アミノ酸スコアが100と言われる植物性蛋白質の代表格「大豆」

大豆はマメ科の一年草であり、完熟した種子を大豆と呼び、未完熟の種子を枝豆と呼んでいます。

大豆は植物性食品の中でも蛋白質の含有量に優れ、アミノ酸スコアが100と高く、動物性食品に匹敵します。

そのアミノ酸スコアの高さから、日本やドイツにおいては「畑の肉」と呼ばれ、アメリカでは「大地の黄金」と呼ばれています。





 

大豆の活用は幅広い

大豆は煮物に用いられたり、豆腐や納豆、高野豆腐、油揚げ等の和食に用いられる他、サラダやチリコンカンの洋風料理にも用いられ、汎用性の高い植物性蛋白質です。

肉にそっくりな形に加工された大豆ミート(ソイミート、フェイクミートとも呼ばれる)という商品も出回っており、ベジタリアンやビーガンが肉料理風の料理を楽しむ為にも用いられています。

また、肉を使うよりも低カロリーでコレステロール含有量も少ない為、健康志向やダイエット志向の方にも用いられています。


 

大豆の栄養成分と期待する効能

大豆は蛋白質をはじめ、食物繊維、糖質、脂質、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、ビタミンE、葉酸、イソフラボン、サポニン、レシチン等の栄養成分が含まれています。

大豆を食べるメリットには次のことが挙げられます。

  • アミノ酸スコアが高い上に腸内環境を整える
  • 多価不飽和脂肪酸が含まれる
  • 高血圧予防
  • 骨粗鬆症予防
  • 抗酸化作用
  • 女性ホルモン様作用
  • 造血作用
  • 皮膚の形成
  • 薄毛対策や体臭予防…等

 

アミノ酸スコアが高く食物繊維も豊富

大豆には17.5~18.5%の蛋白質が含まれ、その含有量は牛肉並みに含まれています。

アミノ酸組成にも優れ、必須アミノ酸全てを含みます。

その為、大豆を摂取して一部のアミノ酸が不足することはないのです。

大豆は蛋白質の含有量に優れていることから他の豆類より糖質の割合が少なめです。

その糖質の中にはオリゴ糖が含まれています。

オリゴ糖はプレバイオティクスとして善玉菌を増殖させる働きがあります。

大豆には食物繊維が多く含まれ、水溶性と不溶性の食物繊維を含みます。

特に不溶性食物繊維は腸の蠕動運動を促す働きがある上に、オリゴ糖と同様に善玉菌の餌となる為、腸内環境改善に役に立つことが言えます。

水溶性食物繊維にも腸内環境を整える働きがあります。

そして、マグネシウムも含まれている為、腸内において便の動きを円滑にさせます。

同じ蛋白源でも肉類は食物繊維が少なく消化に時間のかかる食品です。

その為、胃や腸に停滞している時間も長く、食物繊維の摂取量が不足すると、消化管内で腐敗することによって腸内に悪玉菌が増殖する原因となります。

肉類は蛋白源として優れているものの、腸内環境を寧ろ悪化させてしまう為、腸内環境を整え、アミノ酸組成に優れた大豆は肉類より優れていることが言えるでしょう。

 

多価不飽和脂肪酸を含む

大豆は以外と脂質が多く含まれている食品です。「コレステロール0」と言われますが、これはLDLコレステロール値を上昇させる脂質が含まれていないからです。

大豆に含まれる脂質とはαリノレン酸、リノール酸です。

これら多価不飽和脂肪酸は細胞膜の形成に関わり、LDLコレステロールを減らし、HDLコレステロールを増やす働きがあります。

更にオメガ3脂肪酸であるαリノレン酸には脳神経や神経細胞の維持、抗癌作用、脂肪燃焼効果と様々な効能があります。

大豆のオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の含有比率は1:5~6の為、これを1:3にするには、他にオメガ3脂肪酸を含む食品を追加すると脂肪酸バランスが理想的になります。

 

高血圧予防

大豆にはカリウムが含まれ、カリウムはナトリウムと共に電解質の均衡を図り、細胞を正常に保つ働きがあります。

カリウムには体内に余分に溜まったナトリウムを排泄する働きがある為、血圧を正常値に調整する働きがあると言われています。

このほかにも浮腫み改善効果や血流促進作用に良いとされています。

 

