ニュートリショナルイーストはサトウキビと甜菜を原料としています。
ニュートリショナルイーストは酵母の一つであり、原料から出芽酵母を採取した後、加熱して失活させます。
また、ニュートリショナルと名付けられていることから、栄養が豊富に含まれる上に、ナッツやチーズのような風味があることから、ビーガンやベジタリアンの人達のチーズや乳製品の代替品として使われています。
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ニュートリショナルイーストの栄養
ニュートリショナルイーストはビタミンB群やミネラル、アミノ酸が含まれ、低脂肪、低糖質な上にグルテンフリーです。
ニュートリショナルイーストはビタミンB12が含まれていると言われますが、元々ニュートリショナルイーストにはビタミンB12は含まれていないのです。
ビタミンB12は元々植物性食品には含まれていない為、ベジタリアンやビーガンの人には不足しやすい栄養素です。
実はニュートリショナルイーストに含まれるビタミンB12は最終製造工程において加えています。その為、製品によってはビタミンB12が含まれている場合があります。
特にビーガンで動物性食品を一切摂らない場合は、商品にビタミンB12が含まれているか確認すると良いでしょう。
ニュートリショナルイーストはビタミンB群が豊富に含まれ、その含有量はモロヘイヤやブロッコリーを上回ります。
[ビタミンB群含有量比較]
ビタミンB | ニュートリショナルイースト | モロヘイヤ | ブロッコリー |
ビタミンB1 | 4.5mg | 1.4mg | 1.3mg |
ビタミンB2 | 7.5mg | 1.3mg | 0.06mg |
ビタミンB6 | 0.5mg | 0.11mg | 0.08mg |
ナイアシン | 4.5mg | 1.4mg | 1.3mg |
パントテン酸 | 1.3mg | 0.55mg | 0.34mg |
葉酸 | 7μg | 75μg | 63μg |
更にニュートリショナルイーストは蛋白質が100gあたり13.5g含まれ、鉄分が豊富に含まれています。
このほかに、マグネシウム、亜鉛、セレン、マンガン、β1.3グルカン、マンナン、グルタチオン、セレノメチオニンが含まれています。
ニュートリショナルイーストには以下のような健康効果に期待があります。
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三大栄養素の代謝
ニュートリショナルイーストにはビタミンB群が豊富に含まれています。
これらのビタミンB群は解糖系やクエン酸回路において糖分や脂肪がエネルギーとして代謝することに関わり、有酸素運動時に疲労を抑制して効率よくエネルギーを利用します。
ビタミンB群が疲労を抑制する上に、βグルカンにも同様の働きがあります。
ビタミンB6は筋蛋白合成に関わり、脂肪燃焼しやすい身体を作ります。
ニュートリショナルイーストに含まれる蛋白質や鉄分、亜鉛とともにビタミンA、ビタミンCを摂取すると、蛋白質は細胞を作り、ビタミンCと鉄分がコラーゲン生成に関わる為、皮膚の形成や傷の修復を早めることに期待があります。
更に、ニュートリショナルイーストは抗酸化作用に関わる成分が含まれることから、組織の老化進行を防ぐと言えます。
そしてβグルカンは肌荒れにも良いと言われます。
抗酸化酵素の生成
ニュートリショナルイーストには鉄分、亜鉛、マンガン、セレンが含まれ、これらは抗酸化酵素の生成に関わります。
亜鉛、マンガンはSODの補酵素として利用されます。
SODの構成には蛋白質が必要とされます。
カタラーゼには鉄分が必要となり、グルタチオンペルオキシターゼにはセレンが必要となります。
抗酸化酵素に必要なミネラルを摂取するとSODの活性が高くなり、老化進行を抑制するように働きかけられます。
グルタチオン、セレノメチオニン、セレンには強い抗酸化作用があり、アンチエイジング、循環器疾患予防、癌予防、免疫力強化等の健康効果に期待があります。
造血作用
ニュートリショナルイーストには鉄分が豊富に含まれています。鉄分は主に赤血球の材料としての働きがありますが、鉄分だけでは体内に十分に吸収されません。
鉄分はビタミンCと摂ることによって、ビタミンCが非ヘム鉄を二価鉄にする為、体内に吸収されることによって鉄分の効能を発揮します。
ビタミンB12が添加されているものを摂取すれば、ビタミンB12がヘモグロビンの合成に関わります。
その為、ビタミンCと摂取することにより貧血予防効果が期待出来ます。
悪性貧血の改善、予防
ニュートラルイーストには葉酸が含まれています。
ビタミンB12が添加されているものを選べば、ビタミンB12も摂取出来ます。
ビタミンB12はヘモグロビン合成を補助します。
この時、葉酸が赤血球の核酸の合成に必要となります。
そしてマンガンは赤血球の合成を補助します。
そして葉酸の合成にはビタミンB12が必要になります。
このようにして赤血球が造られることから、赤血球の不足による巨赤芽球性貧血を予防すると言えます。
葉酸とビタミンb12を補給することが出来ると、多核白血球の生成を抑制します。
リラックス効果
セロトニン生成には日光を浴びると良いと言われますが、セロトニン生成には栄養も関わっているのです。
セロトニン生成には炭水化物、トリプトファン、ビタミンB6が主な栄養素と言われています。
