オリーブオイルはオレイン酸が含まれ、抗酸化作用、美容効果があることで有名な油です。
オリーブオイルの原料となるオリーブの果実は種類が豊富であり、数百種類もの種類があります。中には樹齢100年超えるものもあります。
その中から品質の良い物を選出して様々な工程を経てオリーブオイルが作られます。
オリーブオイルはオリーブを収穫し、収穫したオリーブの中から質の良いオリーブを選別して洗浄し、搾油します。搾油して貯蔵された後、検査をしてその後出荷となります。
オリーブオイルは脂質の6割から8割がオレイン酸からなっています。その為、オメガ9脂肪酸を含む油の代表格となっています。
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オリーブオイルの栄養
オリーブオイルは主にオレイン酸を含みます。
オレイン酸の他にもパルミチン酸、リノール酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸等の脂肪酸が含まれ、ビタミンA、ビタミンE、カルシウム、マグネシウム、クロロフィル、植物ステロール、フェノール化合物が含まれます。
オリーブオイルに期待する健康効果には次のものが挙げられます。
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腸内環境改善
オメガ9脂肪酸には腸の蠕動運動を促す効果があると言われています。
また、腸壁を覆う働きがある為、便をやわらかくして便通をスムーズにします。
マグネシウムは水分と摂ることによって便を軟らかくし、硬くなった便を排出させる働きがあります。
クロロフィルには強いデトックス作用があり、有害物質や重金属の排泄を促し、更に排泄によって消臭効果を得られることにも期待があります。
便通改善効果によって便秘解消や腸管に溜まった老廃物を排泄する為、デトックス効果が期待出来ます。
パルミチン酸は粘膜生成に関わり、腸管の粘膜を強化することから、腸管の炎症を抑えることに役立ちます。
美肌効果
オリーブオイルはビタミンA、ビタミンE、クロロフィル、フェノール化合物が含まれる為、紫外線から肌を守る働きがあり、肌の老化防止に期待が出来ると言えます。
オリーブオイルには美肌効果に良いと言われるパルミトレイン酸が含まれ、更に美肌効果に期待があります。
腸内環境改善効果があることからも、オリーブオイルは美容効果に注目されています。
循環器疾患予防
オレイン酸には生活習慣病予防効果があると言われています。
オレイン酸にはLDLコレステロールを除去し、HDLコレステロールの維持を図る働きがあることから、脂質異常症予防や抗血栓作用及び血圧降下作用があると言われます。
リノール酸も少量であれば脂質異常症の予防に役立ちます。
植物ステロールはコレステロールの吸収を阻害する作用があると言われます。
オリーブオイルには抗酸化作用があるので、血液中の中性脂肪はLDLコレステロールを酸化から守り、血管壁が硬化することを防ぎます。
その為、心筋梗塞や脳血管疾患の予防に役立てることが言えます。
胃もたれ防止
オリーブオイルは消化に時間をかけない為、少ない胃酸の分泌量で消化できます。
また、胃酸の分泌量を調整する働きがあることから、胃もたれや胸やけの症状を抑え、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、逆流性食道炎の予防に役立つと言えます。
糖尿病予防
オリーブオイルのオレイン酸、パルミトレイン酸には満腹中枢を刺激して空腹感を抑え、糖尿病を予防する働きがあると言われます。
また、脂質を含む糖質を含む食品は脂質の少ない糖質の多い食品に比べて食後血糖値が上がりにくいという特徴があります。
このようなことから、オリーブオイルを摂取することは糖尿病予防に役立てることが言えます。
目の機能維持
オリーブは、ビタミンA、βカロテンが含まれ、βカロテンは体内でビタミンAに変換されます。
オリーブに含まれるビタミンAは網膜の光刺激反応に重要な役割を果たし、細胞の形成に関わります。
ビタミンAは皮膚の細胞を若返らせ、ムコ多糖類の生成に関わることから、目の粘膜を保持します。
