大麦が世界各国から注目されているのはβグルカンのお蔭

もち麦の健康効果が知られて以来、βグルカンの健康効果に注目されています。

βグルカンはきのこ類や酵母に含まれる食物繊維の一つです。

βグルカンは1940年代にパンの酵母から発見されました。

その後、1960年代にニコラス・ディルジオ博士がパン酵母の細胞壁から抽出し「β-1.3Dグルカン」と名付けました。





 

βグルカンの働き

βグルカンはキノコや酵母に多く含まれる多糖類であり、食物繊維の一種です。

βグルカンは、キノコや酵母などの細胞壁に存在する成分で、摂取しても胃腸で消化・分解されず、腸内の免疫細胞に働きかけます。

このβグルカンの働きは主に次のものが挙げがられます。

  • 免疫力を高める
  • 腸内環境を改善する
  • 健康値を改善する

 

免疫力アップ

βグルカンには免疫力を高める働きがあります。

その為、癌の抑制効果に期待されております。βグルカンには癌細胞を攻撃するNK細胞やマクロファージなどの免疫細胞を活性化させる働きがあり、腫瘍抑制効果が認められています。

βグルカンは、一般の抗がん剤と違い、自身の免疫応答を高めることによって間接的に癌を攻撃します。

また、免疫力を高めることは癌の他に疲れや肌荒れ、風邪から身を守ってくれることに繋がります。

 

生活習慣病予防

βグルカンは不溶性食物繊維の一種であることから、血中のコレステロール値を下げる働きがあります。

不溶性食物繊維は、水分を吸収して余分なものと絡め取り、体外に排出するので便秘解消に有効とされています。

水溶性食物繊維は粘り気が強く、ゆっくりと消化される為、血糖値の急激な上昇を抑えることができます。

また、βグルカンは消化されることなく腸まで届くため、コレステロールを吸着して体外へ排泄する働きがあります。

その結果、体内のコレステロール値上昇を抑える効果があります。

血中のコレステロール値が高くなると血管に血栓が生成され、血管内が狭くなることによって血液の流れが悪くなり、動脈硬化に至ります。

更に中性脂肪やLDLコレステロールが上昇すると、脳卒中や高血圧を進行させてしまう原因にもなってしまいます。

βグルカンは糖尿病、肥満、脂質異常症、高血圧症、動脈硬化、脂肪肝、心疾患、脳血管疾患、胆石症など様々な疾患を予防する効果があると言えるでしょう。

くれぐれも肉や卵、乳製品、バターやラードなどのLDLコレステロールを含む食品や中性脂肪の原因となる糖分の過剰摂取には気を付けるべきです。
 

腸内環境改善

βグルカンは食物繊維の一種であることから、腸内に存在する体内の不要物質を排出して、腸内環境を整える働きがあります。

腸内環境を整えることには沢山のメリットがあり、便秘や予防の改善を始め、免疫力増強や太りにくい体質作りへの効果が期待されます。

 

βグルカンを含む食品

βグルカンはマイタケやシイタケなどのキノコ類に主に含まれます。

また大麦にもβグルカンが多く含まれております。

 

大麦βグルカンとは?

大麦は世界で最も古くから栽培されている穀物の一つです。

約1万年前のメソポタミア文明ではすでに栽培されていたそうです。

大麦にはもち種とうるち種の2種類があります。特にもち種に分類されるもち麦はβグルカンが多く含まれ、話題のスーパーフードとなっております。

大麦には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方を含んでおります。

大麦には当然βグルカンの効果もあり、水溶性食物繊維によって血糖値の上昇や脂質異常症の防止に役立てることが出来るのです。

大麦に含まれる「大麦βグルカン」の健康効果は世界各国からお墨付きなのです。

1日3000㎎の大麦βグルカンを摂る事ができる健康な食べ物に対して「冠状動脈疾患のリスクを下げる」効果を米国では表示することが認められています。

日本でも健康食品の普及啓発活動を行う日本健康・栄養食品協会が「コレステロールの正常化」「食後血糖値の上昇抑制」「満腹感の維持作用」について効果があると評価しています。

コレステロールの正常化
βグルカンを抗含有する大麦を用いて、血清総コレステロール濃度が高い日本人被験者を対象に介入試験を行った。50%大麦を配合したパック麦ご飯を主食として、1日2パック、12週間毎日摂取する試験を行った(βグルカン3.5g/パック)。その結果血清総LDLコレステロールが有意に低下した。これらの研究から、日本人の食生活においても大麦の摂取が血中コレステロール濃度低下に有効であることが確認された。

食後の血糖上昇抑制
大麦の摂取は、食後の血糖上昇を抑制して、インスリンの過剰分泌を抑える効果が多く報告されている。本効果は可食部(胚芽部)に存在するβグルカンが大麦中およびその他のデンプンの吸収を穏やかにする効果によるものと考えられる。

満腹感の維持作用
大麦を配合した食品は、胃内停滞時間が長くなるため、満腹感が持続する。さらにβグルカンは消化管ホルモンの分泌に影響を与え、満腹感の持続に作用し、食事のエネルギー摂取量を低減させると言われている。

引用元…大麦βグルカンの機能性について

 

注意点

βグルカンには一つデメリットがあります。

それは、アレルギーを憎悪させてしまうとのことです。

もし、βグルカンを摂ってみて、身体に不利益な症状が見られる場合は、病院で原因を調べてみると良いでしょう。

 

まとめ

最後にβグルカンの働きについてまとめます。

  • 免疫力を高める
  • 腸内環境を改善する
  • 健康値を改善する

優れた健康効果に期待のあるβグルカンですが、アレルギーがある場合は症状の憎悪を起こしかねないので気を付けるようにしましょう。

 
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