「伝統発酵食品漬物」と塩分の関係

漬物と言えば、塩分が多い、身体に悪いというようなネガティブなイメージが強いものです。

漬物が何故、身体に悪いものとして見られているのは、それなりの原因があります。

でも、本来漬物は、優れた健康効果を持つ伝統発酵食品なのです。





 

漬物の種類

日本の伝統食である漬物には、いろいろな種類があります。

ぬか漬、塩漬、味噌漬、醤油漬、粕漬、麹漬、酢漬などです。

こうした多種類の漬物は、実は大きく2つに分けられます。

乳酸菌や酵母が働いてつくられる「発酵漬物」と、微生物の働きがない「無発酵漬物」です。

発酵漬物には、大根やきゅうりや茄子などの糠漬、瓜や魚の粕漬、白菜や野沢菜の塩漬があります。

無発酵漬物には梅干しやらっきょうの酢漬、野菜の醤油漬などがあります。酸味の出てない白菜漬などは、まだ乳酸がつくられていない無発酵漬物です。

 

元々は保存食として作られていた

乳酸菌や酵母は漬物に風味や匂いをそえるだけではなく、漬物のphを下げることによって腐敗菌が付くのを防ぎます。

冷蔵庫がなかった時代、保存食として漬物が作られていたのはこのような理由があったからなのです。

 

漬物の健康効果

それでは何故、漬物が健康食品であるのか?

それには以下の理由があるからです。

  • ビタミンCの摂取源となる。
  • 酵素が摂れる。
  • 食物繊維が豊富で乳酸菌を含むので腸活に良い。
  • 腸内環境改善によって得られるメリットが多い。
  • 自然園を使っていれば、生活習慣病のリスクはそれほど大きくない。

 

シンバイオティクス

漬物の原材料と言えば野菜です。

漬物は生で食べられることから熱に弱いビタミンCや酵素を殆ど壊れていない状態で召し上がれるのです。

ビタミンCと言えばコラーゲン生成に関わる栄養成分です。

漬物は酵素やビタミンの他にも、ミネラルも豊富で、食物繊維の理想的な摂取源です。

漬物は水分が抜けているので、食物繊維が効率よく摂ることが出来ます

生野菜と同じ量の漬物には、2~4倍もの食物繊維が含まれています。

そして漬物は発酵食品ということから、善玉菌の摂取源にもなります。

つまり、発酵食品であることからプロバイオティクスとしての働きもあり、食物繊維が豊富なことからプレバイオティクスの働きがある為、漬物は立派なシンバイオティクスなのです。

腸内環境が改善されたときのメリットは数多く、排便コントロールが正常になることによって、美肌効果。免疫力アップ、抗ストレス、ダイエット、脳機能向上等の様々なメリットを得られることに期待があります。

 

塩の選び方が大切

よく漬物は「塩分が多い」と心配する人がいます。

確かに塩分に問題があることは否めません。

1971年に精製塩が販売されるようになって以来、精製塩は安価で手に入りやすいことから、これまで当たり前のように使われています。

この精製塩にはミネラルがナトリウムだけしか含まれていません。

ナトリウムだけしか含まれていない精製塩を摂ることは、ミネラルバランスを崩してしまいます。

しかし「自然塩」ならそれほど気にすることはありません。

自然塩には「にがり」が適度に含まれています。

にがりの主成分は塩化マグネシウムであり、カルシウムやカリウムなども含まれています。

自然塩に含まれるカリウムには体内の余計なナトリウムを排出する時に利用されます。

更に、漬物の材料である生野菜にはカリウムが多く含まれているので、自然塩と一緒に摂る事によってナトリウムの過剰摂取による高血圧症等の疾患予防にも繋がるのです。

自然塩は、常識的な量(1日10g程度)を摂取していれば健康に害を与えることは殆どないのです。

このように、健康的側面から「自然塩」を使用することをお勧めします。




 

不適切な塩分は料理の質を下げる

塩は料理の味を大きく左右します。また、塩はあらゆる調味料に使用され、味噌や醤油も塩があることによって製造されています。

本来塩分過剰の料理は美味しいものではありません。

塩分過剰な食生活を送っていると、舌は感化し、食材そのものの味が分からなくなり、塩分や調味料の味で食事を食べていることとなります。

食材の味を活かしつつ適度な塩分で味付けすることが、本当の意味での美味しくいただける食べ方なのです。

また、普段から健康的な食生活を送っていれば、体に必要な塩分量を自分で調整できるようになるのです。

 

塩分摂取量が気になるのであれば…

もし、どうしても塩分が気になるのであれば、自分で漬物を作る時に塩分を控えて作ればよいのです。

昔は冷蔵庫がなかったので、塩分を多めに入れないと保存がききませんでしたが、今は冷蔵庫があるので、塩分が薄くても冷蔵庫に入れておけば、ある程度保存がききます。

 

市販の漬物の多くは精製塩が使われている

ただ、同じ漬物でも市販の漬物には、精製塩が使われているものが多く、味が濃いものとなっているので、手作りの漬物とは全然違うものとなってしまっています。

おまけに市販の漬物は、保存料や着色料、化学調味料も含まれ、塩分においても添加物においても決して健康的ではありません。

それなので、漬物を食べるのなら自家製のものが良いのです。

 

塩分の過剰摂取の原因は漬物ばかりではない

塩分の過剰摂取の原因は漬物ばかりではありません。

コンビニ弁当、スーパーのお惣菜、加工食品やインスタント食品も塩分が多く、使用されている塩は精製塩です。

コンビニ弁当や総菜、ファーストフード、外食、加工食品の日常的な摂取等によって塩分を過剰摂取してしまっているのです。

また食品のパッケージに、発色剤や品質改良剤として「○○ナトリウム」などと記載したものがありますが、こうした食品を常食すると精製塩を摂り過ぎたのと同じ結果を招くことがあります。

 

まとめ

漬物のメリットについてまとめます。

  • ビタミンCの摂取源となる。
  • 酵素が摂れる。
  • 食物繊維が豊富で乳酸菌を含むので腸活に良い。
  • 腸内環境改善によって得られるメリットが多い。
  • 自然塩を使っていれば、生活習慣病のリスクはそれほど大きくない。

循環器疾患の原因として見られる漬物は、精製塩を用いて、尚且つ食品添加物を用いていないものであれば決して身体に悪いものではありません。

ビタミンや酵素、ミネラル、ファイトケミカルが摂ることが出来、腸活に良いとなると、漬物は本来、立派な健康食品と言えるのです。

 
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