肝機能を高めると言われる「ウコン」は肝臓の症状によって良し悪し

ウコンは、インドや中国などにおいて古くから黄疸などに聞く生薬として重宝されていました。

日本では、琉球から江戸に伝わった後にクルクミンが鮮やかな黄色の色素であることから、ウコンを布や紙に染色するためにも用いられていました。

そして、江戸時代中期には肝臓や胃腸の薬、強心薬としてもつかわれてきたという歴史があります。





 

クルクミンを多く含むのは秋ウコン

健康食品市場にて利用されているウコンは「秋ウコン」「春ウコン」「紫ウコン」の3種類です。

このうち、秋ウコンは香辛料のターメリックの原料として利用され、健康食品としても利用されています。

春ウコンは秋ウコンに比べて強い苦味と辛さがあり、生産量もあまり多くありません。秋ウコンには春ウコンの10倍ものクルクミンが含まれております。

紫ウコンにはクルクミンは含まれておりません。

クルクミンは肝臓への働きかけに特に注目されています。

肝臓は人体で最大の臓器であり、酵素をはじめとする体内で作用する物質を3000種類もつくり出す働きがあります。

更に糖質や脂質、蛋白質等の代謝や解毒という重要な役割も担っています。

 

ウコンの健康効果とは?

ウコンにはクルクミンが豊富に含まれることから、クルクミンから得られるものが大きいですが、他にも期待する効能がいくつかあります。

  • 解毒機能を高める
  • 二日酔い予防
  • 抗酸化作用
  • 免疫力強化
  • 腸内環境改善及び生活習慣病予防
  • 食欲増進
  • アルツハイマー型認知症予防

 

解毒機能を高める

クルクミンは、肝臓の解毒機能を高め、胆汁の分泌を促す作用があると言われます。

肝臓から分泌される胆汁には消化酵素を含んでいないものの、膵液と一緒になることによって、膵液の消化酵素の作用を活発にして、蛋白質と脂質の消化をサポートします。

 

二日酔い予防

ウコンに含まれるクルクミンには二日酔いを予防する効果があると言われています。

クルクミンによって生成を促される胆汁には、悪酔いの原因物質のアセドアルデヒドの代謝を促進する作用があります。

大量の飲酒によって生じたアセドアルデヒドが長時間滞留することによってアルコール中毒や二日酔いを起こしてしまいますが、クルクミンの摂取によりこのような症状を予防することが出来るので、飲酒の前後にはクルクミンを豊富に含むウコンを摂取すると効果的だと言われています。

 

抗酸化作用

クルクミンには抗酸化作用があるので、老化や生活習慣病の原因となる活性酸素を除去する働きがあります。

活性酸素はメラニン色素を生成することにより、シミやくすみの原因となり、ヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチンを減少させるので、肌の弾力低下やしわの原因となってしまいます。

抗酸化作用によって美肌を維持することが期待されるのです。

抗酸化作用には血液中の中性脂肪やLDLコレステロールの酸化を抑制し、血管が傷つくことを予防すると言われます。

その為、動脈硬化や心筋梗塞、脳血管疾患等の循環器疾患予防口腔癌、膵臓癌、腎臓癌等の様々な癌予防に期待があります。

 

免疫力強化

ウコンは免疫作用を高めると言われます。

その為、抗菌作用や抗炎症作用があるとされ、アレルギーや胃腸炎、関節炎、リウマチなどの予防に効果が期待されます。

風邪やインフルエンザ、マラリア等の感染症予防にも効果的と言われます。




 

腸内環境改善及び生活習慣病予防

ウコンには食物繊維が含まれています。

食物繊維によって腸の蠕動運動が促されると、腸管に溜まった老廃物質を排泄させます。

また、腸内環境改善によって免疫力が強化されたり、体質改善や脳機能向上に期待があります。

食物繊維は腸管から余分な糖分の吸収を抑えたり、血液中の余分な糖分や中性脂肪、コレステロールを吸着させて排出させる働きがあります。

その為、糖尿病、脂質異常症、動脈硬化、心疾患、脳血管疾患、メタボ、脂肪肝、胆石症等の生活習慣病予防に役立つと言えます。

 

食欲増進

ウコンは胃を活発にさせる働きがあると言われます。

胃酸分泌を高め、胃の粘膜を強化する働きもあり、食欲を増進させるとのことです。

 

アルツハイマー型認知症予防

クルクミンには脳を健康に保つ効果もあると言われています。

クルクミンはウコンに含まれるポリフェノールの一つですが、クルクミンを多く含む食材に「カレー粉」があります。

カレーを食べることによって脳の一部が活性化され、IQが上がったという研究報告がなされています。また、余計な蛋白質の蓄積を予防することによって、アルツハイマーの予防に役立つことが知られています。

 

クルクミンは肝機能に逆効果の場合も?!

但し、同じ肝臓への働きかけでも、脂肪肝、特に「非アルコール性脂肪肝(NASH)」やC型肝炎に罹っている場合はウコンを摂取することによって病状が悪化する場合があります。

この場合、なぜ肝臓に悪影響を及ぼすのかといいますと、ウコンに豊富に含まれている鉄分にあるからなのです。

鉄分は赤血球生成に大事な栄養素ですが、脂肪肝やC型肝炎といった肝臓に異常がある時は非常に肝臓に鉄が溜まりやすくなり、鉄が酸化することにより、更に肝機能を悪化させてしまいます。

 

まとめ

ウコンの健康効果についてまとめます。

  • 解毒機能を高める
  • 二日酔い予防
  • 抗酸化作用
  • 免疫力強化
  • 腸内環境改善及び生活習慣病予防
  • 食欲増進
  • アルツハイマー型認知症予防

ウコンにはクルクミンの働きをはじめ、多くの健康効果に期待があります。

クルクミンは肝臓に良いと言われていますが、病状によってはデメリットとなることも理解しておきましょう。

自身の症状に適しているのか、一度専門家に相談すると良いでしょう。

 
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