ファイトケミカルが豊富な「玉葱」の健康効果とは?

玉葱は血液をサラサラにすることで健康効果に注目を集められています。

玉葱は入手しやすく、和洋中関わらず様々なジャンルの料理に合い、汎用性のある野菜です。

その用途は料理の具材の他にも香りづけとしても用いられます。

また、新玉葱は辛味が控えめであることから生食で召し上がれます。





 

玉葱の栄養

玉葱は健康効果が謳われている昨今ですが、五大栄養素が特別多く含まれているわけではありません。

栄養素という観点からみるとそれほでもないように思われますが、玉葱には硫化アリル、硫化プロピル、ケルセチン、ケンフェロール、イソアリイン、食物繊維が含まれます。

また、生で召し上がる場合と加熱する場合とで栄養素が異なります。

生の玉葱にはカリウムが豊富に含まれています。

玉葱は野菜の中では比較的糖分が含まれており、加熱するとオリゴ糖が豊富になります。

玉葱には次のような健康効果に期待があります。

  • 循環器疾患予防
  • 癌予防
  • 疲労抑制
  • 脳機能向上
  • 腸内環境改善
  • 有害物質の排泄
  • 免疫力アップ
  • 浮腫み予防

 

循環器疾患予防

玉葱に含まれるケルセチンはフラボノイドの一つです。

ケルセチンは強い抗酸化力を持つ成分です。

ケルセチンはケンフェロールと相乗して更に強い抗酸化作用を発揮します。

硫化アリルにも抗酸化作用があります。

その為、血中の中性脂肪やLDLコレステロールが活性酸素によって酸化されることを防ぎ、動脈硬化や血栓症の予防に良いと言われます。

硫化アリルには血液中の余分な脂質を減らす働きと、血栓の凝固を阻害する働きがあると言われます。

玉葱には水溶性及び不溶性食物繊維が含まれるので、腸管からの糖の吸収抑制、血液中の余分な糖、中性脂肪、コレステロールの排出促進作用があることから、脂質異常症予防に期待があります。

また、抗酸化作用は細胞の老化を抑制することから、癌予防にも期待があります。


 

疲労抑制

玉葱に含まれる硫化アリルはビタミンB1の吸収を促します。

ビタミンB1は栄養素を代謝するときに補酵素としての役割があります。

硫化アリルによって解糖系やクエン酸回路の働きを強化し、運動時における疲労を抑制します。

イソアリインはビタミンB1と結びついて、疲労回復を促します。


 

脳機能向上

玉葱に含まれる糖質、ビタミンB1は突出して多いわけではありませんが、野菜の中では比較的糖質が多めです。

玉葱に含まれる硫化アリルにはビタミンB1の吸収を促す働きがあります。

ブドウ糖、ビタミンB1と組み合わせて摂ると、ビタミンB1の吸収を促すことによってブドウ糖の利用を促進します。

ブドウ糖が脳の栄養として利用されると、学習力や記憶力を向上することに繋がり、怒りや鬱などの感情をコントロールします。

 

腸内環境改善

玉葱には水溶性及び不溶性の食物繊維が含まれます。

水溶性食物繊維は腸管内のphを弱酸性にすることによって腸管内を善玉菌優位にし、腸管内に溜った頑固な老廃物に水分を含ませて、老廃物の排泄を促します。

不溶性食物繊維は、善玉菌の餌となって腸管内を善玉菌優位にします。

不溶性食物繊維は水分と摂ることによって便のかさを増やし、腸の蠕動を促して老廃物の排泄を促します。

ケルセチンには不要なものの排泄を促進する働きがあることから、体内に有害物質が蓄積することを防ぎます。

加熱した玉葱にはオリゴ糖が豊富に含まれます。

オリゴ糖は不溶性食物繊維と同様に善玉菌の餌となります。

このような観点から、玉葱は腸内環境改善とともに体内に有害物質が蓄積されること防ぐと言えます。




 

免疫力向上

ケルセチンには抗炎症作用があり、関節痛の症状緩和、アレルギー症状の緩和といった作用があると言われます。

硫化アリルには強い殺菌作用があり、食中毒菌や寄生虫から守るとのことです。

ケンフェロールはミトコンドリアの機能を高めます。

ミトコンドリアは臓器と関わりがあることから、臓器の機能を高めて免疫力を強化し、感染症を予防します。

 

浮腫み予防

硫化アリルには血流を促進させることから、冷えや浮腫み、肩凝り、腰痛などの改善に期待があります。

新玉葱は辛味が控えめであるため、生食が可能です。

非加熱の玉葱にはカリウムが豊富に含まれます。

カリウムは血液中の余分なナトリウムの排泄を促します。

その為、血圧を正常に保ち、ナトリウムの過剰摂取が起因する浮腫みの予防にも役立つと言えます。

 

玉葱の皮にも注目

玉葱の皮は、ついつい捨ててしまう部分です。

皮は直接食べるのではなく、お茶やブイヨンとしてエキスを抽出して活用します。

玉葱の皮にもケルセチンが含まれ、黄色い成分が該当します。。

ケルセチンには血管を強化する働きがあり、高血圧及び血管からの出血を予防することに薬経ちます。

 

注意点

玉葱を摂る際には次に点に気を付けましょう

刺激が強い

玉葱に限らずユリ科の食品に言えることですが、玉葱は強い殺菌力がある一方、摂り過ぎてしまうと善玉菌まで殺菌してしまうことがあります。

野菜の中では比較的糖分が多い

玉葱に甘味があるのは野菜の中では比較的糖分が含まれるからです。

通常通り食事を食べていれば高血糖になる心配はありませんが、ケトジェニックダイエットのように極端に糖質を減らす場合は、うっかり糖分を余計に摂ってしまう場合があります。

大切なペットにあげないで

玉葱、らっきょう、にら、葱などの硫化アリルを含む食品は、犬や猫にとっては毒物となります。

犬や猫が硫化アリルを摂取すると赤血球を破壊してしまい、溶血性貧血を起してしまいまう上に、胃腸の障害を起して衰弱してしまいます。

誤ってもペットには与えないようにしましょう。

腎不全末期

カリウムはナトリウム過剰摂取による心臓病や腎臓病の予防に役立つ栄養素ですが、腎不全が進行している場合は制限が必要となることがあります。

腎不全が進行すると、尿排出量の低下によってカリウムが体内に蓄積しやすくなります。

高カリウム血症によって不整脈を起こし、腎性心不全に至るリスクがあります。

 

まとめ

玉葱の健康効果についてまとめます。

  • 循環器疾患予防
  • 癌予防
  • 疲労抑制
  • 脳機能向上
  • 腸内環境改善
  • 有害物質の排泄
  • 免疫力アップ
  • 浮腫み予防

玉葱は幅広い料理に活用出来、手に入りやすい食材です。

栄養素が突出して多いものではありませんが、玉葱ならでの栄養成分が健康をサポートしてくれます。

刺激の強い食品なので、くれぐれもペットには与えないようにしましょう。

 
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