大豆由来、日本の伝統発酵調味料の代表の一つ「醤油」

醤油は穀類を主に原料とし、醸造技術によって発酵させることによって製造されます。日本料理における代表的な調味料の一つとして位置付けられています。

醤油は東アジアの料理にも利用されています。





 

製造方式

醤油の製造方法は「本醸造方式」「混合醸造方式」「混合方式」の3つがあります。

本醸造方式

本醸造方式とは蒸した大豆と炒った小麦を混合し、麹菌を加えてもろみを作ります。

このもろみを食塩水と一緒にタンクに入れて、6~8ヶ月間の間に時々かき混ぜながら寝かせておきます。

麹菌、酵母、乳酸菌の働きによって大豆蛋白質や小麦の糖質が分解され、この行程の中において熟成が進むともろみは粥状になり、色が濃くなり、醤油の持つ味や香りが生まれます。

これを複数枚の布で包み、絞り出すことによって大豆や小麦のカスを取り除きます。

更に絞り出して3~4日休ませ、油や沈殿物を取り除きます。

更に殺菌目的として火にかけ、色、味、香りを整えます。

この製造方法は伝統的な方法であり、アミノ酸液を用いていません。

混合醸造方式

混合醸造方式とはもろみに脱脂加工大豆、小麦、とうもろこしなどの蛋白質を塩酸分解して作ったアミン酸液を加えて数ヶ月間熟成させて製造します。

混合方式

混合方式は本醸造醤油又は混合醸造醤油にアミノ酸液を加えて作られたものです。

商品によっては酵素分解調味料や発酵分解調味料が用いられることがあります。

 

醤油の種類

淡口醤油

兵庫県の播州龍野で生まれた醤油であり「薄口醤油」と呼ばれているものです。

食塩濃度を濃くし、熟成期間を短くして作る為、色は薄いものの塩分濃度が濃い仕上がりとなっています。

たまり醤油

大豆と小麦の比率が通常の醤油より大豆の割合が多く小麦は僅かで、味噌玉麹を使って食塩水で仕込み、約1年間という比較的長い期間をおいて発酵及び熟成させて製造されます。

白醤油

愛知県三河地方で生まれた醤油であり、淡口より更に色が薄く琥珀色をしている特徴があります。

主原料は小麦で大豆の使用量が僅かです。

大豆は炒った後に皮を剥き、小麦は精白したものを蒸します。

製造工程は他の醤油と同じですが、撹拌、圧搾、加熱処理を行いません。低温で3ヶ月間という短い期間で熟成させて作られます。

 

購入の際の注意点

主な3つの製造方法で作られる醤油のうち、一番お勧めなのは伝統的な製法で作られた「本醸造方式」のものです。

原材料が食塩、大豆、小麦とシンプルなものであるのが、伝統的な製法で作られている醤油であることが分かり、その他の製法で作られているものは、化学調味料や蛋白分解加水物が使用されている可能性があります。

その本醸造方式で作られた醤油も、価格が安いと輸入物の大豆が使用されている可能性が否めません。

海外産の大豆の場合、遺伝子組み換え食品であることが懸念されます。

これは原材料を見た限りでは区別がつきにくいのですが、選ぶとしたら国産大豆を使用されているものを選んだ方が無難でしょう。

国産の大豆が使用されているものはややコストが嵩むというデメリットがあります。ただ、大豆の風味は海外産のものよりも国産の方が癖がなく味や風味の点で上回ります。

 

まとめ

味や安全面を考慮すると、価格は高くなってしまうものの、伝統的な製法で作られ、尚且つ国産大豆を原料としたものを選ぶのがお勧めであることが言えます。


 
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