骨形成に関与

大豆にはカルシウム、マグネシウムが含まれています。

カルシウム含有量は牛乳の方が優れている為、骨を丈夫にする食品は牛乳だと思われがちです。

大豆には骨や歯の材料となるカルシウムと、カルシウムを骨に定着させる働きのあるマグネシウムの両方を含んでいる為、骨の成長や強化、骨粗鬆症予防の為には大豆の方がお勧めです。




 

抗酸化作用

大豆にはビタミンEが含まれ、サポニンととも抗酸化作用があります。

抗酸化作用によって血液中のコレステロールの酸化を抑制し、血管が傷つくことを防ぎます。

その為、動脈硬化や心疾患、脳梗塞等の予防効果があり、このほかにも抗癌作用、紫外線から肌を守る働きがあると言われます。

 

更年期における不調の軽減

大豆の骨粗鬆症予防効果は更年期女性にとって嬉しい効能ですが、大豆には更年期における不調を軽減するイソフラボンも含まれています。

このイソフラボンは更に細かく分類され、そのうちのゲニステインが特に更年期障害や更年期症状を軽減すると言われています。

更年期の症状は種類が数多く、症状も人によってそれぞれですが、ゲニステインの摂取によって骨粗鬆症予防やLDLコレステロール値の上昇抑制効果があると言われています。

ただ、大豆を摂取しても更年期における不調が改善されないケースもあります。

これは大豆イソフラボンの中のダイゼインがエクオールを産生出来ないケースであり、このエクオール生産菌は持っている人と持っていない人がいます。

エクオールが産生出来ない場合はサプリメントで摂取する方法があります。

 

皮膚形成

イソフラボンには美容効果もあると言われ、抗酸化作用によるシミやしわ、たるみの予防、肌のターンオーバー促進、肌の炎症予防、美白、コラーゲン増加等があります。

ところが、この美肌効果もエクオール生産をもっていない場合、これらの効能が発現されないと言われます。

大豆に含まれるレシチンはαリノレン酸とともに脳、神経、内臓、皮膚等の細胞膜に必要な成分となっています。

そして、蛋白質や亜鉛、鉄とともに皮膚の形成に関わります。

大豆が持っている抗酸化作用と併せ、大豆は美容に良い食品であることが言えます。

 

循環器疾患予防

大豆は生活習慣病予防に優れた食品であることが言えます。

不溶性食物繊維によって腸管からの糖分の吸収を抑え、水溶性食物繊維によって体内の余分なLDLコレステロールや中性脂肪を排出する働きがあります。

大豆に含まれる多価不飽和脂肪酸のαリノレン酸、リノレン酸及び、レシチン、サポニンにはLDLコレステロールを減らし、HDLコレステロールを増やす働きがあります。

オメガ3脂肪酸や大豆に含まれるサポニンにはインスリン抵抗性改善作用や、脂肪燃焼効果があると言われます。

抗酸化作用もある為、循環器疾患予防にも役立てます。

このように糖尿病や脂質異常症、高血圧症、肝機能障害、肥満、動脈硬化、心疾患、脳梗塞等の生活習慣病予防効果に期待があります。

 

貧血予防

大豆には鉄や銅、葉酸が含まれ、鉄はヘモグロビンの材料となり、葉酸はヘモグロビン合成、銅は鉄代謝に関わります。

銅は血液中においてセミロプラスミンという蛋白質の合成成分となり、二価鉄を三価鉄にする機能を持っていると言われます。

 

薄毛や体臭の予防

大豆は男性にも嬉しい働きがあります。

大豆イソフラボンは女性ホルモン様作用から体臭を抑制する働きがあります。

薄毛予防効果もあり、亜鉛も同様なことから、円形脱毛症の改善効果に期待があります。

亜鉛には精子や精液の生成にも関わる為、不妊症の改善に良いと言われます。

 

イソフラボンの目安摂取量とは?

