生命の果実と呼ばれる「サジー」はまるで天然の万能薬

「生命の果実」と呼ばれるサジーは健康食品として注目されています。

サジーに含まれる栄養成分は200種類以上に及び、天然の万能薬と言えるほどです。

栄養価が高いという一方、危険と言う噂も流れていますが、サジーがどのように身体に有益に働きかけるのか、注意点とともに見ていきましょう。





 

サジーは自然環境を守っている

サジー(シーバックソーン)は、ヨーロッパから中国大陸にかけて分布しているグミ科の落葉低木、スナチグミの果実を言います。

サジーは寒冷な山岳地帯や砂漠地帯などの厳しい自然環境の中でも生育する生命力の強い植物で、砂漠の緑化や土壌改良の目的で栽培されています。

サジーは土壌の浸食を防ぎ、植物の成長に欠かせない窒素を維持する目的でも重宝されており、自然環境において非常に重要な役割を果たしています。

サジーは何千年もの間、万能薬として使われ、優れた健康効果、美容効果があることから「生命の果実」と呼ばれています。

世界のサジーの95%は中国国内に広く分布し、いくつかの亜種があります。商業利用されているのは「中国サジー」であり、東北地域に広範囲に分布しています。

サジーの果実は直径5㎜程度の大きさで、オレンジ色をしており、強い酸味を持ちます。

 

サジーの栄養

サジーの果実にはカルシウム、鉄、ビタミンCをはじめ、αカロテン、βカロテン、リコピン、βクリプトキサンチン、ルテイン等のカロテノイド、ビタミンB群、ビタミンE等のビタミン類、カリウム、マグネシウム、亜鉛、マンガン等のミネラル、アスパラギン酸、イソラムネキチンやケルセチンのフラボノイド、OPCなどのポリフェノール、クマリン、ベタイン、5-オキシトリプタミン等の生理活性分質やアミノ酸が含まれています。

脂質も多く含み、その30~40%がオメガ7脂肪酸のパルミトレイン酸です。

サジーの栄養成分は200以上にも及ぶと言われ、万能薬といっていいほどです。

サジーに期待する効能を全て挙げるとキリがありませんが、次のような効能に期待があります。

  • 循環器疾患予防
  • 癌予防
  • 美容効果
  • 貧血の予防、改善
  • 抗炎症作用
  • 目のトラブル予防
  • 感染症予防
  • 三大栄養素の代謝
  • 骨形成に関与
  • 抗ストレス
  • 認知機能改善
  • 胃や消化管の修復作用…等



 

抗酸化作用

サジーにはビタミンC、ビタミンEをはじめ、フラボノイド類、リコピン、カテキン、タンニン、ケルセチン等、ファイトケミカルが豊富に含まれています。

複数の抗酸化作用に関わる栄養成分が活性酸素の発生を抑制する為、過酸化脂質の産生を抑制します。

循環器疾患予防

抗酸化作用によって血液中の中性脂肪やLDLコレステロールが酸化されることを抑制することによって血管が傷つ苦ことを防ぎ、血管のアテローム形成を抑制し、動脈硬化や心疾患、脳血管障害等の生活習慣病予防効果に期待があります。

サジーにはオレイン酸やリノレン酸も含まれています。

オレイン酸やリノレン酸には血液中のLDLコレステロールを減らし、HDLコレステロールを増やす働きがあると言われます。

サジーにはナトリウムが含まれ、カリウムは血液中の余分なナトリウムを体外に排出させて、血圧を正常値に保ちます。

サジーに含まれる、パルミトレイン酸は血液・血管の栄養源として作用することによって血行を促進します。

血管を強く丈夫にするため、高血圧、心臓病、脳血管疾患予防効果及び冷え性改善に期待されています。

パルミトレイン酸、ベタインは、糖質の代謝、インスリン感受性、HDLコレステロール増加、中性脂肪やLDLコレステロールの分解促進等、糖尿病や肥満、高脂血症等の生活習慣病予防にも役立っています。

