体脂肪として吸収されない中鎖脂肪酸が含まれる油で注目の「ココナッツオイル」

ココナッツオイルはココヤシの実の胚乳から抽出された油であり、飽和脂肪酸の中の「中鎖脂肪酸」を多く含みます。

酸化しづらいことから熱に強く、加熱料理にも用いられます。

この「中鎖脂肪酸」には体脂肪になりにくいという特徴があります。





 

ココナッツオイルの健康効果とは?

ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸には様々な効能があると言われています。

ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸には、ラウリン酸、カプリル酸、カプリン酸があります。

そのうち、ラウリン酸がココナッツオイルの脂質の半分程を占めています。

カプリル酸、カプリン酸は10%以下になります

長鎖脂肪酸も含まれており、脂質の約15%がミリスチン酸、約10%がパルミチン酸です。

その効能には次のものが挙げられます。

  • 抗酸化作用
  • 免疫力アップ
  • 抗菌作用
  • 食欲を抑える
  • 脂質異常症予防
  • 筋蛋白合成をサポート
  • 体脂肪率低下
  • アルツハイマー型認知症予防…等


 

脂質の50%をラウリン酸が占める

ココナッツオイルの脂肪は約50%をラウリン酸が占めています。

ラウリン酸には抗酸化作用、免疫力アップ、抗菌効果があると言われています。

抗酸化作用には、過酸化脂質の生成を抑えることによって血管が傷ついてアテロームが形成されるのを防止します。

その為、動脈硬化をはじめ心疾患や脳血管疾患の予防に役立ちます。

抗酸化作用には紫外線から肌を守る働きがある為、シミやシワ等の肌の老化防止に役立つと言えます。

更に抗酸化作用には免疫力アップの働きがある為、風邪や感染症の予防、癌予防に効果があると言われています。

ラウリン酸は母乳にも含まれており、特に授乳し始めた時の母乳を摂取すると子供のアレルギー予防に良いという点でも免疫力を付ける働きたあることが言えます。

ラウリン酸には真菌や細菌、ウィルスを減らす働きがあることから抗菌効果があると言われています。

ラウリン酸の免疫力アップや抗菌作用は、ラウリン酸が体内に入り、分解されると「モノラウリン」という物質に変化することによってこれらの効能を発揮します。

ココナッツオイルにはカプリル酸、カプリン酸も含まれます。

カプリル酸、カプリン酸が分解させると、モノカプリル、モノカプリンに分解され、モノラウリン同様に抗菌作用が強化されます。
 

体脂肪として吸収されない中鎖脂肪酸

ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸は体脂肪として吸収されません。

摂取された中鎖脂肪酸は体内ですぐにエネルギーに分解される為、即座に利用されます。

更に、身体に蓄積された体脂肪を燃焼する働きもある為、内臓脂肪を低減させる効果があると言われています。

そしてココナッツオイルには食欲を抑える働きもある為、ダイエットに向いている油であることが言えます。

ココナッツオイルの中鎖脂肪酸は飽和脂肪にも関わらず、HDLコレステロールを増やし、LDLコレステロールを減らす働きがある為、脂質異常症予防にも役立てます。

これらの働きが生活習慣病予防に貢献出来ると言っても良いでしょう。

 

筋蛋白合成

ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸はBCAAと一緒に摂取すると、BCAA摂取による「筋蛋白質合成促進」「筋蛋白質分解抑制」「筋損傷軽減」の効果を相乗します。

近年、高齢者のサルコペニアフレイルが問題視されています。

加齢に伴う筋肉量の低下に加え、引きルこもりな生活を送ると、更に筋肉量低下を進行させてしまい、要介護状態に至るという悪循環に陥ります。

筋肉を付けるにはリハビリも大切ですが、肝心な栄養が摂れていないと却って衰弱させてしまいます。

消費量に見合ったエネルギー量を摂取させるとともに、筋力アップに必要な栄養を摂ってリハビリを行うと機能改善に繋がっていきます。

また、筋肉を作ることは成長期のお子様にも大切なことです。

また筋肉を付けることによって体脂肪が燃焼しやすくなる為、痩せやすい身体を手に入れたい場合も、BCAAと中鎖脂肪酸の組み合わせは有効的です。

 

体脂肪率低下

ココナッツオイルには血中のケトン体の濃度を上げる働きがあります。

エネルギー源として代表的なものはブドウ糖ですが、ケトン体も同様にエネルギー源となります。

ケトン体がエネルギー源となった場合、体脂肪を燃焼させる為、体脂肪率を下げる効果があることが言えます。

 

