ムコ多糖とは細胞の周りで水分を蓄えている大切な物質です。
この水分により細胞に栄養を運搬したり、細胞から不要となった老廃物を排出しながら、身体の循環と代謝を支えています。
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ムコ多糖類とは?
ムコ多糖の「ムコ」とは、ラテン語で「MUCUS」つまり動物の粘液を指し、その粘液を持つ食品が身体に良いことが、昔から知られています。
唾液や血液に適度な粘度があるのは、ムコ多糖が含まれているからなのです。
コンドロイチン硫酸やヒアルロン酸、ヘパラン硫酸など肌に潤いをもたらす物質や、関節の動きをスムーズにさせる物質がありますが、これらはムコ多糖類と呼ばれ、もともと身体の中では蛋白質を中心に、ムコ多糖蛋白質という複合体になって存在しています。
この蛋白質と一緒になっていることにより水分を保持し、身体の中で様々な動きを行うことが出来るのです。
厳密に言うと、ムコ多糖とムコ多糖蛋白質とは別の物になります。
ムコ多糖は「グリコサミノグリカン」と呼ばれ、コンドロイチン硫酸やヒアルロン酸、ヘパラン硫酸などのムコ多糖類の総称となります。
これらに蛋白質が結び付いてムコ多糖蛋白質と呼ばれる物質となり、最近ではプロテオグリカンと呼ばれるようになってきています。
「糖類」であるものの糖尿病や肥満の原因にならない
ムコ多糖の多糖とは炭水化物の分類の中の「多糖類」を指します。
炭水化物は大きく分けると「糖質」と「食物繊維」に分かれます。
さらに「糖質」をブドウ糖の分子構造別に分けると「単糖類」「二糖類」「多糖類」「複合糖質」に分けらます。
単糖類や二糖類、多糖類はブドウ糖等の単体の分子の数によって分けられ、ブドウ糖単体又はブドウ糖同士が複数結合された構造をしていますが、ムコ多糖類のような複合糖質は、ブドウ糖とは異なる種類の分子が沢山繋がった構造をしています。
このような複雑な糖の配列によってコンドロイチン硫酸やヒアルロン酸、ヘパラン硫酸等として存在しているのです。
ムコ多糖は糖類と違って体内に蓄積することによって、肥満や糖尿病、脂質異常症や脂肪肝になるわけでないのです。
ムコ多糖類は20代半ばをピークに減少
ところが、20代半ば辺りからムコ多糖は減少し始め、それに伴い体内の水分量も減ってしまいます。
それはムコ多糖類の体内合成力が衰えて、体内保水率が低下してしまい、身体が乾燥してきます。身体に潤いと健康を保つ為にはムコ多糖の補給が必要になります。
ムコ多糖類を含む食品
ムコ多糖が多く含まれている食品はウナギ、すっぽん、魚のにこごり、フカヒレ、ナマコ、燕の巣、納豆、山芋、オクラ、海藻類、豚足、牛筋の煮込み、アロエベラなどが挙げられます。
よく「精力がつく食品」として知られているものも多いですが、中には高カロリーや塩分過剰摂取が懸念されるものもあります。
ウナギは栄養価も高く、様々な栄養素と共にムコ多糖が摂取出来ますが、フカヒレ同様に値段の高いものなので経済的事情で中々食べられない場合もあります。
この中で、健康的で手短に食べられる食品は納豆、山芋、オクラ、海藻類が挙げられます。
このような食品を活用して、身体の乾燥対策や健康維持を図ると良いでしょう。
アロエベラはスーパーフードとしても位置付けられ、多種類のビタミンやミネラルを含む上に抗酸化作用もあるので、更に美容効果が期待出来ます。
ビタミンAと一緒に摂ると、生合成を促進することによって細胞膜の抵抗性を強化することに期待があります。
リソソーム欠乏症
生まれつきムコ多糖を分解する酵素が欠けていることにより、ムコ多糖の切れ端が体内の皮膚や骨、軟骨などの結合組織に蓄積し、臓器や組織が次第に損なわれる進行性の病気があります。
これを「ムコ多糖代謝異常症(リソソーム欠乏症)」といいます。
この病気は先天性のものなので後天的に発症することはありません。
ムコ多糖代謝異常症の主な症状は、著しい骨の変化、間接硬化等です。その他、角膜混濁、難聴、肝脾腫、心臓疾患、低身長等の症状が見られます。
これらは成人が発症することはなく、ムコ多糖を摂取することによって発症するものではありません。