乳癌予防の効果に期待のナッツ「ピーナツ」の栄養

ピーナツは酒のつまみとして親しまれています。

実はピーナツは栄養的な面から見ても酒のつまみとして理に適っています。

そして、ピーナツの皮にはレスベラトロールが含まれます。

このレスベラトロールは若返り効果に期待のある成分と言われています。





 

ピーナツの歴史

ピーナツは、南アメリカ・アンデス山脈の東麓が原産と言われるマメ科植物で、全世界で栽培されています。

16世紀にブラジルから西アフリカ、南ヨーロッパに伝わり、日本には17世紀末頃に中国から伝来したものの普及されませんでした。現在、明治時代に導入したものが、千葉県、茨城県で栽培されています。

 

ピーナツの栄養

ピーナツにはパルミチン酸、リノール酸、αリノレン酸、オレイン酸、ナイアシン、ビタミンE、カリウム、マグネシウム、亜鉛、マンガン、レシチン、アスパラギン酸、不溶性食物繊維が含まれます。

そして皮の部分にはレスベラトロールが含まれます。

ピーナツには以下のような健康効果に期待があります。

  • 脂質異常症予防
  • 循環器疾患予防
  • 糖尿病予防
  • 脂肪燃焼促進
  • 二日酔い予防
  • 腸内環境改善
  • 老化予防
  • 認知症予防
  • 乳癌予防
  • 高血圧予防
  • 骨形成に関与
  • 精子、精液の生成、薄毛対策…等

 

脂質異常症予防

ピーナツは約半分が脂肪からなっています。ピーナツに含まれる脂質は、パルミチン酸、リノール酸、αリノレン酸、オレイン酸です。

パルミチン酸は不飽和脂肪酸でLDLコレステロールを増やすという不健康なイメージが強いですが、適量を摂っている限り、細胞膜の形成や皮脂としての役割があります。

αリノレン酸、リノール酸、オレイン酸には中性脂肪やLDLコレステロールを下げ、動脈硬化などの生活習慣病予防効果がある上、全身の血管を強くするため、脳出血や心臓病のリスクを下げます。

但し、リノール酸は少量であれば生活習慣病予防に役立ちますが、リノール酸は意識して摂らなくても摂取量が充足されるうえに、沢山とってしまうと却って生活習慣病を引き起こす原因となり、オメガ3脂肪酸との脂肪酸比率のバランスが崩れてしまいます。

 

低GI

ピーナツは糖質が少なく、GI値が15であり、食後血糖値の上昇も緩やかな為、太りにくく糖尿病を起こしにくい食べ物であることが言えます。

糖尿病の方でも少量であれば安心して召し上がれます。

 

脂肪燃焼促進

ピーナツの皮に含まれるレスベラトロールは、ミトコンドリアを増やす働きがあります。

数が増えることによって、ミトコンドリアの数が増えればエネルギーの利用が活性化されるため、脂肪燃焼効果を高めることになります。

 

二日酔い予防

ピーナツにはナイアシン(ビタミンB3)が多く含まれています。ナイアシンは二日酔いの原因となるアルコールを分解するときに働く「酵素」を助ける「補酵素」として役立っており、肝臓の負担を軽減し二日酔いを予防する効果があります。

亜鉛はアルコールの代謝を促進します。

また、ピーナツにはアスパラギン酸も含まれています。アスパラギン酸は利尿作用があり、有害なアンモニアを排出します。

このような理由から、ピーナツはお酒の共として理に適っているのです。

 

腸内環境改善

ピーナツには不溶性食物繊維が豊富に含まれています。

不溶性食物繊維は、善玉菌の餌となって、腸管内を善玉菌優位にさせ、便のかさを増やして腸の蠕動運動を促すことによって排便を促します。

ピーナツに含まれているオレイン酸も腸の働きを活発にさせ、便の排泄を円滑の行われるようにサポートします。

マグネシウムは、腸管に溜まった古い便に水分を吸収させることによって排便を促します。

このようなことから、ピーナツは、腸内環境改善効果に期待がある食品と言えます。




 