パルミトレイン酸は粘膜に潤いを与え、ドライアイから守ります。
抜け毛予防及びスキンケアとして
オリーブオイルは、血流を促進することから、抜毛を予防する働きがあると言えます。
オリーブオイルには髪の根本の損傷を和らげる働きがある為、頭皮マッサージによって抜毛や白髪対策に良いとされています。
スキンケアにもオリーブオイルは利用されますが、この場合、不純物の入っていないマッサージ用のオイルを用いると良いでしょう。
その他の働き
オリーブオイルの抗酸化作用は癌の予防や認知症予防にも役立ちます。
また、血液を酸化から守ることによって肝機能を維持することにも関与します。
オリーブオイルにはカルシウム、マグネシウムが含まれていることから、骨や歯の形成に関わります。
熱に強い
オメガ9脂肪酸脂肪酸は熱に強い性質がある為、熱による酸化を防ぐことが出来ます。
その為、加熱料理に用いてもトランス型脂肪酸に変性することなく使用することが出来ます。
注意点
オリーブオイルは冷えると固まる性質があります。これはオリーブオイルに長鎖脂肪酸が含まれているからです。
摂りすぎは生活習慣病や体質劣化にも
パルミチン酸はオリーブオイルの1割弱程含まれています。
パルミチン酸は粘膜生成や血管壁の強化、ビタミンAの吸収促進に役立ちますが、摂りすぎると脂質異常症や肥満等の生活習慣病を引き起こしやすくなります。
オリーブオイルにはリノール酸が含まれ、摂りすぎることによって多価不飽和脂肪酸の比率が崩れてしまい、体質劣化を引き起こすことさえあります。
リノール酸は少量であれば生活習慣病予防効果が期待出来ますが、摂りすぎは逆効果となります。
摂りすぎは太る
オリーブオイルは身体に有効的な働きが沢山ありますが、油である以上高カロリーです。
沢山摂り過ぎてしまうと肥満の原因となってしまいます。
摂りすぎはお腹を壊す
オリーブオイルは油脂であり、便の排泄を促すマグネシウムも含まれます。
沢山摂ればお腹を壊して下痢を起こすこともあります。
粗悪な商品
美容や健康、デトックス効果が謳われているオリーブオイルであり、選ぶのであればエキストラバージンオリーブオイルを選ぶことに越したことありません。
ところが、日本におけるエキストラバージンオリーブオイルの基準は至って緩く、世界基準に達していません。
日本は「国際オリーブオイル協会(IOOC)」に加盟していません。
つまり、IOOCに加盟していると、エキストラバージンオリーブオイルの基準を守る必要があります。
その為、パッケージには「エキストラバージンオリーブオイル」と記されていても、低品質な油が入っていることも考えられます。
全ての商品に該当するわけではありませんが、安易に安いのもを選ばない方が良いでしょう。
オリーブオイルはオメガ9脂肪酸を主に含むことから熱に強い油ですが、その一方で温度管理が難しいものです。
一番安定しやすい温度が室温ぐらいですが、温度が熱すぎても冷たすぎても品質劣化を起こしてしまいます。
また、オリーブオイルが緑色をしているのは、クロロフィルが含まれているからです。
クロロフィルは緑色の植物性食品に含まれる色素であり、光合成によって酸素を排出します。
しかし、この酸素が増えすぎてしまうと過酸化状態となります。
こうなると、オリーブオイルは健康効果を期待するどころか、酸化油となって有害な油と化してしまいます。
オリーブオイルには輸入ものの優れた製品もあるのですが、管理が悪く高温の状態で輸入した場合、油が劣化していることがあります。
オリーブオイルを口にしたときに、しつこさを感じたり胸やけを起こす場合は、酸化油になっている可能性があるでしょう。
オリーブオイルの健康効果を享受したいのであれば、品質を考えた上で商品を選ぶ必要があります。
オリーブオイルを保存する際は、日光を避けて、冷暗所にて保存しておきましょう。
まとめ
オリーブオイルについてまとめます。
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オリーブオイルを選ぶ時は抗酸化成分が残っているエキストラバージンオリーブオイルを選ぶようにしましょう。
人によってはアレルギー症状が出る場合もありますので、体質的に合わない場合は摂取を控えると良いでしょう。