経腸栄養法とルートごとのメリット、デメリット

経腸栄養法のルートには経鼻胃管法、胃瘻法、小腸療法があり、必要とされる期間、病態に応じて適切に選択されます。




 

経鼻法

経鼻法は、先端を胃内に置く幽門前に置方法と、十二指腸以遠に先端を置く方法と、経鼻空腸チューブがあります。

経鼻栄養の適応は、消化管術後、腸炎、炎症性腸疾患、意識障害、嚥下障害、摂食障害等が該当します。

また、現時点では経口摂取による栄養補給が困難な為、一時的なものとして4~6週間以内に経口摂取での必要量の補給が可能と見込まれると判断された患者様、胃瘻造設の判断に迷うときや造設を待つ期間などにも適応となります。

経鼻栄養の利点はアクセスが容易であり、小腸に直接注入しない為下痢を起こしにくく、間欠的に胃内に投与可能なところです。

胃酸のPHが2.0と強酸性である為、細菌を破壊することが出来、感染のリスクを少なくすることが可能です。

経鼻栄養の欠点は、胃食道逆流を起こしやすく、逆流によって誤嚥を起こすリスクが高いことです。

また、管が食道を通っている為、嚥下訓練の障害になってしまい、鼻翼潰瘍、食道咽頭炎・潰瘍などをきたしやすいのです。

挿入する場合は細目のチューブを使用するため、チューブ内が栄養剤で閉塞しやすい等の欠点があります。

 

胃瘻法

胃瘻法には経皮内視鏡的胃瘻造設術が一般的です。

胃瘻法は機能的に経口摂取が不可能で危険であるものの、消化管が利用可能な患者様が主に対象となります。

特殊な適応しては、QOL改善目的として消化器癌による腸閉塞の減圧目的のために造設されることがあります。

このような状況で、4~6週間以上長期にわたる経腸栄養が必要と考えられる場合はPEG(胃瘻)を第一に考慮します。

胃瘻法の禁忌は胃瘻造設困難、あるいは危険がより多い病態であります。ただし、適切な対策を講じれば施行可能になります。

胃瘻にはケアが必要であり、増設後は創部の出血、感染、腹膜炎の兆候を確認し、少なくとも1週間はガーゼ保護します。

カテーテルは消耗品なので、カテーテル交換時期はバンパー型で4~6ヶ月毎、バルーン式では1~2ヶ月毎が推奨されています。

胃瘻やカテーテルに関するトラブルは次のものが挙げられます。

胃瘻は瘻孔からも漏れがトラブルの一つとなっていますが、これはカテーテルの破損・劣化、外部バンパーの閉めすぎ、傾いたカテーテルの固定による圧迫・瘻孔拡大などが挙げられています。

バルーン型の場合、バルーンの破損やバルーン水の減少によってカテーテルが脱落してしまいます。バルーン水は自然に減るので1~2週間ごとに入れ替え、定期的な胃瘻交換をします。

カテーテルの外部ストッパーが緩くなっていると、内部ストッパーが幽門を超えて迷入し、幽門が閉塞するトラブルが起こります。

また、外側の締め付けが強いと次第に内部バンパーが胃壁内に埋まり、粘膜で覆われるようになり、栄養剤の滴下不良となり、バンパー埋没症候群を起こしてしまいます。

内部バンパーが胃壁に圧迫壊死をきたし、びらん、潰瘍形成、出血をきたすことがあります。

このような潰瘍を形成しないためにも、適切な形状のカテーテルの選択と適切な造設部位の選択によって予防が可能になります。

胃瘻・カテーテルによる合併症は造設時の内視鏡操作・鎮痛薬・穿刺手法に伴うものがあり、これによって心肺停止、誤嚥、咽頭痙攣、腹膜炎、敗血症、創感染、胃出血などを起こしてしまうことがあります。

留置したカテーテルによるものは局所圧迫壊死、カテーテル逸脱、幽門閉塞等を起こします。

経腸栄養剤投与時に起こるものは胃食道逆流、誤嚥、下痢、食欲不振が挙げられます。

 

空腸瘻、小腸瘻

空腸瘻、小腸瘻は、胃全摘出術後は食道癌などの上部消化管手術の際や胃瘻が使用出来ない時に用いられます。

経胃腸的空腸栄養投与(PEJ)はPEGによって作られた瘻孔からジェジュナルカテーテルを胃内に入れて、空腸に留置する方法を言います。

小腸の運動性は12時間程で回復出来るので手術直後であっても早期経腸栄養が可能という利点があります。

誤嚥のリスクも低く、胃食道逆流による嘔吐の危険が胃瘻よりも少なくなります。

欠点としては、経腸栄養剤が直接空腸に流入するため、下痢をきたすことがあります。

また、チューブの閉塞が起こりやすく、交換作業時には内視鏡操作が必要になります。

 

経皮経食道胃管挿入術

このほかに経皮経食道胃管挿入術(PTEG)があります。

PTEGは左頚部の食道内で膨らませた特殊バルーンを、超音波で確認しながら穿刺し、X線で透視しながらバルーン内にガイドワイヤーを挿入して、残胃または腸内に進め、頚部から胃の中にチューブを挿入する方法です。

PTEGは胃瘻が不可能な患者様でも行えることが多く、更に胃瘻に比べて増設後の管理が容易になるという利点があります。

PTEGの欠点は管が細く、頚部から40㎝の長さがあるため、チューブが詰まりやすく、十分なフラッシュが必要になることです。

また、頚部の重要血管や甲状腺の誤穿刺などの合併症もあり、造設時間が40分程かかってしまいます。

 
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