ルチンには血管を強化したり、血圧を下げる働きがあると言われます。

生活習慣病を予防することによって、心臓病や脳梗塞の発生を抑え、要介護状態に至るリスクが少なくなることが期待出来ます。

抗酸化作用とこれらの栄養成分によって糖尿病や脂質異常症、高血圧、循環器疾患等の生活習慣病を予防すると言えます。

癌予防

サジーは癌予防にも役立ちます。

抗酸化作用は活性酸素によって細胞が損傷することから守る働きがあります。

ビタミンCにはNK細胞を活性化させる働きがあると言われます。

リコピンは癌予防効果があると言われ、前立腺癌予防効果があることが知られています。

美容効果

抗酸化作用は紫外線から肌を守ることからアンチエイジング効果に期待があります。

サジーにはビタミンCが豊富に含まれており、ビタミンCにはシミやそばかすを目立たなくする働きがあると言われます。

鉄分とビタミンCの組み合わせはコラーゲン生成に関わり、アミノ酸や亜鉛とともに美肌作りや皮膚の創傷治癒、スキンテア対策に良いとされます。

そして、ルチンがビタミンCの作用を強化するので、更に皮膚を若々しくします。

サジーにはアミノ酸が含まれ、アミノ酸の中には成長ホルモンの分泌を促進するものもあります。

成長ホルモンが分泌されることによって皮膚の新陳代謝が促され、肌のターンオーバーを促進することによって美肌を保つことに期待があります。

サジーはビタミンEやビタミンA、βカロテンの含有量が高く、パルミトレイン酸も含まれている為、皮膚を軟らかくする作用もあるとのことです。

αカロテンには日焼け後の炎症緩和作用や、髪や爪の栄養になります。

リコピンにも髪を美しくする働きがあると言われます。

パルミトレイン酸の血行促進作用は肌や髪、爪の健康に良いとのことです。

サジーに含まれる沢山の栄養成分が全身の美容をサポートしていると言えるのです。

 

貧血予防、改善

サジーには鉄分が豊富に含まれ、レバーの1.4倍含まれています。

サジーにはビタミンCも含まれているので鉄分の吸収を促し、ヘモグロビンの材料となり、貧血予防に役立ちます。




 

抗炎症作用

サジーには抗炎症作用があると言われます。

炎症作用は関節痛や循環器障害、アルツハイマー、癌等の原因になります。

サジーに含まれているオメガ3脂肪酸がプロスタグランジンやロイコトリエン等の天然の抗炎症物質に変化し、炎症症状を抑えます。

サジーに含まれるオメガ7脂肪酸はオメガ3脂肪酸の弱点をカバーすることから、100度以上に加熱しないかぎりオメガ3脂肪酸の効能をしっかり得られることに期待があるでしょう。

 

目のトラブル予防

サジーには目のトラブルを予防する栄養成分が複数含まれ、ビタミンA、ビタミンB2、リコピン、ルテインが含まれます。

ビタミンAは、網膜細胞の保護や光刺激反応に重要な役割があり、視力低下や夜盲症の予防に役立ちます。

ビタミンB2には粘膜を保護する働きがあり、網膜を保護することもその一つです。

その為、疲れ目や充血、涙目、ドライアイ、目のかゆみの予防に良いと言われます。

リコピン、ルテインには、活性酸素による水晶体の酸化を抑制することによって白内障を予防し、紫外線によるダメージから目を守ることによって加齢性黄斑変性症の予防に役立つと言われます。

 

感染症予防

サジーには粘膜の形成に関わるビタミンB2、ビタミンCが含まれます。

αカロテンはプロビタミンAに変換後もウィルスの侵入を妨げる働きがあるとのことです。

カテキンには抗菌作用、殺菌作用、感染症予防等の効果があるとのことです。

その為、風邪やインフルエンザの感染症や食中毒から身を守ると言えるでしょう。

 

