カリウムは細胞内液の主要な陽イオンであり、体液の浸透圧を決定する重要な因子です。
酸・塩基平衡を維持する作用があり、神経や筋肉の興奮伝導にも関与しています。
細胞内液はカリウムと少量の塩素が含まれています。
カリウムの吸収は受動的ですが、回腸や大腸ではカリウムが能動的に吸収されます。
但し、大腸でカリウムが吸収されるのは大腸内カリウムが25mEq/Lの時です。
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カリウムの役割
カリウムの役割は「高血圧の予防・改善」
「浮腫みの解消」「利尿作用」「エネルギー代謝」「筋肉の弛緩調整」「神経細胞の刺激伝達」が挙げられます。
高血圧予防・改善、浮腫み解消
カリウムは血液中のナトリウムが過剰になると、余分なナトリウムの排泄を促進します。
この時カリウムは血圧を正常値に調整するようにナトリウムの排泄量を調節しながら排泄するため、カリウム摂取によって低血圧を起こすわけではありません。
尿中からナトリウムが排泄されことにより、余分な水分も排泄されるので、カリウムは浮腫み解消に良いと言われます。
エネルギー代謝、筋肉の弛緩調整、神経性棒の刺激伝達
カリウムは細胞内、ナトリウムは細胞外にて濃度が一定に保たれています。
細胞内外の浸透圧のバランスが整うと、細胞を正常に保ちます。
カリウムとナトリウムのバランスは、物質の代謝から外界の刺激に反応する神経の動きまで、広範囲に大きな影響を与えます。
カリウムは体内でビタミンB1、B2と協力体制をとっています。
ビタミンB1、B2はエネルギー代謝時に必要なビタミンB群であり、ビタミンB群は運動時のエネルギー産生や筋肉の弛緩調整、神経伝達時に利用され、この時に細胞内外の電位が変化することによって細胞に情報が伝達されます。
細胞膜内にて浸透圧の調整に関わることから、カリウムにはエネルギー産生や筋肉の弛緩収縮という役割があり、それは神経伝達の刺激伝達が正しく行われていることが基盤となります。
これはナトリウムとカリウムの均衡が図れているから可能なものであって、バランスが崩れてしまうとあらゆる細胞が正常に働かなくなり、健康が失われてしまいます。
欠乏症状
カリウムは多くの食品に含まれており、通常の食生活において不足になることは滅多にありません。
但し、下痢や多量の発汗、利尿剤の服用によって体外に多量のカリウムが排泄することによって低カリウム血症を起こすことがあります。
カリウムが不足してしまうと、脱力感、膨満感、呼吸困難、不整脈などの症状を呈します。
また、神経過敏や昏迷といった精神症状も現れ、尿細管の変性にともない、尿の濃縮力障害や腎盂腎炎に罹りやすくなってしまいます。
過剰摂取障害
カリウムは腎機能が正常に働いている場合は殆ど過剰摂取による障害は起こりません。
身体が正常に働いていてカリウムのサプリメントを使用しない限り、過剰摂取になるリスクは低いと考えられます。
しかし、慢性腎不全が進行し、血中カリウムが上昇が見られる時は摂取量に注意する必要があります。
日本人はカリウムが不足している
日本人の食事はカルシウムも不足していると言われますが、カリウム不足も深刻です。
カリウムはビタミンB1、B2とも協力的な為、大切なミネラルです。
また、ナトリウムの摂りすぎを調整する働きがあります。
日本人の場合は諸外国よりナトリウムの摂取量が多い為、ナトリウムの尿中排泄を促すためのカリウム摂取が重要になります。
現代人は加工食品に頼る事が多く、ナトリウムとカリウムのバランスが崩れやすい状況です。
ナトリウムの摂取は食塩(精製塩)だけではなく、ハムやソーセージ等に食品添加物として使われる亜硝酸ナトリウムや、ソフトドリンクに含まれている安息香酸ナトリウム、調味料のL-グルタミン酸ナトリウムからも摂取されます。
ナトリウムの過剰摂取によるナトリウムとカリウムの不平衡を招くため、野菜や果物を摂取してバランスを保持することが必要です。
まとめ
カリウムの働きについてまとめます。
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ナトリウムとカリウムのバランスを平衡に保つ方法は、原則的に加工食品の摂取を控えて、出来る限り普段の食事を生鮮食品から摂取することが望ましいです。