炭水化物の体内利用に大きく関わっている「ビタミンB1」

ビタミンB1は現代人に不足している栄養素の一つです。

ビタミンB1不足は、精白した糖類の摂取によって引き起こされています。

糖質の代謝に関わるビタミンB1が不足した状態で過剰な糖質を摂取すれば、肥満や生活習慣病の原因になり、感情のコントロールが上手くきかなくなることにも繋がります。





 

総論

ビタミンB1は化学名がチアミンであり、ビタミンB1にリン酸が1つ結合したチアミンモノリン酸(TMP)、二つ結合したチアミンリジン酸(TDP)、三つ結合したチアミントリリン酸(TTP)が存在します。いずれも消化管で消化された後、ビタミンB1として吸収されます。

ビタミンB1は補酵素型のTDPとしてグルコース代謝と分岐アミノ酸代謝に関与しています。

細胞中のビタミンB1の大半は、補酵素型のTDPとして存在し、酵素蛋白質と結合した状態で存在しています。

食品を調理・加工する過程及び胃酸環境下で、殆どのTDPは酵素蛋白質が変性することによって遊離します。

遊離したTDPの殆どは、消化管内のホスファターゼによって加水分解され、チアミンとなった後、空腸と回腸において能動輸送されて吸収されます。

これらの過程は食品ごとに異なり、更に一度食べた食品にも影響を受けていると推測されています。

 

ビタミンB1の働き

ビタミンB1は三大栄養素の代謝に重要な役目を担っています。

ビタミンB1の主な働きは以下の通りです。

  • 炭水化物、アミノ酸代謝に関わる
  • アルコール代謝
  • 脳や神経機能を正常に保つ

 

炭水化物やアミノ酸代謝に関与

ビタミンB1は炭水化物やアミノ酸の代謝に関わっており、特に炭水化物を代謝していく上で非常に重要な役割を持っています。

炭水化物は体内でブドウ糖、グリコーゲン、ピルビン酸へ変わり、更にビルビン酸からアセチルCoAとなって、エネルギーを産生します。

このピルビン酸からアセチルCoAに変化するのにビタミンB1が必要となるのです。

ビタミンB1不足には疲労と関係あります。炭水化物は体内で消化された後、ブドウ糖に分解されます。

ブドウ糖は全身の細胞に運ばれ、ピルビン酸という物質に変化した後、アセチルCoAに変換されます。

ビタミンB1によってつくられるチアミンピロリン酸(TPP)は、ピルビン酸がアセチルCoAに変換する時に利用されますが、ビタミンB1が不足すると、この機能が十分に働きません。

アセチルCoAに変換出来なかったピルビン酸から乳酸が発生し、乳酸が蓄積することによって倦怠感や疲労感を感じるようになります。

エネルギー不足になると、エネルギーを必要とする臓器に障害が起こります。ビタミンB1は乳酸をエネルギーに変えることによって乳酸の体内蓄積を抑える働きがあり、更に疲労を回復する効果があります。

つまり、ビタミンB1はエネルギー産生に必要不可欠な栄養素なのです。

ビタミンB1はリン酸と結合して補酵素であるチアミンピロリン酸(TPP)となります。

TPPはアミノ酸からのエネルギー産生にも関わっていることから、ビタミンB1はアミノ酸の代謝にも関わっているのです。

 

アルコール代謝

ビタミンB1はアルコールの代謝に関わっています。

胃や腸から吸収されたアルコールは、血管を通って肝臓に運ばれます。

その殆どが代謝され、アセドアルデヒドに変化する時、アルコール脱水酵素が働きます。アルコールを大量摂取した後、アルコール脱水酵素だけでは処理しきれなくなります。

その時別な経路が働く時にビタミンB1が必要となります。

ビタミンB1は肝臓の細胞内にあるミクロソーム・エタノール酵素(MEOS)がアルコール分解時に大量消費されます。

またアルコールによるビタミンB1の排泄促進が、ビタミンB1不足に繋がってしまいます。

 

脳や神経機能の維持

ビタミンB1は脳のエネルギー源となる炭水化物の代謝に関与しています。

ビタミンB1が不足すると、精神不安定、運動機能の低下、集中力の低下、記憶力の低下を招きます。

また、ビタミンB1は神経伝達物質の合成に必要です。

脳がエネルギーを得ることによって、短気、抑うつ状態、記憶力低下、心機能不全の状態を防ぎ、神経機能が良好に維持されます。




 

欠乏症状及び過剰摂取障害

ビタミンB1は欠乏により、神経炎や脳組織への障害が生じます。欠乏症としては脚気とウェルニッケ-コルサコフ症候群があります。

ビタミンB1過剰症では、頭痛、苛立ち、不眠、速脈、脆弱化、接触皮膚炎、かゆみなどの症状が現れます。

水溶性ビタミンであるビタミンB1は必要量を満たすまでは殆ど尿中に排泄されず、必要量を超えると尿中排泄量が増大します。

 

ビタミンB1を含む食品及び1日あたりの摂取量

ビタミンB1を多く含む食品は、豚ヒレ肉、うなぎ、たらこ、いくら、玄米、胚芽精米、米ぬか、大豆、きな粉等です。

1日あたりの摂取量は成人男性で1.4㎎、成人女性が1.1㎎となっております。

 

ビタミンB1の吸収を促進するには?

ビタミンB1は、ニンニク、葱、ニラなどに含まれる「アリシン」という成分と一緒に摂ると吸収率が高まります。

更にレモン等の柑橘類やトマトに含まれるクエン酸には相乗効果があり、ビタミンB1の効果を促進します。

 

まとめ

ビタミンB1についてまとめます。

  • 炭水化物、アミノ酸代謝に関わる
  • アルコール代謝
  • 脳や神経機能を正常に保つ

ビタミンB1の不足は、エネルギー代謝だけではなく、脳機能にまで影響を及ぼします。

炭水化物を適度に摂るとともにビタミンB1の摂取が、身体や脳の機能を健康に保つのです。

 
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