イソフラボンの1日あたりの目安摂取量は70~75mgと食品安全委員会で定められています。

[1] 食経験に基づく設定
 日本人が長年にわたり摂取している大豆食品からの大豆イソフラボンの摂取量により、明らかな健康被害は報告されていないことから、その量は概ね安全であると考えました。そこで、平成14年国民栄養調査から試算した、大豆食品からの大豆イソフラボン摂取量の95パーセンタイル値70mg/日(64〜76mg/日:大豆イソフラボンアグリコン換算値)を食経験に基づく、現時点におけるヒトの安全な摂取目安量の上限値としました。
[2] ヒト臨床研究に基づく設定
 海外(イタリア)において、閉経後女性を対象に大豆イソフラボン錠剤を150mg/日、5年間、摂取し続けた試験において、子宮内膜増殖症の発症が摂取群で有意に高かったことから、大豆イソフラボン150mg/日はヒトにおける健康被害の発現が懸念される「影響量」と考えました。摂取対象者が閉経後女性のみであることや個人差等を考慮し、150mg/日の2分の1、75mg/日(大豆イソフラボンアグリコン換算値)をヒト臨床試験に基づく、現時点におけるヒトの安全な摂取目安量の上限値としました。

 上記[1]及び[2]から、現時点における大豆イソフラボンの安全な一日摂取目安量の上限値は、大豆イソフラボンアグリコンとして70〜75mg/日と設定しました。

引用元…食品安全委員会Q&A

イソフラボンの75gあたりの摂取量を大豆製品に換算すると以下の通りとなります。

食品 イソフラボン75gあたりの量
納豆 2パック
豆腐 300g以下
きな粉 50g以下
乾燥大豆 2/3カップ
豆乳 200gのものを2本


 

注意点

大豆は栄養豊富な食品ですが、食べ過ぎによるデメリットもあります。

ホルモンバランスを乱す

大豆の食べ過ぎは却ってホルモンバランスを乱してしまいます。

イソフラボンの摂り過ぎはホルモンバランスの乱れによって自律神経や月経リズムを乱してしまいます。

また、せっかくの美容効果も台無しにしてしまいます。

また、妊娠中の方や子供はサプリメントや特定保健食品からイソフラボンを摂るのは避けた方が良いでしょう。

便秘、腸管トラブル

大豆は食物繊維が多いことから、摂り過ぎは却ってお腹を壊してしまいます。

水分の摂取量が不足すると、マグネシウムや食物繊維の働きによって便が排出しにくくなります。

自律神経に乱れによる便秘を引き起こすリスクもあります。

腸閉塞に罹っている場合は、神経障害によって腸管が正常に機能しないことや腸管が閉塞してしまっていることから、食物繊維によって腸管を詰まらせ、腹部膨満や嘔吐の症状を起こす場合があります。

男性は女性らしい身体つきに…

男性の場合は体臭の抑制や亜鉛と併せて薄毛予防に良いのですが、イソフラボンの過剰摂取により精子の量が減少することがあるそうです。

腎機能低下

大豆は蛋白質が豊富なことから、腎不全が見られる場合は悪化防止の為に摂取を控えておくと良いでしょう。

腎機能が低下してしまうと排尿困難に陥り、カリウムが体内に蓄積されてしまいます。

カリウムが体内に過剰に蓄積されると不整脈を起こし、最悪の場合は心不全を起こして死に至ってしまいます。

ヨウ素の吸収阻害

食品には、甲状腺へのヨウ素蓄積を阻害し、甲状腺腫を起こすことがあるゴイドロゲンといわれる化学物質を含むものがあります。

イソフラボンもゴイドロゲンの一つあり、大豆の大量摂取によってヨウ素の体内利用に影響を及ぼす場合があります。

 

まとめ

大豆を食べるメリットについてまとめます。

  • アミノ酸スコアが高い上に腸内環境を整える
  • 多価不飽和脂肪酸が含まれる
  • 高血圧予防
  • 骨粗鬆症予防
  • 抗酸化作用
  • 女性ホルモン様作用
  • 造血作用
  • 皮膚の形成
  • 薄毛対策や体臭予防…等

 

大豆は牛肉並みに蛋白質が含まれ、アミノ酸組成に優れている上に食物繊維が豊富であることから優れた蛋白質の摂取源です。

但し、身体に良いからといって食べ過ぎてしまうこともデメリットがあります。

イソフラボンの1日あたりの摂取量を参考に、摂りすぎに注意しつつ、普段の食生活に取り入れていきましょう。

 





 
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