三大栄養素の代謝

サジーはビタミンB群が含まれているから、三大栄養素の代謝をサポートします。

三大栄養素が代謝されることによって乳酸の発生を抑えて疲労を抑制し、蛋白質の代謝によって筋肉の合成を促したり、身体の代謝を調整したり、神経伝達物質の働きを整えます。

 

骨形成に関わる

サジーにはカルシウム、マグネシウム、リン、マンガン、ビタミンK、ビタミンC、βクリプトキサンチンが含まれ、これらは骨形成に関わります。

カルシウムやリンは骨の栄養となり、マグネシウムはカルシウムやリンを骨に定着させます。

ビタミンKは骨芽細胞を活性化させる働きがあり、コラーゲンを骨に沈着させます。

コラーゲン生成にはビタミンCや鉄分が関わり、間接的に骨形成をサポートします。

βクリプトキサンチンは、骨吸収を抑えてカルシウムが血液中に流出されることを防ぎます。

サジーに含まれる様々な成分が骨を丈夫に保つと言えます。

 

ストレスケア

サジーにはセロトニン生成に関わる成分が幾つか含まれており、トリプトファンやビタミンB6、マグネシウム、鉄分がセロトニンの材料となります。

カルシウムやマグネシウムには神経興奮抑制作用があると言われ、怒りを抑えるとのことです。

ビタミンCはストレスによって副腎皮質ホルモンの生成される時に補酵素として必要とされます。

サジーにはこれらの栄養成分によって抗ストレス効果に期待があるのです。

 

その他期待する効能

この他にサジーには、ポリフェノール、オメガ3脂肪酸、セロトニンによる認知機能改善効果、胃や消化器官の修復作用の効果もあると言われます。

 

食品以外に…

サジーは食品以外でも、サジー油を外用して放射線障害、火傷、皮膚腫瘍等に治療促進効果があると言われています。

化粧品成分としてウミクロウメモドキ油と称したものがありますが、果肉と種子から抽出されたものであります。

 

サジーの危険性

サジーはビタミンAが多く含まれています。

ビタミンAの過剰摂取による頭蓋内圧亢進、皮膚の落屑、破骨細胞が活性化されることからサジージュースは危険という一部の声もありますが、これらの症状が起きる場合はレチノイン酸濃度を上昇させたときです。

αカロテン、βカロテン、βクリプトキサンチン等から変換されたビタミンAは体内で厳密調整され、そのまま蓄積されたものは免疫賦活作用や抗酸化作用として活用されるとのことです。

 

注意点

サジーから摂取される様々な栄養成分は、薬剤のように即効性はありません。

少なくとも1か月間継続すると良いでしょう。

サジーを摂取する際は次の点に注意します。

薄めてから摂取

サジーは酸味の強い食品なので、原液のままで飲んでしまうと、胃や食道に負担をかけてしまうので、水で薄めて摂取することをお勧めします。

C型肝炎、NASH

サジーは鉄分の多い食品です。

鉄分は身体に必要なミネラルですが、C型肝炎やNASH(非アルコール性肝硬変)に罹っている場合、鉄のコントロール機構が正常に行われない為、鉄分を制限する必要があります。

鉄分を多くとってしまうと、肝臓に鉄が蓄積される上に鉄が酸化することによって更に肝機能を悪化させるからです。

薬との相互作用

サジーは薬剤との相互作用も指摘されています。抗血液凝固剤を服用中の方、手術を予定している場合は摂取を控えた方が安全です。

 

まとめ

サジーに期待する効能についてまとめます。

  • 循環器疾患予防
  • 癌予防
  • 美容効果
  • 貧血の予防、改善
  • 抗炎症作用
  • 目のトラブル予防
  • 感染症予防
  • 三大栄養素の代謝
  • 骨形成に関与
  • 抗ストレス
  • 認知機能改善
  • 胃や消化管の修復作用…等

 

サジーの効能はここで記載された以外にも数々の効能に期待があります。

但し、栄養成分の過剰摂取を防ぐことから、1日あたりの使用量を守るようにしましょう。


 
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