これが一品あるだけでおかずに困らない「枝豆」の栄養

大豆の未完熟の種子を指す枝豆はお酒のお供として親しまれています。

そして、栄養面から見ても酒のお供として理に適っているのです。

枝豆は大豆でありながら、完熟した大豆にはない栄養素も含まれています。





 

大豆の栄養

枝豆には大豆譲りのアミノ酸スコアの高い蛋白質、多価不飽和脂肪酸、食物繊維、カロテン、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK。サポニン、葉酸、CoQ10、カリウム、カルシウム、鉄分、亜鉛、銅が含まれています。

枝豆だけで主菜、副菜分の栄養が摂れるので、冷凍のものを1袋ストックしておくと、おかずに困った時には枝豆を使うというように、手軽に栄養素がしっかり摂れる便利さがあります。

枝豆には以下のような健康効果に期待があります。

  • 生活習慣病予防
  • 脳神経及び神経細胞の維持
  • 脂肪燃焼
  • 低下防止
  • 抗癌作用
  • 浮腫み改善
  • 血流促進
  • 腸内環境改善
  • 貧血改善
  • 美容効果
  • 疲労抑制
  • 体臭を抑える
  • 薄毛対策
  • 肝機能維持
  • 骨形成…等

 

生活習慣病予防

枝豆は大豆同様に生活習慣病予防に優れた食品であることが言えます。

枝豆にはカリウムが含まれ、カリウムはナトリウムと共に電解質の均衡を図り、細胞を正常に保つ働きがあります。

カリウムには体内に余分に溜まったナトリウムを排泄する働きがある為、血圧を正常値に調整する働きがあると言われています。

このほかにも浮腫み改善効果や血流促進作用に良いとされています。

枝豆には食物繊維が多く含まれ、水溶性と不溶性の食物繊維を含みます。

不溶性食物繊維によって腸管からの糖分の吸収を抑え、水溶性食物繊維によって体内の余分なLDLコレステロールや中性脂肪を排出する働きがあります。

大豆に含まれる多価不飽和脂肪酸のαリノレン酸、リノレン酸及び、レシチン、サポニンにはLDLコレステロールを減らし、HDLコレステロールを増やす働きがあります。

更にオメガ3脂肪酸であるαリノレン酸には脳神経や神経細胞の維持、抗癌作用、脂肪燃焼効果と様々な効能があります。

大豆のオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の含有比率は1:5~6の為、これを1:3にするには、他にオメガ3脂肪酸を含む食品を追加すると脂肪酸バランスが理想的になります。

オメガ3脂肪酸や大豆に含まれるサポニンにはインスリン抵抗性改善作用や、脂肪燃焼効果があると言われます。抗酸化作用もある為、循環器疾患予防にも役立てます。

このように糖尿病や脂質異常症、高血圧症、肝機能障害、肥満、動脈硬化、心疾患、脳梗塞等の生活習慣病予防効果に期待があります。

 

食物繊維が豊富

枝豆には食物繊維が多く含まれ、水溶性と不溶性の食物繊維を含みます。

特に不溶性食物繊維は腸の蠕動運動を促します。

更に不溶性食物繊維は善玉菌の餌となる為、腸内環境改善に役に立つことが言えます。

水溶性食物繊維にも腸内環境を整える働きがあります。

一方同じ蛋白質源でも、肉類は食物繊維が少なく消化に時間のかかる食品です。

その為、胃や腸に停滞している時間も長く、食物繊維の摂取量が不足すると、消化管内で腐敗することによって腸内に悪玉菌が増殖する原因となります。

肉類は蛋白源として優れているものの、腸内環境を寧ろ悪化させてしまいます。

 

