モズクはナガマツモ科の一年生褐藻です。モズクは沖縄で養殖されているオキナワモズクと日本海側に生息する天然のホソモズクに大別されています。
モズクの旬は春から初夏にかけてであり、主に酢の物として食べるのが一般的です。
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モズクの栄養
モズクにはビタミンA。ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB12、ナイアシン、葉酸、ビオチン、ビタミンE、ビタミンK、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、リン、鉄、銅、亜鉛、アルギン酸、フコイダン、クロロフィル等が含まれます。
モズクはオキナワモズクが100gあたり6kcal、ホソモズクが4kcalと低カロリーな食品です。
モズクには以下のような健康効果に期待があります。
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癌治療効果に期待が大きい
海草類にはヌルヌル成分であるフコイダンが含まれており、モズクもその食品の一つです。
フコイダンは癌治療効果がある成分として注目されています。
フコイダンにはアポトーシス機能があり、フコイダンが癌細胞に直接接触することによって癌細胞のDNAを破壊して癌細胞を自滅させます。
このアポトーシス機能にはもう一つの経路があり、癌細胞の表面に穴を開けて直接攻撃するものもあります。
ただ、フコイダンの癌治療の有効性は癌の進行度合いや患者様の身体状況や服薬状況によってそれぞれの為、一律に効果があるという保証はありません。
初期のうちなら可能性は完全にないとは言い切れませんが、もっと大切なのは癌や生活習慣病の原因となるような食生活を送らないことと、ストレスケアを行って予防に努めることです。
それなので、「フコイダン=癌が治る」と安易に考えるよりも、普段の食生活を健康的なものにすることを心がけた上でフコイダンの摂取を意識付け、適度な運動や睡眠などの生活習慣やストレスケアを行って、日ごろから自分の身体を大事にすることです。
腸内環境改善
アルギン酸は、腸の蠕動運動を促すとともに、善玉菌の餌となって善玉菌を増殖させるというプレバイオティクスとしての働きがあります。
食物繊維やマグネシウムの働きによって腸管内の便の水分調整がなされ、老廃物の排泄を促します。
モズクは酢の物として召し上がることが多いことから、発酵食品と一緒に摂る機会も多いでしょう。
発酵食品はプロバイオティクスとして、食物繊維はプレバイオティクスとして働くことから、酢の物として召し上がるモズクはシンバイオティクスとして腸活に役に立ちます。
モズクを含め、海藻類全般にはクロロフィルが含まれ、クロロフィルには腸管内に溜まった有害物質や重金属を排出することから、強いデトックス作用に期待があり、更に消臭効果をもたらします。
老廃物排泄や善玉菌優位となって腸内環境が改善されると、免疫力強化や美肌効果、太りにくい体質の改善、メンタルヘルスの向上等、様々なメリットを得られることに期待があります。
生活習慣病予防
アルギン酸等の食物繊維には腸管からの糖の吸収を抑え、血液中の余分なLDLコレステロールや中性脂肪を排出する働きがあります。
モズクにはカリウムが含まれ、カリウムは血液中の余分なナトリウムを排泄することによって血圧を正常に調節し、高血圧予防に寄与します。
モズクは海藻類であることからヨウ素が含まれています。
ヨウ素にはエネルギー代謝を促進する働きがあり、体脂肪があることから肥満予防に期待があります。
その為、糖尿病をはじめ、肥満、脂質異常症、高血圧症、動脈硬化、心疾患、脳血管疾患等の生活習慣病予防効果があることが言えます。
骨形成
モズクは骨を作る栄養として、カルシウム、マグネシウムが含まれています。
カルシウムは骨や歯の材料となり、マグネシウムはカルシウムを骨に定着される働きがあります。