アルツハイマー型認知症予防

脳のエネルギー源はブドウ糖ですが、アルツハイマー型認知症になってしまうと、脳へのブドウ糖の吸収が悪くなってしまいます。

ケトン体も脳のエネルギー源として有効的で、尚且つアルツハイマー型認知症の方に栄養を供給することが可能です。

ケトン体によって脳細胞の破壊の進行を抑え、アルツハイマー型認知症の改善にも繋がると言われます。

ココナッツオイルには長鎖脂肪酸のカプリル酸も含まれており、カプリル酸は脳の栄養としての働きがあります。

 

化粧品やヘアケア商品として

ココナッツオイルは食品以外にも化粧品やクレンジング、ヘアケア等にも用いられます。

ココナッツオイルは保湿としての役割の他、殺菌作用もあります。

殺菌作用がアクネ菌に働きかけるとニキビ予防にも繋がります。

クレンジングにも用いられ、酸化しづらい特徴があることから、ココナッツオイルは肌を傷めずに皮膚や毛穴の汚れを落とすことが可能であることが言えます。

ココナッツオイルには傷んだ髪を修復する働きがあるとのことです。




 

リノール酸が少ない

ココナッツオイルにはリノール酸が少ないという特徴があります。

リノール酸は必須脂肪酸ですが、多くの植物油や穀物類、市販のドレッシング類等に含まれ、意識して摂らなくても不足になることはありません。

このリノール酸を過剰摂取し、リノレン酸との摂取バランスが崩れると体質劣化を招いてしまい、アレルギー体質の原因となってしまいます。

 

コールドプレスされたものを選ぶ

ココナッツオイルは高温圧搾法によって作られているものと低温圧搾法(コールドプレス)によって作られているものがあります。

ココナッツオイルを選ぶ時はコールドプレスされたものを選ぶことです。

中には高温処理、漂白、化学溶剤によって脱臭されたものがあります。

このような処理を起こしてしまうと、トランス脂肪酸が含まれている可能性があります。

商品を選ぶ際は、瓶詰された製品が瓶詰になっているものを選ぶことをお勧めします。

一方プラスチック容器に包装されているものは、化学物質がココナッツオイルに微々たる量ながらも流出している可能性があります。

 

注意点

ココナッツオイルは中鎖脂肪酸を含むことから健康効果を得られますが、過剰摂取も禁物です。

頭痛やめまい

ココナッツオイルには体内のカンジダ菌を死滅される働きがありますが、カンジダ菌が死滅する時に出される毒素によって、頭痛やめまいの症状を引き起こします。

ケトアシドーシス

また、過剰摂取はケトン体濃度を更に高めてしまう為、ケトアシドーシスを起こす危険性があります。

これによって食欲不振や吐き気の症状が現れてしまいます。

また、ケトン体質になると体臭や口臭がきつくなります。

性ホルモンの乱れ

ココナッツオイルの過剰摂取は性ホルモンを乱すことさえあります。

ココナッツオイルはテストステロンに働きかけ、テストステロンは5αリダクターゼと共に生殖器の成長に影響を及ぼします。

その症状として性欲元帥、勃起不全、ホルモン以上、鬱、不妊、精子以上、性同一障害等を引き起こす恐れがあります。

摂りすぎによるカロリーオーバー

ココナッツオイルはダイエットに良いと言われていますが、元々は油なので摂り過ぎはカロリーの過剰摂取となり肥満を招いていしまいます。

アレルギー

ココナッツやナッツ類にアレルギーがある場合はアレルギー反応を起こす場合があります。体質的に合わない場合は摂取を控えると良いでしょう。

長鎖脂肪酸の過剰摂取

ココナッツオイルにはミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸といった長鎖脂肪酸が含まれます。

長鎖脂肪酸は細胞膜の形成や皮脂としての役割のある脂肪酸ですが、摂りすぎてしまうとLDLコレステロール値の上昇や肥満に繋がります。

 

まとめ

ココナッツオイルについてまとめます。

  • 抗酸化作用
  • 免疫力アップ
  • 抗菌作用
  • 食欲を抑える
  • 脂質異常症予防
  • 筋蛋白合成をサポート
  • 体脂肪率低下
  • アルツハイマー型認知症予防…等

様々な健康効果に期待のあるココナッツオイルですが、摂りすぎは禁物です。

1日あたりの摂取量はスプーン2杯程度が目安となります。


 
栄養相談、サポート詳細
 

関連記事

最近の記事

  1. ベリーをはじめとする赤い果実に含まれるポリフェノール「エラグ酸」は美容効果の他にも生活習慣病予防に期待

  2. 低脂質でエネルギー、蛋白質の摂取源「レンズ豆」

  3. 原因不明の蕁麻疹…それはダニアレルギーの可能性がある