真っ赤な野菜「トマト」のある家に胃病なしと言われるトマトの栄養

ヨーロッパには「トマトのある家には胃病なし」「トマトが赤くなると医者が青くなる」という諺があります。

「柿が赤くなると医者が青くなる」という諺も聞いたような・・・。

トマトにはビタミンC、ビタミンE、クエン酸、βカロテン、リコピン、カリウム、グルタミン酸、GABA、グルタチオン、食物繊維が含まれ、抗酸化作用が強く美容成分に優れています。

「医者が青くなる」くらいのトマトはそれだけ美容や健康に期待の大きい食品なのです。





 

トマトは鉛中毒の原因とされていた

トマトは南アメリカのアンデス山脈ペルーを原産とするナス科の植物です。トマトの栽培は16世紀以前に始められていたそうです。

1519年、メキシコに上陸したエル軟・コンテスがトマトの種をヨーロッパへ持ち帰ったことにより、ヨーロッパでの栽培が始まりました。

当時のトマトは鉛中毒の原因物質として見られており、当時貴族達が使用していた食器には鉛が多く含まれ、トマトの酸味によって漏出したことによって中毒がおこされていました。

鉛中毒の誤解が解けた後もトマトは有毒植物のベラドンナに似ていたことから観賞用として扱われていました。

その後、トマトに毒がないことが判明されて、イタリアの貧困層が食用にすることを考え、200年に及ぶ開発を経てきました。これが、現在のイタリア料理に至っています。

その為、トマトやナス、じゃが芋等のナス科の野菜は元々食用として扱われず、観賞用又は薬として用いられてきたのでした。

 

トマトは食用に適していない?

マクロビオティックではトマト等のナス科の野菜は食用に適していないと言われています。

ナス科の食物は、元々穀物の被覆作物として用いられ、畑を自然耕作して土壌の劣悪化を防ぐために植えられていました。その為、茎や葉、花の部分に毒性があります。

トマトにも毒性成分が含まれており、トマチンと呼ばれるアルカロイド配膳体というものが毒性成分となります。

このトマチンには穀物を昆虫から守るための成分であることが考えられ、じゃが芋の毒性成分「ソラニン」に非常によく似てると言われます。

また、未完熟な青いトマトにもトマチンが含まれています。

実際にどの位の量を食べると人間に害を与えるのかは判明されていませんが、青いトマトで微量に含まれる程度なので一度に100kgもの大量摂取や日常的に摂取することがなければそれほど心配ないかと考えられます。

 

トマトの栄養とその効能とは?

トマトにはビタミンC、ビタミンE、クエン酸、βカロテン、リコピン、ケルセチン、カリウム、グルタミン酸、クエン酸、リンゴ酸、GABA、食物繊維が含まれ、抗酸化作用が強く美容成分に優れています。

トマトに期待する効能には次のものが挙げられます。

  • 美肌効果
  • 癌予防
  • 皮膚の形成
  • 加齢性黄斑変性症予防
  • 癌予防
  • 腸内環境改善
  • 免疫力強化
  • 生活習慣病予防
  • 脂肪燃焼促進
  • リラクゼーション
  • 食欲増進
  • 抗炎症作用
  • 解毒作用…等

 

美容効果

トマトにはビタミンCやビタミンE等、βカロテン、リコピン、ケルセチン、グルタチオン等の抗酸化成分が含まれます

この中でも赤いファイトケミカルであるリコピンは抗酸化作用に優れ、βカロテンの2倍、ビタミンEの100倍もの抗酸化作用があると言われています。

強い抗酸化作用があるとこうことは肌の老化防止にも期待が大きいのです。

そしてビタミンCはコラーゲン生成に欠かせないビタミンである上に、一度出来てしまったしみやそばかすを目立たなくする働きがあるとのことです。

トマトには、グルタミン酸も含まれ、グルタミン酸の成長ホルモン促進作用によって肌の新陳代謝を高めます。

新陳代謝が促進されると、肌を若返らせることに期待があるのです。

そして、皮膚に良いということは、それだけ傷口の治りを早くします

皮膚の傷を治すには、トマトを食べるだけではなく、蛋白質や亜鉛、鉄分を含む食品も一緒に摂ると、更に傷口の回復を早めることに繋がります。

トマトには食物繊維が含まれるので、腸内環境改善によっても美肌効果を得られることに期待があります。

そして、トマトのリコピンは、皮膚だけではなくて、髪を美しくする働きもあるとのことです。

リコピンは、ルテインやゼアキサンチン同様に、紫外線から目を守ることによって、加齢性黄斑変性症予防にも良いと言われます。

それは、目から紫外線が入ることを防ぐことによって、紫外線の影響を軽減するという側面からも、皮膚の老化を防ぎ、アンチエイジング効果に期待があるのです。

グルタチオンは水晶体や角膜に存在し、白内障や角膜疾患の進行を防ぐと言われます。


 

