を作るので、ダイエットを効率的に行うための栄養成分となっております。
また、筋力低下防止にも役立つ為、サルコペニアフレイルや介護予防にも役立ち、更に筋力低下の症状が著しく現れるCOPDの栄養管理にも活用されます。
BCAAは肝硬変非代償期の肝性脳症の発生防止にも役立ちます。
エネルギー代謝
スピルリナにはエネルギー代謝に関わるビタミンB群、マグネシウムが含まれています。
ビタミンB1、マグネシウムは解糖系における糖の代謝に必要であり、クエン酸回路におけるエネルギー代謝に変換するにはビタミンB1が必要となります。
クエン酸回路にて好気的条件下でエネルギー代謝を行うにはビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸が補酵素として利用されます。
その為、エネルギーが利用され、疲労抑制効果があることが言えるのです。
強いデトックス作用
スピルリナには食物繊維が含まれている上、体内が酸性に傾いた時にアルカリ性に傾ける働きがあります。
食物繊維は便秘解消や有毒物質の排泄する働きがありますが、腸内がアルカリ性に傾くことによって、善玉菌を増やすことが出来ます。
クロロフィルに含まれるマグネシウムはダイオキシンや鉛、カドミウム等の有害物質や重金属を排出する働きがあると言われています。
その為、腸内環境改善効果と、腸内環境改善による体質改善に期待があります。
生活習慣病予防
スピルリナには食物繊維が豊富に含まれていることから、小腸での糖分やコレステロールの吸収を抑えたり、血液中の糖分や中性脂肪、LDLコレステロール値の上昇を抑えるので、生活習慣病予防にも役立ちます。
スピルリナにはカリウムが含まれています。
カリウムは血液中のナトリウム量が過剰になった場合は排泄を促して、血圧が正常になるように調整します。
スピルリナにはビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、セレンが含まれ、抗酸化作用がある上に、ビタミンCはビタミンEの再生を図ります。
抗酸化作用による過酸化脂質産生抑制効果によって血液中の中性脂肪はLDLコレステロールの酸化を防ぎ、血管壁が傷ついたり、血栓が出来ることを未然に予防します。
フィコシアニンには高血圧や非アルコール性肝炎の予防効果があると言われています。
γリノレン酸には生活習慣病予防に役立つと言われます。
これらの働きによって高血圧、糖尿病、肥満、脂質異常症、脂肪肝、胆石症、動脈硬化、血栓症、心疾患、脳血管疾患等の予防に役立てると言えます。
鉄欠乏性貧血予防
スピルリナに含まれるクロロフィルは緑色のファイトケミカルであり、体内では赤血球中に含まれ、マグネシウムを結び付いて、血液中の酸素の運搬をする働きがあります。
クロロフィルは体内に入ると血液中の鉄と結合してヘモグロビンの色素となります。
スピルリナにはヘモグロビンの核酸の合成に必要な葉酸が含まれます。
ビタミンC、銅が鉄を代謝することによって鉄の吸収を促します。
その為、スピルリナには鉄欠乏性貧血予防に期待があると言えます。
骨形成
スピルリナには骨の成分として必要なマンガンや、骨や歯の材料となるカルシウムが含まれています。
マグネシウムにはカルシウムを骨や歯に定着させる働きがあります。
ビタミンKはオステオカルシンを活性化することによって骨芽細胞の形成に関わります。
ビタミンKにはコラーゲンを骨に沈着させる働きがあり、コラーゲン生成にはビタミンC、鉄分が関わります。
そしてスピルリナにはコラーゲンの材料となるプロリンが含まれています。
スピルリナには骨の栄養に必要な成分が幾つか含まれ、骨形成をサポートしていることが言えます。
癌予防
フィコシアニンとはスピルリナ独自が持っている蛋白質の一つです。
フィコシアニンは抗腫瘍や免疫力の向上効果があることから癌の予防に期待されています。
スピルリナには抗酸化作用による細胞の損傷抑制や、ビタミンCによるNK細胞を攻撃する働きによっても、癌予防効果に期待があります。
免疫力向上
フィコシアニンにはアレルギー症状を緩和する働きも持っています。
γリノレン酸にはアトピー性皮膚炎の抑制、効果があると言われています。
スピルリナには蛋白質、ビタミンB6が含まれていることから、免疫機能の強化に関わります。
ビタミンCは粘膜の生成に関わる上に、免疫機能を担う好中球を活性する働きがあると言われます。
亜鉛には免疫細胞の活性化に関与します。
スピルリナには風邪等の感染症を予防することにも期待があるのです。
目の機能維持
スピルリナに含まれるビタミンAには視力低下や夜盲症及びドライアイの予防に役立てることが言えます。
ビタミンB2は目の充血や疲れ、涙目を改善し、白内障を始めとする目のトラブルを予防すると言われます。
ビタミンCには加齢性黄斑変性症の進行を抑制する働きがあると言われます。
胎児の成長
スピルリナには葉酸が含まれていることから、胎児を正常に成長させる働きがあると言われています。
亜鉛も含まれ、亜鉛や精子や精液の材料となります。
その為、妊娠成立に役立つでしょう。
月経前症候群の症状緩和他
γリノレン酸には月経前症候群の緩和作用があると言われます。
スピルリナにはビタミンB6が含まれ、ビタミンB6にも月経前症候群の緩和作用があると言われます。
また、ビタミンB6はつわりの症状を軽減する働きがあるとのことです。
この他にもスピルリナには沢山の栄養成分が含まれ、円形脱毛症の予防や味覚障害、アルコール代謝、止血作用等、挙げるとキリがないくらいです。
注意点
スピルリナには副作用は特にありませんが、光過敏症を起こす可能性がありますので、長時間直射日光に当たるのは控えた方が良いでしょう。
また、スピルリナを摂取することによって嘔吐や下痢、頭痛やめまいなどの症状を訴えることがあります。これは好転反応であり一過性のものなので心配することはありません。
好転反応を和らげるには普段の食生活や生活習慣を整えることが必要になります。
スピルリナ摂取の際には注意しなければならないことがあります。
海産物アレルギーのある方、ワーファリンを服用されている方、尿酸値が高い方、腎不全によりカリウム制限の指示を受けている方、高熱を出されている方は体調不良を起こしたり、薬剤との相互作用により薬が効かなくなることがあります。
まとめ
スピルリナについてまとめます。
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スピルリナとユーグレナは同じ藻類で栄養価が高いと言われています。
スピルリナについては安全性が証明されていますが、ユーグレナはまだ研究未開発な部分もあるようです。