貧血予防、改善

ここまでは殆ど通常の大豆と同じ効能ですが、枝豆には大豆にはない長所が複数あります。

枝豆はビタミンCが含まれているのが大豆との大きな違いです。

大豆は貧血予防に優れており、赤血球の材料となる鉄分、葉酸はヘモグロビン合成、銅は鉄代謝に関わります。

銅は血液中においてセミロプラスミンという蛋白質の合成成分となり、二価鉄を三価鉄にする機能を持っていると言われます。

枝豆にはビタミンCが含まれあることによって鉄分の吸収を促す為、枝豆は鉄欠乏貧血及び悪性貧血の予防において大豆より優れていることが言えます。

 

大豆より抗酸化作用が優れている

抗酸化作用においても枝豆は大豆より優れています。

大豆には元々ビタミンEが含まれ、サポニンととも抗酸化作用があります。

抗酸化作用によって血液中のコレステロールの酸化を抑制し、血管が傷つくことを防ぎます。

その為、動脈硬化や心疾患、脳梗塞等の予防効果があると言われます。

他にも抗癌作用、紫外線から肌を守る働きがあると言われます。

枝豆にはビタミンCやCoQ10も含まれます。ビタミンCは抗酸化作用においてビタミンEの立役者であり、生体内ではビタミンEを再生し、ビタミンEの持つ抗酸化作用を引き出し、ビタミンEと協力して細胞を守ります。

CoQ10の抗酸化作用はサビ取りによってビタミンEの働きを取り戻すと言われています。

ビタミンCにはNK細胞を活性化する働きがあると言われ、更なる癌予防効果に期待があります。




 

美肌効果

大豆もイソフラボンが含まれて美容に良いと言われますが、更年期においてはイソフラボンの作用が効かない人もいます。

枝豆の美容効果はイソフラボンの他にも大豆より優れた抗酸化作用、大豆譲りのアミノ酸組成、コラーゲン生成の関与及びしみを目立たなくする働きのあるビタミンC、皮膚の形成に関わる亜鉛や鉄分、CoQ10等の栄養が様々に相互して、若々しさを保つ皮膚を作ります。

このような作用があることから、傷口や皮膚の創傷の治癒を早める効果があることが言えます。

 

アミノ酸組成に優れている

枝豆は大豆と同様に腸内環境を整え、アミノ酸組成にも優れていることから肉類より優れた蛋白源であることが言えるでしょう。

枝豆は大豆同様に17.5~18.5%の蛋白質が含まれ、その含有量は牛肉並みに含まれています。

アミノ酸組成にも優れ、必須アミノ酸全てを含みます。

その為、大豆を摂取して一部のアミノ酸が不足することはないのです。

エネルギー代謝

枝豆は大豆よりビタミンB1やB2の含有量が多く含まれます。

B6やナイアシンも含まれている為、糖質や体脂肪の代謝に関わり、エネルギーに変換させる働きがあります。

その為、運動時において体脂肪の燃焼を促し、疲労抑制効果もある為、効率的に運動を行うことが出来ると言えます。

筋蛋白合成

ビタミンB6は蛋白質合成に関わり、アミノ酸スコアに優れた枝豆は運動することによって筋蛋白合成を促し、脂肪燃焼しやすく引き締まった身体を作ることが出来ると言えます。

中鎖脂肪酸と合わせて摂るとその効能に期待が高まるでしょう。

但し、枝豆にはイソフラボンが含まれる為、摂りすぎてしまうと女性らしい体型を作ってしまうことから、筋肉をしっかり付けたいというニーズがある場合は摂りすぎないようにすることです。

そして、枝豆には食物繊維が多く、腸内環境改善効果によって太りやすい体質の改善効果もあると言われていることから、枝豆は太りにくい身体を作る事に役立てると言えます。

枝豆には100gあたり30mgのイソフラボンが含まれており、イソフラボンは1日70~75mgが適量と食品安全委員会で定められています。

 

男性の悩みに応える

大豆イソフラボンは女性ホルモン様作用から体臭を抑制する働きがあります。

イソフラボンには薄毛予防効果もあります。

大豆はイソフラボン過剰摂取の懸念がありますが、枝豆は200g以上食べることは、余程食べ過ぎることがない限り、過剰摂取による逆効果もそれほど心配ないでしょう。

亜鉛にも薄毛予防円形脱毛症の改善効果、精子や精液の生成にも関わる為、不妊症の改善に良いと言われ、男性にとって有用な栄養成分を含む食品であることが言えます。

 

