醤油や味噌、酢は日本の伝統発酵調味料として親しまれてきています。
これら発酵調味料や日本酒は、麹の働きなくして製造されません。
甘酒が「飲む点滴」と呼ばれるのも、麹の働きがあってこそです。
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麹の歴史
日本における麹の使用の起源は8世紀初頭の「播磨国風土記」に「乾飯が濡れてカビが生えたのでこれで酒を造った」という記録により、この説が有力とされています。
実際には更に古い歴史があると言われ諸説があります。弥生時代に伝わった説や古墳時代に麹を使った酒造りが行われていたという説もあるそうです。
また、麹は紀元前から使われていたと言われ、発酵調味料や食品の起源は中国であるとの説があります。麹を使う技術は日本や韓国、インドネシア等東アジアの国々に広まっています。
麹が造られるまで
麹は米や麦、大豆等の穀物を発酵させるのに微生物を繁殖させます。
微生物にはコウジカビなどのカビ類等が利用され、澱粉や蛋白質を分解する酵素を産生し、その酵素によって澱粉や蛋白質を分解して生成されるグルコースやアミノ酸を栄養源としてさらに増殖します。
この酵素の分解作用によって作られたものが日本酒や味噌、醤油、漬物、酢等があり、日本の伝統食や伝統調味料の製造に利用されています。
麹の分類及び麹菌の種類
麹の代表的なものは次の3つです。
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麹菌には発酵食品の種類は味によって使用目的が異なります。代表的なものとして次の4つが挙げられます。
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麹の働き
麹の働きには主に次のものが挙げられます。
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麹によるビタミンB群の産生
麹に含まれる酵素は30種類以上にも渡ります。
麹にはビタミン類を産生する酵素があり、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、イノシトール等のビタミンB群を産生します。
ビタミンB群は主に糖質や脂質がエネルギーとして利用する為に必要な栄養であり、運動時において疲労を抑えながらエネルギー消費する上、疲労回復効果もあると言われます。
ビタミンB6は蛋白質の代謝に主に関わる為、筋蛋白合成によって脂肪燃焼しやすい身体作りに関与します。
消化吸収を促進
麹の酵素には栄養成分を分解することによって消化吸収を促します。
麹のアミラーゼによって蛋白質がアミノ酸に分解されて旨味成分となり、澱粉がブドウ糖に分解されます。
酵素によって分解された栄養素は軟らかくなることによって消化吸収がしやすくなります。
腸内環境を整える
麹は酵素によってオリゴ糖を作り出します。
オリゴ糖は腸内において善玉菌の餌となって善玉菌を増速させるため、腸内環境を整え、排便コントロールや免疫力強化の効能が得られることに期待があります。
まとめ
麹についてまとめます。
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日本の伝統食や調味料に使われる麹は、プロバイオティクスとして腸内環境改善に重要な働きがあります。
麹を使った商品を選ぶ際は、原材料をよく確認し、出来るだけシンプルで自然なものを選びましょう。