モズクには、ビタミンKも含まれます。ビタミンKには骨芽細胞を形成する働きがある為、カルシウムはマグネシウムとともに骨を丈夫にする働きがあります。
その為、骨粗鬆症予防や骨折による怪我の治りを早める効果に期待があります。
ヨウ素には成長促進作用があることから、骨の成長をサポートします。
三大栄養素の代謝
モズクにはビタミンB群が含まれ、三大栄養素の代謝に関わります。
運動時において糖分や体脂肪をエネルギーに変換されることに関わる為、疲労を抑制しながらエネルギー代謝を促進します。
電解質の均衡を図る
モズクにはナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムが含まれ、電解質の均衡を図り細胞を正常な状態に守っています。
この為、筋無力感や不整脈を予防するとされています。
皮膚や髪等を美しくする
モズクを含む海草類にはヨウ素が含まれています。
ヨウ素にはエネルギー代謝を促進する働きをはじめ、成長促進、皮膚や髪、爪の健康を維持します。
ビタミンB2は粘膜の生成に関わり、皮膚や髪、爪の健康を維持する役割があります。
亜鉛や葉酸は細胞分裂に関わることから傷の治癒を早め、鉄分はコラーゲンの生成に関わります。
ムコ多糖類には細胞の周りに水分を蓄える働きがあることから、肌に潤いをもたらしたり、関節の働きを円滑にさせます。
もずくは皮膚や粘膜、爪等、身体の組織を若返らせることに関与していると言えます。
薄毛対策
海草類に含まれているフコイダンには「FGF-7」という髪の成長を助ける働きがある成分があり、毛母細胞に働きかけることによって髪の生成や成長を促す効能があると言われます。
モズクには亜鉛が含まれ、亜鉛は薄毛や円形脱毛症の予防や改善効果に期待のある成分です。
貧血予防、改善
モズクにはビタミンB12と葉酸が含まれています。ビタミンB12と葉酸は赤血球と核酸の合成に関わり、悪性貧血予防に必要な栄養素です。
モズクには赤血球の材料となる鉄分が含まれます。
葉酸は赤血球の核酸の合成に必要となり、ビタミンB12は葉酸の核酸の合成に必要となります。
銅は鉄の代謝に関わり、鉄を二価鉄から三価鉄にさせることによって鉄の吸収を促進します。
もずくは鉄欠乏性貧血の予防にも良いことが言えます。
出産をサポート
葉酸には核酸の合成という働きから、細胞分裂を正常に行うために必要となります。
その為、胎児が正常に成長する為に葉酸は利用され、妊娠中の方にとって重要な栄養素となります。
モズクには亜鉛も含まれ、亜鉛や精子や精液の材料となることによって、男性由来の不妊症改善に役立ちます。
注意点
モズクを食べる際には注意点があります。
腎機能低下
モズクにはカリウムが多く含まれています。
腎機能が低下し、尿からの排泄が困難となると、通常尿中に排泄される筈のカリウムが排泄量低下により体内に蓄積されやすくなります。
血中カリウム濃度が上がり過ぎてしまうと、不整脈を起こし、最悪の場合は心不全を起こして死に至る危険性があります。
その為、腎機能があまり良くない場合は、摂取量を控えると良いでしょう。
ヨウ素の過剰摂取
モズクを含む海草類は、過剰摂取するとヨウ素の摂取量をオーバーしてしまうことがあります。
ヨウ素の過剰摂取は甲状腺機能を正常に働かせなくなくなり、バセドウ病の原因となってしまいます。
薬との相互作用
ワーファリン等の抗血栓薬を服用している場合は薬の効力を弱めてしまう場合があります。
一度に大量摂取することは避け、摂取する場合はほんの少量に留めておきましょう。
まとめ
モズクについてまとめます。
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モズクには食物繊維やミネラルによって得られる健康効果に期待があります。
モズクの酢の物はスーパーで手に入りやすいですが、味付けのものは食品添加物や果糖ブドウ糖液糖等が使用されている製品が数多くあります。
酢の物にするのであれば、生モズクを購入して酢や醤油で味付けして召し上がった方がより安全に召し上がれます。