βグルカンによる抗癌作用がウィルス撃退!「ビール酵母」

ビール酵母とはビールの製造工程において麦汁を発酵させるのに用いられます。

糖とアルコールに分解された麦汁は濾過され、その上澄みをビールとして用いられ、残ったビール酵母は廃棄処分されていました。

ビール酵母は最近知られた食材だと思われますが、栄養補助食として用いられたのは戦前だと言われます。





 

ビール酵母の栄養

ビール酵母にはアミノ酸、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、葉酸、カリウム、カルシウム、リン、鉄分、マグネシウム、亜鉛、銅、マンガン、セレン、食物繊維、グルタチオンが含まれています。

但し、栄養素の含有量はメーカーや使用されている原材料によって若干の異なりがあります。

ビール酵母には次のような健康効果に期待があります。

  • 腸内環境改善
  • 疲労抑制
  • 筋蛋白合成
  • 骨形成
  • 貧血予防
  • 皮膚や粘膜、髪等の形成
  • 抗酸化作用
  • 免疫力強化
  • 肝機能維持
  • 出産をサポート



 

腸内環境改善

ビール酵母は食物繊維が含まれ、腸内の善玉菌を増やす働きがあると言われています。

善玉菌の増殖により、腸内環境が改善され、排便コントロールによって下痢や便秘の症状を改善することに期待があります。

 

三大栄養素の代謝

ビール酵母の5割はアミノ酸が占めており、必須アミノ酸9種類全てを含んだ10種類以上ものアミノ酸が含有されています。

その為、ビール酵母にはBCAAが含まれていると言っても良いでしょう。

ビール酵母にはビタミンB群が含まれ、三大栄養素の代謝に関わります。ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシンは糖質や体脂肪をエネルギーとして利用することに関わる為、運動時における疲労を抑制すると言われます。

そしてビタミンB6はアミノ酸代謝に関わり、筋蛋白合成に役立ちます。

ビール酵母にはビタミンB6及びアミノ酸も含まれる為、筋肉を付けることによって脂肪燃焼しやすい身体を作ります。

また、高齢者等年齢に伴って筋肉量が低下するケースにもビール酵母は役立ち、粉末状の商品もあることから手軽に摂取が出来、栄養とリハビリを併せることによって筋力の維持を図り、年齢に関わらず身体機能の維持を図ることに繋がります。

この為、サルコペニアやフレイルの予防に役立つと言えます。

 

骨を丈夫にする

ビール酵母には骨や歯の材料となるリンやカルシウム及びマンガン、カルシウムを骨に定着させる働きのあるマグネシウムを含みます。

骨粗鬆症予防や骨の成長、骨折による怪我の治りを早める等、骨を丈夫にする働きがあることが言えます。

また、先述のようにビール酵母には筋蛋白合成に関わっており、骨と筋肉を丈夫にすることによって、転倒しにくい身体を作り、転倒による怪我を軽減する働きに期待があります。

 

貧血予防

ビール酵母には赤血球の材料となる鉄分、ヘモグロビン合成に関わる葉酸、鉄代謝に関与する銅が含まれています。

ビタミンB12を含む食品と一緒に摂取することによってヘモグロビン合成を促し、ビタミンCを含む食品と摂ることによって鉄を吸収しやすくする為、ビタミンC、ビタミンB12を含む食品とビール酵母を摂取すると更に貧血の予防や改善効果が期待出来ると言っていいでしょう。

 

体組織を形成

ビール酵母にはアミノ酸、ビタミンB群、亜鉛、鉄分が含まれていることから、細胞を新しく作り出し、皮膚の形成傷の治癒を早める働きがあることが言えます。

また、粘膜や髪、爪の形成にも関わります。

 

抗酸化作用

ビール酵母にはグルタミン酸、システイン、グリシンの3つのアミノ酸からなるグルタチオンが含まれています。

このグルタチオン酸には抗酸化作用があると言われています。

そしてセレンにも抗酸化作用があり、セレンの抗酸化作用は強力と言われています。

抗酸化作用には動脈硬化や心疾患、脳梗塞等の生活習慣病予防、免疫力アップによる癌予防効果、紫外線から肌を守ることによる老化予防効果があると言われています。

ビール酵母にはアンチエイジング効果に加え、細胞を新しく作り出す働きがあることから、美肌効果に期待があります。




 

