静脈栄養

静脈栄養法は末梢静脈栄養(PPN)と中心静脈栄養(TPN)の2種類があります。





 

末梢静脈栄養

末梢静脈栄養(PPN)は、身体の末梢である手足の静脈から点滴(輸液)にて栄養を注入する方法です。

比較的良いで中心静脈栄養に比べると合併症のリスクが少ない方法でありますが、生命を維持するための必要な栄養素が十分に補うことが出来ません

その為、限度が2週間とされています。

仮にPPNで必要なエネルギーを摂取しようとすると、大量の輸液が必要となります。

そうすると1日当たりの水分摂取量より多くの水分を注入することとなり、腎臓での水分排泄が間に合わなくなってしまいます。

長い目で見れば腎機能低下を招き、更に血液量が増えてしまうので、心臓に負担がかかってしまいます。

また、点滴にはブドウ糖が多い電解質輸液もあります。

ブドウ糖濃度が高くなると、血漿、間質液、細胞内液とまんべんなく分布するため、浸透圧が上がります。針を刺した部分には血管痛や血栓性静脈炎が起こることもあります。

そのため、抗血栓役を併用し、血管痛を防ぎます。

そしてある程度の栄養量を確保するには、浸透圧が細胞内液・外液と同じである脂肪乳剤を利用します。

 

中心静脈栄養

中心静脈栄養(TPN)は高カロリー輸液とも呼ばれ、心臓近くの太い静脈(鎖骨下静脈)や大腿静脈などから上大動脈を介して留置した約2mmの中心静脈カテーテルを通じて、栄養素を注入する点滴方法です。

PPNと違い、必要十分な栄養素を補給出来ますが、長期化することによって、合併症を起こすことが多いです。高血糖や肝機能障害、電解質異常、発熱、敗血症、血栓性静脈炎、腸粘膜の萎縮、その他に細菌が腸管壁を通過してリンパ節に侵入するバクテリアルトランスロケーションンを引き起こしてしまいます。

TPNは経口摂取が困難、食欲不振等の症状の他、消化管が器質的原因もしくは機能的障害によって全く使用出来ない患者様が対象となります。短腸症候群急性期、炎症性腸疾患急性期、消化管瘻発症期、イレウス、重症膵炎急性期、消化管機能不全が起因した栄養障害がある場合はTPN適応となります。

 

輸液製剤の種類

輸液製剤には大きく分けて、電解質輸液製剤、高カロリー輸液製剤、糖質輸液用製剤、混合アミノ酸剤、脂肪乳剤、高カロリー輸液製品(糖・電解質・アミノ酸・総合ビタミン剤)などがあります。

また、脂肪乳剤と高カロリー輸液製品がセットされた混合輸液製剤もあります。

いずれにしても、目的に合わせた栄養量を補給するためには、単体で使うよりも複数組み合わせて利用されています。

この中には末梢静脈に使用してはいけないもの、血糖値が高い場合に利用するもの、病態別に利用するものなど多くの種類があります。

 
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