ニュートリショナルイーストにはナイアシンが含まれている為、トリプトファンの生成に関わります。ビタミンB6は神経伝達物質の合成に関わります。
ニュートリショナルイーストには鉄分も含まれ、赤血球の生成に関わります。赤血球は120日の寿命が過ぎるとフェリチンとして貯蔵され、セロトニン生成時にトリプトファンが変化する時にフェリチンが利用されます。
マグネシウムもセロトニン生成に関わる上に精神疾患を予防する効果があると言われています。
ビタミンB1は脳や神経機能を正常に保つ働きがあり、マグネシウムとビタミンB1を併せて摂取すると精神面での健康維持に有効であることが言えます。
ニュートリショナルイーストにはマグネシウムとビタミンB1の両方を豊富に含む為、このような効能が期待出来ると言えるでしょう。
マグネシウム、ナイアシンには興奮抑制作用があります。
マンナンやβグルカンは腸内環境改善を図り、脳機能向上をサポートします。
セロトニン生成や脳機能向上に関わる栄養素が豊富に含まれることから、ニュートリショナルイーストにはリラックス効果や良質な睡眠を得られる効果があることが言えます。
胎児の成長
葉酸は妊娠中に必要不可欠な必要であり、胎児を正常に成長させる働きがあると言われています。
葉酸は核酸の合成を促し、細胞分裂に欠かせない存在です。
ニュートリショナルイーストには亜鉛、セレンも含まれ、亜鉛とセレンの摂取は精子の発育を促すことから男性由来の不妊症の改善にも役立ちます。
そして、亜鉛も細胞分裂に関与します。
蛋白質も含まれているので、葉酸がアミノ酸合成に関わることからもニュートリショナルイーストは妊婦に適した食品であることが言えます。
循環器疾患予防
菜食主義者やビーガン主義者が循環器疾患予防に陥りやすいのはビタミンB12が不足してしまうからです。
ビタミンB12はホモシステインを減少させることにより、動脈硬化や心臓病、脳卒中の予防に役立ちます。
ホモシステインは肝臓にてビタミンB6、葉酸、ビタミンB12によってメチオニンに変換され、更に一部はシステインというアミノ酸変換され、一部は尿中に排泄されます。
この時に葉酸の働きをビタミンB12が補助することによってホモシステインを減少させると言われます。
免疫力増強効果
ニュートリショナルイーストに含まれるβ1.3グルカンには免疫力増強効果があるとのことです。
亜鉛は免疫細胞の主役であるT細胞やNK細胞の働きに関係しています。
そしてSODの構成成分として働くことから抗酸化作用に関わります。
グルタチオンやセレノメチオニンが持つ強い抗酸化作用は免疫力強化を図ります。
亜鉛によって細胞性免疫機能を強化することから、風邪を引きにくくすると言えます。
マンナンやβグルカンは腸内環境を改善して、免疫力アップを図り、感染症にかかりにくくします。
肝機能向上
グルタチオンはアルコール性脂肪肝やその他肝機能障害の予防に役立つと言われています。
ビタミンB1はアルコール代謝時に必要な栄養素です。
ビタミンB1はアセドアルデヒドの分解に必要とされます。
しかし、アルコールの多飲をすると、アセドアルデヒド脱水酵素だけでは分解が間に合わなくなります。
アルコールを多飲した場合は、別の経路からアルコールの代謝を行います。
この時、大量のビタミンB1が消費されます。
グルタチオンはアセドアルデヒドやアンモニアを解毒して、二日酔いを予防します。
セレンやグルタチオンは水銀等の有害物質を無毒化させる働きがあると言われています。
腸内環境改善
マンナンは水溶性食物繊維であることから整腸作用があります。
水溶性食物繊維は腸管内のphを弱酸性にして善玉菌優位の環境を作ります。
そして腸管内の老廃物に水分を含ませて排泄を促すことから、便秘解消を図ります。
βグルカンも食物繊維の一つであることから、腸内環境改善を図ります。
生活習慣病の予防
マンナン、βグルカンは血液中の糖分、コレステロール、中性脂肪を排出する働きがあり、脂質異常症の予防に良いと言われます。
癌予防
ニュートリショナルイーストにはグルタチオン、セレノメチオニン、鉄分、亜鉛、マンガン、セレンといった抗酸化作用に携わる成分が含まれます。
その為、細胞を損傷から守り、癌から身体を守ります。
βグルカンはマクロファージやNK細胞を活性化して腫瘍を抑制させる働きがあります。
βグルカンは、間接的に癌細胞を攻撃すると言われています。
注意点
ニュートリショナルイーストは妊娠中の方や乳幼児等年齢層関わらず摂取することが出来ます。
但し、酵母やイーストにアレルギーがある方、カンジダ病の方は摂取を避けた方が良いでしょう。
ニュートリショナルイーストは葉酸が豊富なことからプリン体の合成にも関わっています。
身体に良いからといって大量摂取してしまうと、プリン体濃度が高くなって痛風を起こしてしまうことがあります。
プリン体を多く含む肉や魚の加工品、レバー等の臓物、ビール等と摂取するとプリン体摂取過多となってしまう場合があります。
まとめ
ニュートリショナルイーストについてまとめます。
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ニュートリショナルイーストは菜食主義者はビーガン主義者のビタミンB12の補給源として役に立ち、ビタミンB12不足による循環器疾患予防にも繋がります。
ビタミンB12以外のビタミンB群も含まれている為、不足しやすい栄養素を補給するためにも活用出来ます。