老化予防

ピーナツのビタミンEと皮に含まれる「レスベラトロール」は強い抗酸化作用があります。

レスベラトロールはサーチュイン遺伝子をONにすることによって、活性酸素を消去する動きが出始めることが知られています。

ビタミンEとレスベラトロールが相乗し、過酸化脂質の産生を抑制して動脈硬化や脳血管疾患などの生活習慣病予防や、癌予防、しみやしわ、白髪を予防するアンチエイジング効果があると言われます。

レスベラトロールにはミトコンドリアを増やす働きもあり、ミトコンドリアが増えるとミトコンドリアそのものが活性化し、老化の進行を防ぎます。

 

認知症予防

ピーナツにはレシチンが含まれています。レシチンは神経伝達物質であるアセチルコリンを生成します。

アセチルコリンを減らさないことによって認知症の予防に繋がると考えられます。

レスベラトロールにはアポトーシス(神経細胞の細胞死)が減るばかりではなく、新しい細胞が生まれてくる可能性があると言われているのです。

この為、認知症予防や記憶力、学習力の向上に期待があります。

 

癌予防

ピーナツには乳癌のリスクを減らす働きがあるそうです。

ピーナツの皮に含まれるレスベラトロールは、乳癌細胞のMHC(主要組織低合遺伝子複合体)クラスI関連蛋白質であるMICA及びMICBの発現を高め、これらを抑制するRNAを抑え、NK細胞による乳癌細胞の殺傷を促進することが示されています。

 

高血圧予防

ピーナツに含まれるカリウムとポリフェノールは、高血圧対策に良いと言われます。

カリウムには体内の余分なナトリウムを排泄する働きがあり、ポリフェノールは血管拡張効果があるからです。

 

骨形成に関与

ピーナツにはマグネシウムが含まれています。

マグネシウムは、骨や歯の材料となるカルシウムを、骨や歯に定着させると言われます。

また、マンガンも骨形成に関わります。

ピーナツは、骨形成に関わり、骨形成をサポートする食品であることが言えます。

 

男性の悩みに応える

ピーナツには、亜鉛が含まれます。

亜鉛は、精子や精液、男性ホルモンの材料となります。

子供が出産出来ない理由の中には、精液中の精子が少なくて不妊症を起こす場合があります。

その為、男性由来の不妊症にもピーナツは役立つことができます。

そして、男性に嬉しいもう一つの働きに、薄毛対策があります。

亜鉛には、円形脱毛症を改善することが知られているのです。




 

1日あたりの目安摂取量及び注意点

ピーナツは1日あたり20~30粒が目安となります。

しかし、摂取の際には注意点もあります。

食べ過ぎは太る

身体に良く、肥満防止効果があるからといって沢山食べてしまうと、エネルギー過剰摂取により却って肥満を招いてしまいます。

その為、ピーナツは1日の摂取量の範囲内で摂りましょう。

腸疾患

ピーナツは食物繊維が豊富なことから、腸管トラブルを起こしている場合は注意が必要です。

腸閉塞を起こしている場合、腸管の神経障害や狭窄により、食物繊維によって腸管を詰まらせやすくなります。

このような状態でピーナツを摂取すると、腹部膨満や嘔吐等の症状を引き起こす場合があります。

またリーキーガットのような炎症疾患やお腹を壊している時は、食物繊維と脂質の多いピーナツは却って腸管を痛めてしまうことになります。

脂肪制限

胆石症や膵炎等で医師から脂肪制限の指示がある場合、脂肪分の多いピーナツの摂取は控えるか少量に留めておきましょう。

アレルギー

ピーナツアレルギーのある方は、摂取を控えましょう。

 

まとめ

ピーナツについてまとめます。

  • 脂質異常症予防
  • 循環器疾患予防
  • 糖尿病予防
  • 脂肪燃焼促進
  • 二日酔い予防
  • 腸内環境改善
  • 老化予防
  • 認知症予防
  • 乳癌予防
  • 高血圧予防
  • 骨形成に関与
  • 精子、精液の生成、薄毛対策…等

ピーナツを含むナッツ類は、間食として摂るのにベストな食品であり、ミネラルの補給源でありながら低GI食品です。

しかし、沢山食べれば肥満に繋がり、症状によっては適さない場合もある為、1日あたりの量を守り、腸のトラブルや脂肪制限の指示を受けている場合は摂取を控えるようにしましょう。

 
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