「医者いらず」と呼ばれる大豆由来、日本の伝統発酵調味料「味噌」

塩分が多く高血圧や心臓疾患に良くないイメージの食品の一つである「味噌」

パン食が多いと、味噌を摂る機会は中々ない上に、味噌汁は殆ど作らないという若い主婦もいます。

大豆を原料とする味噌は納豆とは違った健康効果に期待があり、本来でしたら「医者いらず」と呼ばれるほど優れている食品なのです。





 

味噌の歴史

味噌の起源には中国伝来説と日本独自説があると言われています。

中国伝来説では古代中国の醤(ショウ/ヒシオ)が起源であり、遣唐使によって伝来されたと言われます。

日本独自説では弥生時代や縄文時代からという説があり、製塩によって醤(ヒシオ)等の塩蔵製品が作られていたという形跡が、縄文時代から弥生時代にかけての遺跡から見つかり、古墳時代以降に発酵技術を加えるようになったと言われています。

味噌として食され始めたのは平安時代になってからであり、当時は高級官僚の給料や贈り物として位置付けられていました。

鎌倉時代には味噌汁が登場し、「一汁三菜」という武士の食事が確立されました。室町時代には農民にも普及され自家製の味噌を作るようになり、保存食として庶民にも浸透されるようになりました。

戦国時代は戦陣食として、江戸時代には味噌汁が庶民にも飲まれるようになり、現在に至っています。

 

味噌の分類

味噌は大きく分けると次の4つに分類されます。

  • 米味噌…大豆と米を発酵・熟成させたもの
  • 麦味噌…大豆と大麦又ははだか麦を発酵・熟成させたもの
  • 豆味噌…大豆を発酵・熟成させたもの
  • 調合味噌…上記の味噌を2~3種類混合したもの

味噌は味で分類すると次の3つに分けられます。

  • 甘味噌
  • 甘口味噌
  • 辛口味噌

これらの違いは「麹歩合」という大豆に対する米や麦の比率の違いや塩分含有量によって辛さ加減が異なります。塩分含有量が同じ場合、麹歩合が高い方が甘口になります。

色には次のように分類されます。

  • 白味噌
  • 淡色系味噌
  • 赤色系味噌

味噌は大豆等の原料の種類、大豆の下処理方法、麹の量、かき混ぜる回数等、様々な条件によって色の出来上がりが違ってきます。




 

味噌の栄養

味噌には蛋白質、ビタミンB、ビタミンE、イソフラボン、コリン、リノール酸、トリプシンインヒビター、メラノイジン、レシチン等が含まれます。

これらの栄養成分は優れたものが数多く、昔から「医者いらず」と言われる程、味噌は優れた栄養食品なのです。

元々大豆は栄養価に優れた食品ですが、発酵によって大豆に含まれる栄養素が有用な栄養素となり、脂質異常症や癌予防等の効果があると言われています。

更に、味噌には自然治癒力や免疫力を強化することから「医者いらず」と呼ばれているそうです。

 

アミノ酸組成に優れている

味噌は原料が大豆であることから、元々アミノ酸スコアが高い上に、発酵によって豊富なアミノ酸が生成されます。

当然必須アミノ酸が全て含まれています。

 

抗酸化作用

味噌にはイソフラボン、ビタミンEが含まれ、抗酸化作用 があると言われます。

抗酸化作用によって血液中のコレステロールの酸化を抑制し、血管が傷つくことを防ぎます。

そしてレシチンには水と油を混ぜ合わせる性質がある為、コレステロールや中性脂肪を乳化します。

このレシチンが血管内のコレステロールを溶かす為、血管壁にコレステロールが沈着するのを防ぎます。

その為、動脈硬化や心疾患、脳梗塞等の予防 効果に期待があり、このほかにも抗癌作用、紫外線から肌を守る 働きがあると言われます。

 

女性ホルモン様作用

イソフラボンには更年期におけるさまざまな症状を軽減する働きがあると言われています。

このイソフラボンは更に細かく分類され、そのうちのゲニステインが特に更年期障害や更年期症状を軽減すると言われています。

更年期の症状は種類が数多く、症状も人によってそれぞれですが、ゲニステインの摂取によって骨粗鬆症予防やLDLコレステロール値の上昇抑制効果があると言われています。

ただ、大豆を摂取しても更年期における不調が改善されないケースもあります。

これは大豆イソフラボンの中のダイゼインがエクオールを産生出来ないケースであり、このエクオール生産菌は持っている人と持っていない人がいます。

エクオールが産生出来ない場合はサプリメントで摂取する方法があります。

 

老化防止

イソフラボンには美容効果もあると言われ、抗酸化作用によるシミやしわ、たるみの予防、肌のターンオーバー促進、肌の炎症予防、美白、コラーゲン増加等 の働きがあると言われます。