癌予防

抗酸化作用は活性酸素によって細胞が傷つくことを抑制するため、癌予防効果に期待があります。

リコピンには前立腺癌の予防効果が世界的に示唆されているとのことです。

活性酸素は精子のDNAを傷めてしまいます。

その活性酸素の働きをリコピンが阻止すると言われています。

ビタミンCにはNK細胞を活性化させる働きがあると言われます。

その為、トマトは癌予防効果に期待があるでしょう。


 

腸内環境改善

トマトには不溶性食物繊維と水溶性食物繊維が含まれます。

不溶性食物繊維は善玉菌の餌となり、腸管内を善玉菌優位にします。

そして便のかさを増やして腸の蠕動運動を促します。

トマトに含まれる食物繊維はペクチンであり、ペクチンは便の水分調整に関わります。

ペクチンは便に水分を含ませることによって排泄を促します。

マグネシウムにも同様に排便を促進する働きがあることから、トマトは腸内環境改善に役立ちます。

ケルセチンは有害物質の排出を促進し、体内に有害物質が蓄積することを防ぎます。

グルタミン酸には粘膜を強化する働きがある為、腸管を粘膜で覆うことにより免疫力の向上に期待があります。

腸内環境が改善することによって免疫力強化、太りやすい体質の改善、脳機能向上等に期待があります。

 

生活習慣病予防

トマトにはカリウムが豊富に含まれています。

カリウムは細胞を正常に働かせる働き、電解質均衡を図る働きがあります。

カリウムには体内に溜まった余分なナトリウムを排泄する為、血圧を正常値に調整する働きがあります。

ナトリウムを排泄することから、浮腫みを改善する効果があり、血流促進効果にも期待があります。

クエン酸には血圧を上げるホルモンである「アンギオテンシンⅡ」という血圧を上げるホルモンの働きを9割抑えると言われます。

クエン酸やカリウムによって高血圧予防に期待があると言えます。

トマトには抗酸化作用があることから、血液中の中性脂肪やLDLコレステロールが酸化することを抑制します。

これによって酸化した中性脂肪やLDLコレステロールによって血管が傷つくことを防いだり、血栓を予防することによって動脈硬化や心疾患、脳血管疾患等の循環器疾患の予防に期待があります。

ケルセチンには血流改善、LDLコレステロールの低下、動脈硬化を予防する働きがあります。

トマトに含まれる食物繊維が腸管からの糖の吸収を抑えたり、血液中の余分なコレステロールや中性脂肪を排泄する為、生活習慣病予防効果があることが言えます。

 

ダイエットサポート

トマトにはグルタミン酸が含まれており、BCAAとの相性が良い上に成長ホルモンの分泌促進作用があります。

成長ホルモンには筋肉成長促進及び脂肪燃焼促進作用があり、BCAAと一緒に摂取し、運動習慣をつけることによって痩せやすい身体を作っていきます。




 

リラクゼーション

トマトには「リラックス効果」「睡眠効果」「正常血圧の維持」に役立つGABAが豊富に含まれています。

GABAによる交感神経抑制効果や血圧を正常値に調整する働きがあることからこれらの効果が享受されることが言えます。

ストレスが発生すると、副腎皮質ホルモンが生成される際、水酸化酵素を還元型に変化させる必要があり、この時にビタミンCが利用されます。

その為、ビタミンCはストレスへの抵抗力を付ける働きがあると言われます。

トマトにはこのように、リラックス作用があることが言えます。


 

食欲増進

トマトに含まれるグルタミン酸やリンゴ酸、クエン酸には胃酸の分泌を促進する働きがあります。

胃酸の分泌によって食欲が増進し、疲労回復に良いとされています。

ただ、食べ過ぎると逆流性食道炎や胸やけを起こすので食べ過ぎにも注意します。

 

