甘くて低GI、虫歯になりにくい「いちご」の旬は初夏

クリスマスケーキに欠かせないいちごの旬は、冬のように思われますが、元々は5月が旬でした。

何故、3月にいちごが収穫できるようになるのかというと、ビニールハウス栽培にて春の気候を作り、収穫時期を早めているからです。

いちごは果物の中でも、ビタミンCの含有量が多く、低カロリーで、果糖の含有量が少ない果物です。





 

いちごの栄養

いちごには、ビタミンC、葉酸、カリウム、アントシアニン、ケルセチン、キシリトール、ペクチンが含まれています。

いちごには次の健康効果に期待があります。

  • 美肌効果
  • 眼精疲労予防
  • 生活習慣病の悪化から守る
  • 腸内環境改善
  • 高血圧予防
  • 花粉症予防
  • 感染症予防
  • 胎児を正常に成長させる
  • 虫歯予防
  • ストレスの緩和

 

美肌効果

いちごのビタミンCの含有量は100gあたり62gであり、キウイ(緑)の69gとほぼ同じ位の含有量です。

その為、果物の中でもビタミンCの含有量が豊富に含まれています。

ビタミンC、アントシアニンが含まれていることから、ビタミンCとポリフェノールによるアンチエイジング効果が肌の老化を抑えることに期待があります。

ビタミンCはメラニンを作る酵素を抑制したり、メラニンに直接働きかけてシミを薄くすることから、美白効果があると言われます。

また、ビタミンCはコラーゲン合成に必要な栄養素であるため、肌の潤いを保つために欠かせません。

 

目に優しい

いちごは赤いにも関わらず、リコピンは含まれていません。

いちごの色素成分はアントシアニンです。

アントシアニンは目に優しいことが知られています。

アントシアニンは、目の奥にある紫色の色素であるロドプシンの再合成を助けることから、眼精疲労を軽減し、視力を回復すると言われます。

光刺激反応を円滑に行うにはアントシアニンとビタミンAが相互的に働きかけます。

そのため、疲れ目等の目のトラブルを予防する場合は、ビタミンAを含む食品と摂ることが望ましいです。

ビタミンCには白内障を予防したり、加齢性黄斑変性症の進行を抑制する働きもあります。

 

生活習慣病の悪化から守る

アントシアニンはビタミンPのような作用も持っています。

いちごにはケルセチンが含まれています。

糖尿病の三大合併症である腎不全、網膜症、神経障害は毛細血管のトラブルによって発症します。

アントシアニンは毛細血管のトラブルから守る働きがあるため、糖尿病の合併症を予防することから、いちごは糖尿病の悪化を防ぐと言えます。

また、いちごそのものが低カロリーであり、他の果物と比べると低GIであり、果糖の含有量も少ないというメリットがあります。

その為、他の果物より食後の血糖値が上がりにくく、果糖の含有量も少ないことから、中性脂肪の蓄積を抑えられます。

いちごに含まれる食物繊維は水溶性の割合が多く、その食物繊維はペクチンです。

水溶性食物繊維は、血液中の余分な糖分や脂肪分の排出を促す働きがあります。

これらの栄養成分が相互して、糖尿病、肥満、脂質異常症、脂肪肝の予防や、糖尿病の合併症を予防することに期待があります。

 

腸内環境改善

いちごは水溶性食物繊維が含まれており、水溶性食物繊維は善玉菌の餌となって腸管内を善玉菌優位にさせます。

水溶性食物繊維は、腸内phを弱酸性にして善玉菌優位の環境を作ります。

腸内環境を善玉菌優位にするには、不溶性食物繊維やオリゴ糖を含む食品と、善玉菌の餌となる食品を一緒に摂ると、更に腸内環境改善に繋がります。

水溶性食物繊維は、腸管内の老廃物に水分を含ませて排泄を促すという面からも、腸内環境改善に寄与しています。

 

高血圧予防

いちごにはカリウムが豊富に含まれています。

カリウムは体内のナトリウム量が過剰になると、カリウムはナトリウムの排泄を促して血圧を正常に保ちます

ナトリウムの排泄とともに余分な水分も排出されるので、浮腫みの解消にも期待があります。




 

花粉症予防

アントシアニンの健康効果は眼精疲労に着目されがちですが、アントシアニンにはヒスタミンの量を抑える働きもあります。

その為、花粉症による様々な不快な症状を軽減することに期待があります。

但し、果物を食べて喉の痒みを訴える場合は、他の食品からアントシアニンを摂取しましょう。

 

感染症から守る

いちごに豊富に含まれるビタミンCは、好中球の活性維持や増強に関わります。

高ウィルス蛋白質での細胞強化やNK細胞の活性化にもビタミンCが関与します。

また、ビタミンCは粘膜の生成にも関わっています。

その為、風邪やインフルエンザ等の感染症予防に期待があります。

 

抗炎症作用

アントシアニンには炎症を抑える働きがあることが知られています。

頭痛や関節痛、生理痛等の症状を軽減する働きを、副作用がなく行えるという利点があります。

ケルセチンにも抗炎症作用があり、関節痛の症状を緩和させます。

 

胎児の正常な成長

いちごは、果物の中でも葉酸の含有量がトップクラスです。

葉酸は細胞分裂に欠かせない栄養成分であり、胎児の成長にかかせません。

胎児を正常に育てることにいちごは寄与していると言えます。

 

虫歯予防

いちごはブドウ糖や果糖が少ないにも関わらず甘味があるのは、キシリトールが含まれているからです。

糖分は虫歯菌の原因になりますが、キシリトールは虫歯菌の餌にはなりません。

キシリトールは虫歯菌の増殖を抑制します。

いちごと一緒にカルシウムを含む食品を一緒に摂ると、歯の再石灰化を促します

キシリトールには殺菌作用のある唾液の分泌を促進する働きがあることからも、虫歯から歯を守ってくれます。

 

ストレスの緩和

いちごに豊富に含まれるビタミンCは、抗ストレス効果があると言われています。

それは、ビタミンCが副腎皮質ホルモンが生成される時に補酵素として利用されることに関わるからです。

 

注意点

いちごはカリウムが豊富なので、心疾患や腎疾患の予防に良いと言えますが、腎不全が進行してしまうと、カリウム制限が必要なことから、摂り過ぎに注意しなければなりません。

腎不全が進行すると、腎臓からの排泄機能が殆ど働かなくなります。

その為、血液中のカリウム濃度が上昇します。

カリウムが蓄積してしまうと、腎性心疾患にかかるリスクがあります。

 

まとめ

いちごの健康効果についてまとめます。

  • 美肌効果
  • 眼精疲労予防
  • 生活習慣病の悪化から守る
  • 腸内環境改善
  • 高血圧予防
  • 花粉症予防
  • 感染症予防
  • 胎児を正常に成長させる
  • 虫歯予防
  • ストレスの緩和

いちごはビタミンCの補給減であり、低カロリーでGI値の低い食品です。

季節限定で売られていて値段も高いので、あまり食べる機会がないと思いますが、いちごは保存の利く食品ではありません。

ビタミンCを出来るだけ多く摂るためにも、へたを極力食べる直前に取るようにしましょう。

 
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