亜鉛と鉄分が豊富なバターの木の実「ペカンナッツ」

ペカンはクルミ科の落葉高木であり、その種実がペカンナッツです。

ペカンは脂肪分の多いナッツが採れることから「バターの木」と呼ばれます。

ペカンナッツは100gあたり約700kcalほどあり食物繊維も多いため、低GIです。





 

ペカンナッツの歴史

ペカンはアメリカ中西部ミシシッピ川流域からメキシコ東部を原産とし、オクラホマ州が主要な産地です。

自然分布から外れたニューメキシコ州南部やテキサス州西部の乾燥地帯でも灌漑栽培されています。

日本には大正時代の初期に輸入されました。

ペカンナッツはアメリカ建国以前は、毛皮と交換される程価値の高いものでした。

現在アメリカではピーナツの次に人気のあるナッツであり、世界消費の8割はアメリカで生産されています。

ペカンは水はけの良い土壌、湿潤で夏冬がはっきり分かれている気候等、最適の環境があれば樹高30m程まで成長します。

強風などの外部からのダメージに弱く、乱暴に収穫すると若い枝は痛んでしまいます。

同じ木に雌雄の花が沢山付きますが、自家受粉は滅多にしません。

植えて6~10年程度で実を付けるようになり、200年は収穫することが出来ると言われます。アメリカ南東部には樹齢1000年を超えるペカンの木が何本も残っています。

 

ペカンナッツの栄養

ペカンナッツは100gあたり691㎉であり、糖質が低めです。

ペカンナッツにはαリノレン酸、リノール酸、オレイン酸、ビタミンA、ビタミンE、葉酸、カルシウム、カリウム、鉄分、亜鉛、食物繊維、エラグ酸、L-アルギニン等が含まれています。

ペカンナッツは次の効能が期待出来ます。

  • 抗酸化作用
  • 血流改善
  • 脱毛予防
  • 腸内環境改善
  • 貧血予防…等


 

抗酸化作用

ペカンナッツには抗酸化成分であるビタミンA、ビタミンE、エラグ酸が多く含まれています。

循環器疾患、癌予防

抗酸化成分により活性酸素による過酸化脂質の産生を抑制し、血管内のアテローム形成を予防することによって動脈硬化や心筋梗塞、脳血管疾患等の生活習慣病予防に役立ちます。

また、免疫力向上により癌の予防も期待されます。

皮膚を守る

抗酸化作用は紫外線から肌を守る働きがある為、シミやしわやたるみを抑え、アンチエイジング効果にも期待出来ます。

更にペカンナッツに含まれるビタミンAと亜鉛は、肌の透明感を高め、皮膚感染症から肌を守る働きがあるそうです。

 

血流促進

ペカンナッツにはL-アルギニンが含まれています。L-アルギニンは動脈壁の柔軟性を高め、血流を改善する働きがあります。

ペカンナッツに含まれるオメガ3脂肪酸はHDLコレステロールを増やし、オメガ6脂肪酸が中性脂肪やLDLコレステロールを減らす働きがあります。

脂質異常症や高血圧症、動脈硬化の予防に役立ち、更に血流改善にも繋がるので浮腫み予防にも良いとされています。

 

薄毛対策

ペカンナッツの血液をサラサラにする働きは、頭皮に血が巡ることによって毛根を活性化し、育毛効果にも期待出来ます。

ペカンナッツには亜鉛も含まれる為、脱毛予防にも役立ちます。




 

腸内環境改善

ペカンナッツには食物繊維が多く含まれ、水分と一緒に摂取すると排便が促されるため、腸内環境改善の効果が期待出来ます。

食物繊維はプレバイオティクスとして善玉菌の餌となるため、発酵食品と一緒に摂ると、更に腸内環境改善に効果的であると言えます。

ペカンナッツにはオレイン酸も含まれ、オレイン酸が腸内の滑りを良くすることから、便通改善効果があることが言えます。

 

貧血予防

ペカンナッツには亜鉛が100gあたり3.6mg、鉄分が2.7mg含まれ、貧血改善や予防に良いと言われます。

鉄分はヘモグロビンの生成に欠かせない栄養素であり、亜鉛は赤血球膜の生成に必要な栄養素であります。

亜鉛が欠乏すると赤血球が脆弱化することによって破壊されやすくなり「亜鉛欠乏性貧血」を起こすリスクがあります。

 

皮膚の形成

亜鉛と鉄分はエネルギーや蛋白質と併せて摂ることにより創傷治癒にも役立ちます。

 

注意点及び1日あたりの目安摂取量

ペカンナッツにはオメガ3脂肪酸が含まれていますが、ナッツ類の中では多い方ではありません。

むしろオメガ6脂肪酸の含有量が多いのです。

いずれも必須脂肪酸を摂取するのに必要な脂肪酸ですが、オメガ6脂肪酸に偏ってしまうと、アレルギーの原因や癌のリスクを高めてしまいます。

1日の目安摂取量は20粒弱が良いとされています。

 

まとめ

ペカンナッツを食べると期待出来るメリットについてまとめます。

  • 抗酸化作用
  • 血流改善
  • 脱毛予防
  • 腸内環境改善
  • 貧血予防…等

抗酸化作用があり、生活習慣病予防良いからといって食べ過ぎてしまうとカロリーオーバーを招いてしまいます。

オメガ6脂肪酸の比率が高いことから、脂肪酸比率のバランスをとるためにもオメガ3脂肪酸を摂ることを心がけましょう。


 
栄養相談、サポート詳細
 

関連記事

最近の記事

  1. CPPと石灰化

  2. ダイエットをするのなら体重を40kg代前半になるまで落としましょう…という危険なダイエット

  3. 大豆の大量摂取が甲状腺に影響を及ぼす…ゴイトロゲンとは?