羅漢果は中国南部の広西チュワン俗自治区が原産のウリ科の多年生つる植物です。果実には強い甘味があり、コクのある独特の風味を持っています。
羅漢果から抽出されたエキスは「羅漢果エキス」と「高濃度羅漢果エキス」があります。
前者は砂糖の約50倍の甘さがあり、後者は砂糖の約300~400倍の甘さがあります。
Table of Contents
羅漢果の効果効能について
羅漢間は昔から「長寿の神果」として数百年もの間、民間薬として用いられ、高い安全性もあります。
生の羅漢果は表面が緑色の光沢がある果実です。生の羅漢果には甘味はなく、酸味や苦味、渋みがあります。
羅漢果は乾燥することによって甘味を引き出します。
これは「モグロシド」と呼ばれる「テルペングリコシド配線体」が乾燥して変化することによって甘味が出来るのです。
このテルペングリコシド配膳体は一週間十分に天日した後、更に異週間程火で炙る工程によって熟成されます。モグロシドには様々な効果効能があることが言われています。
羅漢果にはどのようなメリットがあるのかというと、以下の点が挙げられます。
|
食後血糖を上げない
羅漢果は糖尿病の食事療法に適した甘味料であると言われています。
甘味料をはじめとする炭水化物類は食品の中でもGI値が高く、食後血糖値を上昇させます。羅漢果の甘味成分である「モグロシド」は腸管で吸収されずに排泄される為、甘味があるにも関わらず食後血糖値の上昇を抑えます。
食後血糖の上昇を抑えることによってインスリンの分泌に影響を与えず、更に肥満防止に有効でもあります。
しかし、糖尿病や肥満予防に有効的なのは「高濃度羅漢果エキス」であり、砂糖の50倍もの甘さを持つ「羅漢果エキス」では前述のような糖尿病や肥満の予防は期待出来ないのです。
羅漢果エキスはカロリーもあり、果糖も含んでいる為、血糖値やインスリン上昇を抑える効果があるとは限りません。
抗酸化作用
羅漢果には抗酸化作用があると言われています。
コレステロールから過酸化脂質が生成されるのを防ぐ為、LDLコレステロールや中性脂肪が肝臓に蓄積することを防ぐことによって肝機能障害の予防に役立てます。
また、過酸化脂質によって血管内にアテロームが形成されるのを防ぐ為、動脈硬化や脳梗塞の予防にも期待出来ます。
抗酸化作用は紫外線から肌を守る働きがある為、シミやシワの予防にもつながります。
アトピーの改善効果があるとも言われ、アトピー性皮膚炎による肌質の改善にも期待があります。
元来、羅漢果は南中国の亜熱帯地域において、昼夜の温度差が激しく紫外線の量が多い地域で自生していました。
羅漢果にはこの紫外線と対抗して自生してたことから、強い抗酸化力を持つようになったと言われています。
プレバイオティクス
羅漢果には不溶性食物繊維が多い為、プレバイオティクスとして善玉菌の餌となる為、腸内環境を改善に関与します。
便秘の解消や解毒効果、老廃物の排泄効果によって美容効果が得られることに期待があるでしょう。
脳機能向上
羅漢果は乳酸菌と一緒に摂取すると更に腸内環境改善に繋がる為、メンタル面での不調の改善や免疫力アップにも効果が期待出来ます。
羅漢果は脳内の活性酸素を除去すると言われています。
これには羅漢果の強い抗酸化力が関係していると言われます。活性酸素の除去によって認知症の予防や脳血管疾患の予防に繋がると言われています。
咳止めとして
羅漢果は、喉や肺を潤す効能があることから、古くから咳止めとして利用されています。
注意点
羅漢果は食後血糖の上昇を抑えるというメリットがありますが、以下の点には注意しましょう。
習慣性
羅漢果は高い安全性があると言われていますが、脳は甘い物を食べたと認識してドーパミンを分泌します。
ドーパミンには習慣性がある為、甘い物を摂り続けると依存する危険性を潜んでいます。依存症状を呈してしまうと過食に進んでしまいます。
低血糖
羅漢果に依存してしまうと、低血糖症状を起こす危険性があります。
羅漢果は甘くて低カロリーで腸管からの吸収を抑えられるので糖尿病予防やダイエットに良い甘味料と言われます。
甘い物を食べると脳は条件反射的に血糖値を上げるものを食べたと認識し、膵臓からインスリンを分泌します。羅漢果は血糖値の上昇を抑制する為、血糖値とインスリンの分泌量のアンバランスを招いてしまい低血糖症状を起こしてしまいます。
また、低血糖になると空腹を訴えます。
糖尿病の方が空腹感を訴え、常に何かを食べていないと落ち着かないのは、この低血糖の症状によるものです。
空腹感によって何か食べていないと気が済まない状況に陥ると、甘味料でカロリーを抑えているにも関わらず、他の食品によって肥満をはじめとする生活習慣病を起こすリスクに繋がってしまいます。
血糖コントロール不良に
膵臓からインスリンが分泌し血糖値が下がると、血糖値を上げる為に膵臓からグルカゴンという血糖値を上げるホルモンが分泌されます。
羅漢果の過剰摂取によって、膵臓からの血糖コントロールホルモンが分泌し続けると膵臓に負担をかけてしまいます。
これによって血糖コントロールを招いてしまい、下手をすれば食事による血糖コントロールが困難になってしまいます。
インスリンやグルカゴンが正常に分泌されないと、極端に高血糖や低血糖を起こしてしまいます。
高血糖は糖尿病の合併症の原因となり、低血糖は意識不明の症状を起こしてしまいます。
アレルギー
羅漢果は人によってはアレルギー症状を起こす場合があります。
もし摂取してみて湿疹や体熱感を感じる場合があります。これらの症状はアレルギーとは限らないそうなので、医師に診てもらうと良いでしょう。
お腹を壊す
羅漢果の過剰摂取はお腹を壊すこともあるので、甘い物を羅漢果で摂る時はたまに楽しみ程度にとどめておきましょう。
まとめ
羅漢果についてまとめます。
|
食後血糖値の上昇を抑える上に健康効果に期待のある羅漢果ですが、習慣性による様々なデメリットも兼ねています。
バランスの良い食事、全粒穀物を用いる等して日頃から血糖値の安定に努めておきましょう。