βグルカンによる免疫力強化

ビール酵母は大麦が使われている場合、βグルカンという成分が配合されています。

βグルカンは抗癌作用がある成分として注目をされています。βグルカンは炭水化物の一種で食物繊維の一つでもあります。

βグルカンには癌細胞を攻撃するNK細胞やマクロファージ等の免疫細胞を活性化させる働きがあります。βグルカンは腸内において免疫を活性化させる細胞に働きかけ、ウィルスを撃退すると言われます。

つまり、一般の抗癌剤と違って、自身の免疫応答を高める為、癌を攻撃することが言えます。


 

肝機能維持

グルタチオンはアンモニアやアセドアルデヒドを分解する作用があります。

この解毒作用によって肝臓が守られます。

アンモニアが解毒されると、腎臓への負担が軽減されます。

グルタチオンには水銀、ヒ素、カドミウム、銅、鉛、PCB等の有害物質の無毒化を図ります。

また、ビタミンB1にはアセドアルデヒドを酢酸に変えることに関与します。

ビタミンB1はアルコールの摂取に必要不可欠な栄養素であり、アルコールを多飲するとビタミンB1を非常に多く消費します。

セレンやグルタチオンは、水銀等の有害物質の毒性を抑制することから、肝臓や腎臓への負担を軽減します。

その為、ビール酵母は肝機能維持を図ると言えます。


 

出産をサポート

亜鉛、セレンには薄毛予防効果や精子、精液の生成に関わります。

葉酸は核酸の合成に必要であり細胞分裂を正常に行う為の働きがあると言われます。その為、妊娠中の方には胎児を正常に成長させるのに摂取させたい栄養素です。

ビール酵母には男性由来の不妊症改善胎児の成長に関わることから、出産の為に必要な食品であることが言えます。

 

ペットもOK

ビール酵母は老若男女問わず誰でも摂取可能です。

また、ビール酵母はペット用の食品にも活用されています。

 

注意点

ビール酵母を摂る際は、以下の点に注しましょう。

アレルギー

ビール酵母は麦由来です。

大麦アレルギーがある場合は医師に相談することをお勧めします。

プリン体の値が高い時

ビール酵母にはプリン体が多く含まれています。

プリン体は1日あたり400mgが目安ですが、ビール酵母には100gあたり約3000mgのプリン体が含まれます。

高尿酸血症や痛風の症状が見られる場合はビール酵母の摂取を控えた方が良いケースでしょう。

服薬中

医師から薬を処方されている場合は、一度医師に相談してみるのが無難です。

サプリメントの併用

サプリメントを摂取する場合は、サプリメントとの併用によって栄養成分の過剰摂取障害を起こす場合があります。

 

まとめ

ビール酵母についてまとめます。

  • 腸内環境改善
  • 疲労抑制
  • 筋蛋白合成
  • 骨形成
  • 貧血予防
  • 皮膚や粘膜、髪等の形成
  • 抗酸化作用
  • 免疫力強化
  • 肝機能維持
  • 出産をサポート

ビール酵母は栄養成分を補助的に手軽に摂ることが出来、老若男女問わず、そしてペットにも安心して提供出来ます。

穀物は糖質が多いことから毛嫌いする人も少なくありませんが、本来穀物が持っている栄養素を摂ることが出来るのです。

1日あたりの摂取量は商品ごとに異なる為、使用量を守って摂るようにしましょう。


 
栄養相談、サポート詳細
 

関連記事

最近の記事

  1. ダイエットをするのなら体重を40kg代前半になるまで落としましょう…という危険なダイエット

  2. 大豆の大量摂取が甲状腺に影響を及ぼす…ゴイトロゲンとは?

  3. 強い抗酸化作用が秘められる「チコリ酸」