アルコール代謝

枝豆にはアルコールの代謝に関わるビタミンCとオルニチン、アルコール排泄に関わるビタミンB1を含みます。

メチオニンには肝臓を強化する働きがあると言われます。

お酒と枝豆の組み合わせはこのようなことから理にかなっています。

また、お酒には利尿効果がある為、特に水溶性ビタミンは尿中から排泄されやすいですが、枝豆を食べることによってビタミンCやビタミンB群を補給できる為、二日酔い予防肝臓を健康に保つ働きが枝豆にあることが言えます。

 

骨形成

枝豆にはビタミンKが含まれ、骨に含まれる蛋白質によってカルシウムの沈着を促す働きがあると言われます。

骨の栄養にはコラーゲンも関わり、枝豆にはビタミンCも含まれることから、枝豆には骨形成にも優れた食品であることが言えます。

但し、枝豆はカルシウムとリンが含まれているものの、マグネシウムの含有量は大豆に劣ってしまいます。

その為、骨を丈夫にするにはマグネシウムを含む食品を補助的に摂ると良いでしょう。

 

注意点

枝豆の過剰摂取の注意点として次の点が挙げられます。

腎機能低下

蛋白質が豊富なこととリンが比較的多く含まれることから、過剰摂取は腎機能低下に繋がってしまいます。

腎機能が低下してしまうと排尿困難に陥り、カリウムが体内に蓄積されてしまいます。

カリウムが体内に過剰に蓄積されると不整脈を起こし、最悪の場合は心不全を起こして死に至ってしまいます。

腎機能が低下している場合は枝豆は少量に留めておくのが安心です。

腸トラブル

また、食物繊維が豊富な為、食べ過ぎはお腹を壊してしまいます。

腸閉塞等腸管トラブルを起こしている場合も控えます。

腸閉塞の場合、腸の神経障害や狭窄により、食物繊維の多いものを摂ると腸管を詰まらせる恐れがあります。

腸管を詰まらせると吐き気や腹部膨満の症状を呈する場合がありますので、腸疾患やお腹を壊している時は摂取を控えます。

 

枝豆を茹でる時は自然塩が望ましい

枝豆は塩ゆでにして調理しますが、その時に使う塩に気を付けてほしいものです。

塩というと一般的に「精製塩」が使われますが、精製塩は安価で手に入れやすい一方、含まれているミネラルは「ナトリウム」しかありません。

一方自然塩と言われる「海塩」や「岩塩」にはナトリウムの他にカリウムやマグネシウム、カルシウム等のミネラルも含まれています。

自然塩には複数のミネラルが含まれていることによって精製塩より高血圧や心疾患等のリスクを抑えることが可能であることが言えます。

冷凍のものは手軽に摂取出来ますが、使用されている塩は精製塩である可能性があります。

摂り過ぎればナトリウムの過剰摂取に繋がりかねない為、小鉢一杯分を目安に留めておくと良いでしょう。

 

まとめ

枝豆についてまとめます。

  • 生活習慣病予防
  • 脳神経及び神経細胞の維持
  • 脂肪燃焼
  • 低下防止
  • 抗癌作用
  • 浮腫み改善
  • 血流促進
  • 腸内環境改善
  • 貧血改善
  • 美容効果
  • 疲労抑制
  • 体臭を抑える
  • 薄毛対策
  • 肝機能維持
  • 骨形成…等

枝豆は大豆なだけに栄養価が高く、大豆に含まれていない栄養成分も含まれています。

枝豆があるだけで主菜と副菜分の栄養が摂れることから、時間がない時は枝豆を有効活用出来ます。

勿論、塩ゆで以外にもサラダや和え物などに活用出来ますので、普段の食生活の中に取り入れていきましょう。

 
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