軟化作用のあるパイナップルは疲労抑制にも良い

パイナップルはアメリカやブラジルを原産とした南国フルーツです。

一年を通して20℃以上ではないと育たないため、熱帯地域を中心に栽培されています。

肉料理にパイナップルを用いるのは、パイナップルに含まれる酵素に軟化作用があるからです。





 

パイナップルに含まれる栄養素

パイナップルにはβカロテン、ビタミンB1、ビタミンC、不溶性食物繊維、カリウム、プロメラインが含まれます。

パイナップルには次の健康効果に期待があります。

  • 抗酸化作用
  • 美容効果
  • 疲労抑制
  • 脳機能向上
  • 老廃物排泄
  • 消化促進

 

抗酸化作用

パイナップルには体内でプロビタミンAに変換するβカロテンとビタミンCが含まれます。

これらには抗酸化作用があることから、血液中の中性脂肪やLDLコレステロールを酸化から守り、動脈硬化、血栓症、心疾患、脳血管疾患の予防に役立つと言えます。

抗酸化作用には細胞の損傷を防ぐ働きがあることからも癌予防効果に期待があります。

抗酸化作用は紫外線による肌のダメージから守ることから、シミやしわ等の予防に良いと言われます。

抗酸化作用によるアンチエイジング効果に加え、ビタミンCは一度出来てしまったシミやそばかすを目立たなくします。

その為、パイナップルには美白効果があると言えます。

ビタミンCには免疫力アップや抗ストレス作用、アルコール代謝等、多種多様の働きがあります。

 

疲労抑制

パイナップルには糖分が含まれる上に、ビタミンB1も含まれます。

糖とビタミンB1の組み合わせは解糖系やクエン酸回路におけるエネルギー代謝に必要とする栄養成分です。

摂取されたブドウ糖がピルビン酸に変換するまで、ビタミンB1が必要となります。

また、継続的な運動を行う場合、解糖系によるエネルギー代謝からクエン酸回路によるエネルギー代謝に切り替わります。

その為にはピルビン酸がアセチルCoAに変換する必要があり、この時ビタミンB1を必要とします。

エネルギー代謝をサポートすることによって、疲労抑制や疲労回復に良いと言えます。

 

脳機能向上

ビタミンB1は糖の代謝に欠かせないことから、脳の栄養源であるブドウ糖の代謝に関わることによって、脳の栄養としての作用を発揮させます。

 

老廃物排泄

パイナップルには食物繊維が豊富に含まれます。

100gあたりの含有量が水溶性食物繊維が0.2gに対し、不溶性食物繊維は1.0g含まれます。

主に含む食物繊維は不溶性食物繊維です。

不溶性食物繊維は腸の蠕動運動を促し、老廃物の排泄を促します。

また、パイナップルには水分が豊富に含まれるので、不溶性食物繊維とともに便のかさを増やします。

パイナップルにはカリウムが豊富に含まれます。

カリウムは体内の余分なナトリウムの排泄を促し、ミネラルバランスを図って血圧を正常に維持させます。

余分なナトリウムの排泄とともに、浮腫み解消の効果を得られることに期待があります。




 

消化促進

パイナップルに含まれるシュウ酸カルシウムの一つであるプロメラインという酵素は、所謂蛋白質分解酵素です。

肉料理にパイナップルが用いられるのは、肉の蛋白質分解酵素によって肉を軟らかくして消化しやすくするためです。

プロメラインには胃液の分泌を促進して消化を促す働きがあります。

それと共に胃腸の炎症を鎮め、腸管内の有害物質を分解します。

その為、パイナップルは消化を促進する作用があると言えます。

 

注意点

パイナップルを摂取する際は次の点に気を付けましょう。

腎機能低下

パイナップルにはカリウムが豊富であり、健康なうちは心疾患や腎疾患予防に役立ちます。

しかし、腎不全が進行すると腎臓からの排泄力が弱くなり、カリウムを排泄出来なくなります。

カリウムが体内に蓄積すると、腎性心不全のリスクが高くなります。

腸管トラブル

イレウスを起こしていると、不溶性食物繊維は腸管を詰まらせることが危惧されます。

また、リーキーガット症候群によって腸管が傷つけられると、不溶性食物繊維の摂取は更に腸管を傷つけてしまいます。

パイナップルそのものが身体を冷やす食品なので、下痢や腹痛の症状が見られる時は避けておくと良いでしょう。

腎結石、胆石症

パイナップルはシュウ酸が含まれる為、摂取は腎結石や胆石症の原因となります。

また、舌が痺れるのはシュウ酸による働きによるものです。

中性脂肪

パイナップルの大量摂取は果糖の摂り過ぎに繋がり、体内の中性脂肪を増やしてしまいます。

中性脂肪が増えすぎてしまうと、脂肪肝を起こすリスクが高まります。

アレルギー

花粉症を起こす人の中には、口腔アレルギーを起こす人もいます。

口腔内、喉、舌等に痒みが見られる場合は口腔アレルギーが考えられます。

加熱しない

プロメラインは熱に弱いという性質があります。

その為、パイナップルと肉を一緒に加熱するというより、下処理の時点で付け込むこと方が軟化作用を発揮しやすいと言えます。

早めに召し上がる

パイナップルを保存する時は、葉っぱと根を切り落としておきます。

また、パイナップルは収穫後に甘くなることはないため、栄養価が高いうちに召し上がりましょう。

身体を冷やす

パイナップルは暑い地方で栽培されることから、陰の要素が強く身体を冷やす食品です。

食べるのなら夏場に食べるのが好ましいです。

身体が冷えれば冷えや腰痛、肩凝りの原因にもなります。

女性の場合は身体が冷えると生殖器のトラブルに繋がり、生理痛、妊娠糖尿病、妊娠高血圧、子宮筋腫、月経不順等の症状が見られることがあります。

 

まとめ

パイナップルの健康効果についてまとめます。

  • 抗酸化作用
  • 美容効果
  • 疲労抑制
  • 脳機能向上
  • 老廃物排泄
  • 消化促進

パイナップルは美容効果や肉を食べる時の消化器の負担軽減に良く、十分な甘さがあります。

舌がしびれない程度に留めておきましょう。

 
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