甜菜糖はオリゴ糖が含まれ、腸内環境改善に良い甘味料であることが知られています。
砂糖は一般的に身体を冷やすと言われますが、甜菜糖は身体を温めると言われています。
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甜菜とは?
甜菜糖は北海道で栽培されている甜菜(砂糖大根、ビート)の根からとれる甘味料です。日本で生産されている砂糖の7割は甜菜から作られています。
甜菜とは根菜の一種でアガサ科フダンソウ属に分類されています。
甜菜は日本では明治時代から栽培が始められていました。
甜菜はほうれん草と同じ科目の野菜ですが、根が白くて見た目はかぶのような外見をしています。
葉で糖分が作られ、糖分は葉脈と通して地下に伸びている根に糖分が蓄えられることによって甜菜が作られます。
甜菜糖のメリットとは?
健康的な甘味料として注目されている甜菜糖ですが、そのメリットについて挙げてみます。
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貴重なラフィノースが含まれる
甜菜糖にはラフィノースやケストースといった天然のオリゴ糖が含まれています。
オリゴ糖とはプレバイオティクスとして善玉菌の餌となり、善玉菌を増やす働きがあります。
甜菜糖に含まれるラフィノースは大変貴重な存在です。ラフィノースはグルコースとフルクトースとガラクトースから構成されている多糖オリゴ糖の一つです。
このラフィノースは甜菜の他にもブロッコリーやじゃが芋、とうもろこし、ぶどう、大豆、キャベツ、アスパラ等の野菜や果物に含まれています。
ラフィノースは善玉菌や短鎖脂肪酸を増やす他に、短鎖脂肪酸から得られる効能も享受されることに期待があります。
腸内環境を整えることによって排便コントロールや毒素排泄、この他にも免疫力の増強、太りやすい体質改善等の効果も期待出来ます。
甘味料の中ではGI値が低め
甜菜糖は砂糖に比べ、GI値が低めです。
甜菜糖 | さとうきび(黒糖) | 三温糖 | 上白糖 | |
カロリー(kcal) | 390 | 396 | 392 | 384 |
炭水化物(g) | 97.5 | 98.8 | 98.7 | 99.2 |
GI値 | 65 | 99 | 108 | 109 |
オリゴ糖(mg) | 5 | 0 | 0 | 0 |
ナトリウム(mg) | 15-85 | 10-30 | 7 | 1 |
カリウム(mg) | 5-65 | 142 | 13 | 2 |
カルシウム(mg) | 10-35 | 6 | 0-1 | 1 |
マグネシウム(mg) | 0-0.3 | 3-20 | 2 | 微量 |
リン(mg) | 0-0.3 | 1.1 | 0 | 微量 |
鉄(mg) | 0-0.3 | 0.15-0.45 | 0.1 | 微量 |
亜鉛(mg) | 0.1 | 0 | 0 | 0 |
GI値は上白糖では109、黒糖では99、甜菜糖は65の為、砂糖に比べると食後の血糖上昇が緩やかであることが言えます。
その為、砂糖に比べると食後の急激な血糖値を抑えられます。
これに伴ってインスリン分泌量も抑えられる為、肥満予防を予防したり、膵臓からのホルモン分泌機能の負担を軽減します。
更に甜菜に含まれているラフィノースには血糖上昇抑制効果があり、糖尿病予防効果に期待があります。
ベタインが含まれる
甜菜にはアミノ酸の一種であるベタインが含まれており、ベタインの名称は「ビート」が由来となっています。
アミノ酸であることから成長ホルモン分泌促進効果等の効能があり、筋肉づくりに必要な成分の一つとなっています。
ベタインには肝臓を保護する作用や糖尿病や動脈硬化、脂質異常症の予防効果に期待があります。
ベタインを含む食品は甜菜の他にも甲殻類や貝類、ほうれん草等があり、甜菜糖を摂り過ぎてしまっても健康上の弊害が出る為、他のベタインを含む食品から摂取することをお勧めします。
身体を温める甘味料
甜菜糖は身体を温める効果があると言われます。
これはサトウキビが温帯地で栽培される一方、甜菜は寒冷地で育つ根菜であることから、マクロビオティックの「身土不二」に適い、その土地の気候や風土に応じていると考えられます。
健康効果があると言われる甜菜糖ですが、その一方で危険と言われる説があります。
甜菜は元々寒さに強い植物であり、海外では北海道より寒い地域で栽培されています。
その為、北海道は甜菜の栽培地の中では一番温かい地域となります。
甜菜糖は何故危険
気候の関係により、北海道で生産する場合は他の国で生産されるものより害虫の被害に遭いやすく、栽培には農薬が必要となってしまいます。
農薬が使われているとなると遺伝子組み換え食品であるのか懸念が拭い去れないかと思いますが、日本においては遺伝子組み換え食品は認められていないとのことです。
いずれにしろ、大量摂取は禁物です。
甜菜は他の天然の甘味料ほどではありませんが、栄養成分が含まれ、腸内環境改善に良いと言われますが、過剰摂取は糖尿病や肥満の原因となってしまいます。
また、上記の農薬の問題もあることから大量摂取することは控えます。
1日あたりの目安摂取量
甜菜糖の1日あたりの摂取量は明確ではありませんが、WHOでは砂糖の摂取量を1日25gまでと定めています。
1日25gだとティースプーン6杯分の量となります。
但し、市販の食品の中には砂糖を使われている食品が数多く出回っています。
まとめ
甜菜糖についてまとめます。
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甜菜糖はオリゴ糖が含まれる、低GIという観点から見ると、白砂糖を使うより明らかにヘルシーです。
しかし、甜菜糖に含まれるオリゴ糖やベタインは他の食品から摂ることも可能です。
あくまでも甘味料として少量に留めておきましょう。