こんにゃくはサトイモ科の植物であり、その球茎から加工して作られた食品です。
こんにゃく芋はミャンマーやマレーシア、タイ等の東南アジアが原産と言われています。
日本には縄文時代に伝えられたとのことですが、渡来説には諸説があるようです。
こんにゃくは低カロリーで食物繊維が多く含まれている為、「胃のほうき」や「おなかの砂卸」と呼ばれています。
そして現在では、米や麺類の低カロリーな商品のバリエーションが次々と増えて、スーパーや通販で購入出来るようになっています。
こんにゃくには黒こんにゃくと白こんにゃくがあります。黒こんにゃくには生芋を使い、白こんにゃくには精粉を使っている為、それぞれ色の違いが異なります。
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8割がグルコマンナン
こんにゃくの成分と言えば、食物繊維が注目されます。こんにゃくの8割はグルコマンナンという水溶性食物繊維からなっています。
しかし、こんにゃくに加工するとグルコマンナンはアルカリ処理をすることによって非水溶性食物繊維となり、体内に入ると水に溶けにくくなります。
グルコマンナンは腸内に入って分解されるとオリゴ糖を生成します。
その為、腸内ではプレバイオティクスとして善玉菌を増やしたり、便のかさをふやす役割があることが言えます。
更に腸内の不要物質や老廃物の排泄を促す為、腸内環境を整える働きがあると言えます。
食べるダイエット食品
こんにゃくは100gあたり7kcalと低カロリー食品であり、難消化性多糖類であることから、低GI食品です。
その為、食欲はあるけどダイエットをしなければならない人にとって救世主であり、料理に合わせることによって、殆どカロリーアップせずに食事のかさを増やせるため、低カロリーで満足感を味わえるという利点があります。
こんにゃくは白和えや煮物等の和風料理に使われますが、炒め物に使ってかさを増す調理方法にも活用出来ます。
カルシウムが含まれる
こんにゃくにはカルシウムが案外含まれています。
カルシウムの含有量は卵と同じくらい含まれています。
カルシウムは骨や歯を作る働きがありますが、マグネシウムやビタミンK、蛋白質、ビタミンC、コラーゲン等の栄養成分と一緒に摂ると本来の効能を発揮します。
セラミドが含まれている
こんにゃくにはセラミドが含まれていることが知られるようになったとのことです。
セラミドとは肌の角質を密着させるための成分です。
肌が密着していることによって肌の乾燥を守り、肌からの細菌の侵入を防いでくれています。
摂取上の注意点
美容に良いことが知られるようになったこんにゃくですが、乳幼児や高齢者に提供すると気や、腸管トラブルを起こしている時は注意が必要です。
喉を詰まらせる危険性
咀嚼嚥下機能が発達していない乳幼児や咀嚼嚥下機能が低下している高齢者には誤飲を起こす危険性があります。
特に咀嚼嚥下機能が弱い場合は摂取を避けたほうが安全です。
大きくカットされているものは喉を詰まらせる為、命取りになり兼ねませんし、細かく刻んであっても誤って気管に入ると肺炎を起こしてしまいます。
肺炎を一度起こしてしまうと、時々発熱の症状を起こし、絶食しなければならない状況を作ってしまいます。食事を摂らないことによって衰弱化してしまい、重度化を招いてしまいます。
そして重症化とともに栄養状態の悪化も招き、筋力低下や皮膚の創傷、貧血等の症状を起こしてしまいます。
最終的には発熱を繰り返すことによって経口摂取が出来なくなり、「食事」という一番の生き甲斐を失ってしまうことになります。
咀嚼機能が「歯茎で潰せる硬さ」が可能なレベルであれば、介護食用の製品が販売されているので、このような商品を活用してみるのも良いでしょう。
腸閉塞
こんにゃくには不溶性食物繊維のような働きがある為、腸閉塞に罹っている場合は摂取を控えます。
腸閉塞を起こしていると腸管が閉塞したり、神経障害によって腸管が正常に機能しなくなる症状が見られます。
不溶性食物性繊維の摂取によって腸管を詰まらせる危険性があり、腸管を詰まらせると腹部膨満や嘔吐の症状を起こすことがあります。