抗炎症作用

トマトに含まれるケルセチンには抗炎症作用があり、関節痛の緩和、アレルギー症状の緩和します。

 

解毒作用

トマトに含まれるグルタチオンはアセドアルデヒドやアンモニアの分解を促進することから、解毒作用があると言われています。

その為、二日酔いを予防すると言えます。

また、腎炎や腎炎を予防することに繋がり、腎機能維持を図ることによってデトックスを促進します。

そして、水銀、ヒ素、カドミウム、鉛、銅、PCB等の有害物質の毒性を抑えます。

 

トマトの栄養を効率的に摂るには?

トマトの栄養を効率的に摂取するには油と一緒に摂取すると更に吸収が良くなります。

例えばトマトを使ったサラダに亜麻仁油をかけて召し上がる、トマトソースと作る時にオリーブオイルを用いて具材を炒める等、健康的な油を用いることもポイントです。

また、リコピンを沢山摂取するには生のものよりも加工されたものを使用します。

トマトピューレ等に用いられるトマトは、トマトの中でも完熟度が高く赤味の強いものが用いられます。リコピンは特に赤味の強いものほど含有量が多い為、生のトマトよりリコピンの摂取量が多く摂れるようになります。

但し、加工品を購入する時は原材料のチェックを忘れないようにしましょう。

商品によっては色素で赤色を強くしたり、食品添加物は甘味料が含まれているものもあります。

出来れば自然に近いものを選んだ方がより安全で栄養価の高いものを摂れるようになります。

 

注意点

トマトは抗酸化力に優れ、沢山の健康効果がありますが、摂り過ぎは却って健康を害してしまう場合があります。

腎機能低下

トマトはカリウム含有量我多いことから、腎不全が進行して尿量が少なくなってしまっている場合には、尿からのカリウムが排泄出来なくなり、体内に蓄積してしまいます。

カリウムは大事なミネラルの一つですが、余計に蓄積してしまうと不整脈を起こし、心不全によって死に至るリスクがあります。

この為、腎機能が良くない場合や腎不全末期の場合は摂取を極力控えるようにしましょう。

身体を冷やす

トマトは夏野菜であり、水分を多く含む為、身体を冷やします。

その為、冬に大量摂取してしまうと身体を冷やしてしまい、身体が温まりにくくなります。

トマトは身体を冷やしやすいことから、お腹をこわしてしまうことがあります。

特に女性は冷えによってホルモンバランスが乱れてしまう為、注意が必要です。。

女性は冷えやすい上に、冷えによるデメリットが多く、特に妊娠中においては母子共に悪影響を及ぼし、胎児の低体重や妊娠高血圧、妊娠糖尿病等を引き起こすリスクがあります。

そして、生理痛などの原因にもなります。

また、身体を冷やすことによって内蔵機能を弱めてしまいます。

胆石や尿路結石の原因に

トマトにはシュウ酸カリウムが含まれている為、食べ過ぎてしまうとカルシウムと反応して胆石や尿路結石が出来てしまいます。

アレルギー

トマトにはアレルギー症状が現れる場合もあります。トマトを食べてアレルギー症状と見られる症状を呈した場合は原因を調べてみると良いでしょう。

逆流性食道炎

トマトは胃酸分泌を促進しますが、食べ過ぎると逆流性食道炎や胸やけを起こすことがあります。

 

1日あたりの摂取量

上記のような症状を起こさない為にも、トマトは通常のサイズのトマト1個分が1日あたりの適切な摂取量であると考えられます。

 

まとめ

それでは最後にトマトの効能についてまとめます。

  • 美肌効果
  • 美肌効果
  • 皮膚の形成
  • 加齢性黄斑変性症予防
  • 癌予防
  • 腸内環境改善
  • 免疫力強化
  • 生活習慣病予防
  • 脂肪燃焼促進
  • リラクゼーション
  • 食欲増進
  • 抗炎症作用
  • 解毒作用…等

「医者いらず」と言われるほど健康効果が盛沢山なトマトですが、美容効果に期待して沢山食べてしまうと身体を冷やしてしまいます。

1日1個までを目安に、自身の健康に役立てて下さい。

 
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