パンプキンシードオイルは西洋南瓜のペポカボチャの種を焙煎して中身を抽出することによって作られます。
パンプキンシードオイルはオイルの中でも珍しく、濃い黄緑色をして特徴的な黒っぽい色をしています。
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パンプキンシードオイルの栄養
パンプキンシードオイルにはβカロテン、ビタミンE、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ククルビチン酸(アミノ酸)、ロスマリン酸(ポリフェノール)、リグナン(ポリフェノール)、蛋白質と幅広い栄養素が含まれています。
パンプキンシードオイルには次のようなメリットがあります。
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抗酸化作用
パンプキンシードオイルにはβカロテンやビタミンEが含まれ、ビタミンEの含有量はオリーブの8倍と言われます。
βカロテンは体内でビタミンAに変換し、ビタミンEの効力を強めることから、強い抗酸化作用があることが言えます。
また、ロスマリン酸にも抗酸化作用があります。
これらの働きによって血液中のコレステロールや中性脂肪が酸化するのを予防することによって、中性脂肪やLDLコレステロールによって血管内が傷つくことを防いでアテローム形成を予防します。
これによって動脈硬化、心筋梗塞、脳血管疾患の予防及び癌の予防に役立ちます。
また、強い抗酸化作用が紫外線から肌を守る為、シミやシワ、たるみを予防し、美肌効果があると言われます。
寄生虫の駆除
ククルビチン酸は中国では「南瓜仁」と呼ばれ、寄生虫を駆除する生薬として用いられてきました。
パンプキンシードオイルをスプーン一杯飲むことを3週間続けることにより、子供の抗寄生虫作用や駆寄生虫作用に効果があると言われます。
泌尿器系トラブルの予防
リグナンには泌尿器系に効果があると言われ、頻尿や尿漏れ、残尿感の改善に役立つそうです。
更に亜鉛やビタミンも含まれる為、前立腺肥大症や前立腺癌の予防にも役立ちます。
抗アレルギー
パンプキンシードオイルに含まれるリグナンには抗アレルギー作用があると言われています。
ロスマリン酸にはアレルギー症状を緩和する働きがあります。
その為、アトピーや花粉症等の症状改善に期待があることが言えます。
脳機能維持
パンプキンシードオイルに含まれるロスマリン酸は脳の機能を維持する働きがあり、脳機能低下予防によってアルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症予防に効果があると言われます。
ロスマリン酸には、ドーパミン量を増やし、アセチルコリンエステラーゼの働きを抑える効果があることから、認知症予防効果の他にも、学習能力、記憶力、意欲、集中力、注意力等の低下を防止する働きもあるとのことです。
ホルモンバランスの調整
リグナンにはエストロゲン作用があり、ホルモンバランスを整える働きがあることが言えます。
女性ホルモンを整える成分にはリグナンの他にもゲニステインやエクオールも関わっています。
どの成分が適しているかは個人差がありますが、女性ホルモンのバランスを整えることによってPMSや生理不順、更年期症状等これらの症状を軽減する働きが期待出来るでしょう。
その他の効能
パンプキンシードには亜鉛も含まれ、亜鉛を摂取することによって円形型脱毛症の改善効果に期待があります。
その他に筋肉や臓器、神経、心臓、血管の強壮効果によって消化器系のトラブル予防をはじめ、体内のあらゆるところを強化するのに役立ちます。
注意点
パンプキンシードオイルはとても栄養価が高いですが、摂り過ぎは決して良くありません。
生活習慣病のリスク
パンプキンシードに含まれる油の5割はリノール酸です。
リノール酸は摂り過ぎると生活習慣病予防効果が逆効果とあってしまい、寧ろ生活習慣病のリスクを高めてしまいます。
炎症体質
リノール酸は摂り過ぎると炎症作用の物質が産生され、炎症を起こしやすい体質となってしまいます。
慢性的に炎症が続くと癌を引き起こしやすくなります。
また、炎症を起こしやすいということは肺炎を起こしやすくなります。
誤嚥によって肺に食物が入った時に特に肺炎が起こりやすくなります。
肺炎は繰り返し起こされ、発熱を伴い、経口摂取が遠ざかる原因となります。経口摂取が出来なくなると食べる楽しみを失うとともに、生き甲斐も失ってしまいます。
また体内に炎症反応が起こると身体の栄養状態の悪化してしまいます。
特に身体を動かせない高齢者においては褥瘡の原因となりやすく、炎症反応を起こしCRP値が高くなると、皮膚の創傷を治す為の治療をあらゆる面から根気強く行っていかなくてはなりません。
皮膚の創傷を治療するには体位の工夫や処置方法、薬剤等も関わりますが、早く治す鍵を握っているのは口から食べることです。
肺炎が酷くなって経口摂取が困難になり、更に消化管が使えなくなることによって点滴からの栄養補給を行う場合、傷の治療が困難となり、栄養療法による治療手段を失い、患者様本人が痛い思いをすることとなってしまいます。
生まれてくる子供がアトピーに…
必須脂肪酸であるαリノレン酸とリノール酸の比率は1:1~3が理想的です。
αリノレン酸を含まず、リノール酸が豊富に含まれているパンプキンシードを多量摂取すると、体質が劣化してしまい、アレルギー症状を起こしやすくなります。
アレルギー体質になってしまうと、生まれてくる子供がアトピーになる危険性も孕んでいます。
まとめ
パンプキンシードオイルのメリットについてまとめます。
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パンプキンシードオイルは栄養価が高いですが、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の比率の配慮が必要です。
1日の目安摂取量として大匙一杯が適量とされています。