ところが、この美肌効果もエクオール生産をもっていない場合、これらの効能が発現されないと言われます。

味噌にはメラノイジンが含まれ、色の濃い味噌に比較的多く含まれます。

メラノイジンにも抗酸化作用がある為、肌の老化を防ぐ 働きがあることが言えます。

味噌には大豆同様にリノール酸が含まれています。適度に摂取していれば、LDLコレステロールを減らし、HDLコレステロールを増やす働きがあるという脂肪酸です。

リノール酸にはメラニンの生成や肌に炎症を抑え、肌の保湿力をアップする 働きがあると言われます。

更にビタミンEやイソフラボン、メラノイジンの抗酸化作用によって老化防止 効果に期待があります。

 

脂肪肝予防

味噌に含まれるコリンには肝機能を高める 効果があると言われています。

コリンは肝臓において脂質代謝の関わり、肝臓の細胞であるクッパー細胞は多核細胞の増加により、肝臓に脂肪が蓄積されるのを防ぎ、脂肪肝の予防に良いと言われます。

 

癌予防の可能性

味噌にはトリプシンインヒビターというたんぱく質分解酵素であるトリプシンを不活性化させる作用があります。

以前はトリプシンインヒビターには膵臓を肥大化させる為、身体に悪影響を及ぼすものとして見られていました。

最近ではトリプシンインヒビターが体内でインスリンを増やす 働きがあると言われ、食後の急な血糖値上昇を抑えることにより糖尿病の予防効果があると言われ、糖尿病が原因による膵臓癌の予防効果も期待出来ると言えるでしょう。

また、味噌汁の摂取が乳癌の予防に良い という報告もあります。

味噌に含まれている効能に由来しているのかは現時点でははっきりしていませんが、味噌汁を摂取している人の方が乳癌にかかりにくいと言われています。

味噌によるものかもしれませんし、具材として使われている野菜によって抗癌作用の効能が得られているのではないかと考えられます。

更に味噌汁の摂取は胃癌による死亡率が下がる と言う報告もされています。

イソフラボンやビタミンEの抗酸化作用は、細胞の損傷を防ぐことによる抗癌作用により、味噌は癌の予防効果に期待がある 食品であることが言えます。

 

胃腸を整える

味噌は発酵食品であることから胃腸の働きを整えてくれます。

また、胃や十二指腸の粘膜を守る 働きがあると言われます。




 

選ぶのなら無添加のものを

「医者いらず」と言われる程、優れた効能をもつ味噌ですが、味噌は商品によって原材料にかなり違いがあります。

味噌の値段は安いものから結構値段の高いものまであり、安いものは輸入物の大豆が使われていたり、アミノ酸等の化学調味料で人工的に味が調整されているもの、使用されている塩が精製塩ということがあり、高血圧や脳梗塞等の循環器疾患や腎機能低下を起こすリスクの高いものと化してしまっています。

味噌は原材料がシンプルで無添加のものを選ぶと、味噌本来の効能を得られる上、味噌の本来持っている風味を味わうことが出来ます。

味噌のパッケージからは無添加であることや原材料をチェックすることが可能ですが、使用されている塩や大豆の生産地は分かりづらい場合があります。

 

味噌は自分で作れる

味噌は自家製で拵えることも出来、割と作業がシンプルです。

  1. 大豆を軟らかくなるまで煮て(圧力鍋があると早い)、軟らかくなった大豆を潰し、大豆の煮汁と麹と塩を併せ、容器に詰める時に空気が入らないように詰めて密閉しておきます。
  2. 最低でも夏場で3ヶ月、冬場で6ヶ月の熟成期間を置きます。
  3. 味噌は熟成中にカビが生えることがあるので、カビが生えたら取って、そのまま熟成を続けます。

手作り味噌は大豆や塩を自分の好みで選べる為、国産の大豆を買えば遺伝子組み換えの心配もなく品質の良い大豆を使用出来ます。

塩は海塩等の自然塩を使うとナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムも含まれる為、ナトリウムしかミネラルが含まれていない精製塩と違って、血圧や循環器疾患、腎機能低下等の原因に繋がりにくくなります。

 

まとめ

味噌についてまとめます。

  • アミノ酸組成に優れている
  • 抗酸化作用
  • 女性ホルモン様作用
  • 老化防止
  • 脂肪肝予防
  • 癌予防効果の可能性
  • 胃腸を整える

「塩辛くて身体に良くない」イメージと、パン食の人に忘れられがちな味噌ですが、大豆の発酵食品なだけあって、健康効果は非常に優れていると言えます。

但し、製品の選び方を誤ると生活習慣病を起こすリスクもある為、原材料を確認して身体に良い商品を選びましょう。

 


 
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