酒粕とは日本酒などのもろみを圧搾した後に残る白い固形物をいいます。
酒を醸造する時に約25%の酒粕が取り出されます。
酒粕の歴史は非常に古く、稲作文化と同時に発症されたと言われています。
現在ではその豊富な栄養成分及び注目のレジスタントプロテインが含まれていることから健康効果が見直されています。
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酒粕の栄養
酒粕は約半分が水分を占め、炭水化物が23%、蛋白質が13%、そのうち必須アミノ酸9種類全てを含み、この他にもペプチド、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、パントテン酸、葉酸、ナトリウム、カリウム、カルシウム、リン、鉄分、銅、亜鉛、αハイドロオキシ酸、ペプチド、酵母、レジスタントプロテインが含まれています。
酒粕には次のような健康効果に期待があります。
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冷えた身体をほっこり温める
酒粕にはナトリウム、カリウムが含まれており、電解質の均衡を図り、細胞を正常な状態に維持する働きがあります。
血液中のナトリウムが過剰になるとカリウムが余分なナトリウムの排出を促し、血中ナトリウム量を調節する為、血圧を正常値に調整します。
酒粕には血圧を上げるホルモン「アンジオテンシン」の作用を阻害する作用がある為、酒粕に含まれる電解質とともに高血圧予防に役立つことから、酒粕は高血圧予防や脳出血などの循環器疾患予防に期待が出来ると言えます。
余分なナトリウムを排出することによって血流が促進される上、酒粕には身体を温める働きがある為、更に全身の血液の流れを円滑にし、冷え性改善や肩こり、腰痛の改善に役立てることが言えます。
三大栄養素の代謝
酒粕は炭水化物、蛋白質(アミノ酸)が含まれている上、ビタミンB1、B2、B6が含まれており、摂取した炭水化物や体脂肪をエネルギーとして利用させる働きがあると言えます。
その為、有酸素運動において疲労を抑制し、運動を継続しながら脂肪燃焼することに役立てます。
9つの必須アミノ酸及びビタミンB群が含まれていることから、筋蛋白合成にも関与し、筋力を付けたり、筋肉を付けることによって脂肪燃焼しやすい身体を作ります。
中鎖脂肪酸と共に摂取すると更に筋蛋白合成や筋肉分解抑制作用によって筋力維持を図れるでしょう。
皮膚形成
酒粕には蛋白質、鉄分、亜鉛が含まれ、粘膜の形成に必要なビタミンB2も含まれるので皮膚の形成に役立てることが言えます。
酒粕に含まれているαハイドロオキシ酸には皮膚の古い角質層を剥がす(ピーリング効果)のに使う成分ですが、新しい細胞の成長を促進させることによって肌の新陳代謝を高めます。
注目の「レジスタントプロテイン」は腸活に最適
酒粕には「レジスタントプロテイン」が含まれ、酒粕100gに対して約15g含まれており、その含有量は他の食品より優れています。
レジスタントプロテインとは小腸内で消化吸収されない蛋白質のことを言い、蛋白質でありながら食物繊維様の働きがあり、食物繊維には分類されていない物質です。
レジスタントプロテインはこの食物繊維様の働きに注目が集められています。
レジスタントプロテインには水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方の食物繊維の働きがあります。
その為、大腸において腸の蠕動運動を促し、プレバイオティクスとして善玉菌を増やし、便のかさを増やして排便を促します。
腸管に溜まった老廃物を排泄させる上、水溶性食物繊維によって便の排泄が円滑になる為、便秘を解消し、腸管内に溜まった老廃物を排出させます。
そして、腸管から余分な糖の吸収を抑え、血液中の余分なLDLコレステロールや中性脂肪を吸着させて体外に排泄する働きがあると言われます。
その為、糖尿病、脂質異常症、高血圧症、肥満、メタボ、動脈硬化症、脂肪肝、心疾患、脳血管疾患、肝硬変等の疾病予防効果に期待があります。
腸内環境改善によって免疫力も高まり、風邪やインフルエンザ、感染症から身を守ることにも役立てます。
抗癌作用
αハイドロオキシ酸にはリンパの働きを活性化させることが知られています。
酒粕には身体を温めることから、低体温の改善にも期待があります。
人の身体は36~37℃代が一番免疫機能が高まる温度帯と言われます。
しかし、体温が1℃でも下がると、免疫機能が大幅に低下してしまいます。
癌細胞が活性擦る温度帯は35℃代であり、酒粕は身体を温める働きによって体温を上げて癌を予防することに寄与すると言えるでしょう。
その為、酒粕には癌予防効果に期待があることが言えます。
出産を控えた夫婦にも
酒粕に含まれる亜鉛には円形脱毛症を予防する働きがあると言われています。
亜鉛には男性ホルモンや精子、精液を生成する働きもあります。
精子を生成することによって男性由来の不妊症予防効果に期待があります。
葉酸は核酸の合成に関わり、細胞分裂を正常することにより胎児が正常に成長出来るようにサポートします。
酒粕には身体を温める働きがある為、婦人科系疾患の予防にも役立てると言えます。
酒粕にはこのような出産トラブル予防に役立てると言えます。
但し、妊娠中の方はアルコールを一度加熱して吹き飛ばしてから摂取しましょう。
リラクゼーション
酒粕にはトリプトファン、炭水化物、ビタミンB6、鉄分が含まれ、セロトニン生成に関わる栄養素が複数含まれています。
カルシウムには興奮抑制作用がありイライラを鎮めると言われます。
鉄分は赤血球の材料に必要な成分であり、赤血球が作られてから寿命を迎える120日になると、一部がフェリチンとなって貯蔵され、トリプトファンがセロトニンの材料として使われるのに利用されます。
セロトニンの分泌によってリラクゼーション効果が与えられ、良質な睡眠を得られることに期待があります。
注意点
酒粕には約6~8%のアルコール分が入っている為、お子様や妊娠中の方、運転前の場合は摂取する際、一度加熱してからアルコール分を吹き飛ばしてから摂ります。
その一方で、加熱によってビタミンB群が壊れてしまい、その効果は3~5割に削減されてしまいます。
まとめ
酒粕についてまとめます。
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酒粕はレジスタントプロテインによる腸内環境改善効果に期待が大きいです。
それだけではなく、癌や生活習慣病予防にも役立ちます。
身体を温めてくれるので、煮物や粕漬け等に利用して、寒い季節を乗り越えることをサポートしてくれます。