バリア機能として外部刺激から肌を守る「セラミド」

セラミドとはスフィンゴシンと脂肪酸がアミド結合した化合物の総称であり、細胞膜に存在しています。

細胞膜においてセラミドは、神経や脳、骨、骨髄、肝臓等に存在し且つリン脂質の一つであるスフィンゴミエリンを構成しています。

また脂質二重層という二層の薄いリン脂質を構成する働きもあると言われています。
セラミドは細胞同士を繋ぎとめる働きがあります。





 

バリア機能

肌は本来、ゴミや乾燥等の外部刺激から肌を守る働きが備わっています。

つまり、肌は本来「セラミド」というバリアによって守られており、肌荒れを防止しています。

このセラミドの働きによって潤いを保ち、乾燥や荒れから守り、きめ細かい肌を維持しています。

セラミドが不足すると、バリア機能が働かなくなる為、乾燥性敏感肌となり、荒れやカサツキが目立つようになります。

 

セラミドの合成

セラミドはセリンと、セリンパルミトレイルCoAが酵素の働きによって産生されます。

産生されたセラミドはスフィンゴミエリン合成酵素とグルコシルセラミド合成酵素によってスフィンゴミエリンやグルコシルセラミドに変換され、コレステロールやリン脂質等とともに顆粒細胞内に貯蔵されます。

貯蔵後、顆粒細胞から角質細胞に分化される時に、スフィンゴミエリンやグルコシルセラミドは細胞外に放出され、スフィンゴミリエナーゼやβグルコセレプロシダーゼが働きかけてセラミドとなります。

この時にマグネシウムが働きかけることから、セラミドの合成にマグネシウムを必要とします。


 

セラミドを含む食品

セラミドは一部の食品にも含まれています。

セラミドを含む食品には米、小麦、大豆、こんにゃく、牛乳、小豆、そば、海藻類、ごぼう等に含まれています。

これらセラミドを含む食材を摂取すると、腸管から吸収される時にスフィンゴシン、糖、脂肪酸に分解されます。

この中のスフィンゴシンが細胞の角質層に作用することによって、肌の水分が保たれるようになるといわれています。

これらに加えて抗酸化作用や血行促進作用のある食品と一緒に摂取すると、セラミドの生成を助けることによって効能を助長することが考えられます。

セラミドの1日あたりの必要摂取量は600μgと言われており、この量を食品から摂ることはあまり現実的ではありません。
 

セラミドが不足する原因

セラミドを減らしてしまう食習慣はジャンクフードやインスタント食品、マーガリンやショートニングを含んだ食品を含んだ食品を日常的に摂取していることです。

リノール酸は訂正範囲内ならLDLコレステロールを減らし、HDLコレステロールを増やす働きがあり、メラニンの生成抑制、炎症抑制、保湿力アップの効能があると言われます。

リノール酸は特に意識して摂らなくても必要量が摂れる為、寧ろ過剰摂取の方が懸念されるものであり、αリノレン酸とのバランスが悪くなると体質劣化を起こし、アレルギー体質を引き起こしやすくなります。

更に摂り過ぎはリノール酸の効能が逆効果となってしまい、生活習慣病まで引き起こしてしまいます。

ジャンクフードやインスタント食品はもともとリノール酸を主に含む脂肪が使われ、更に油が酸化している為、油そのものが劣化しています。

これらとマーガリン、ショートニングにはトランス型脂肪酸が含まれています。トランス型脂肪酸は細胞膜を硬くして、良質な脂肪の働きを阻害します。

動物性脂肪よりも循環器系疾患を起こすリスクが高く、エネルギーとしても利用されないというデメリットしかない油です。

この油によってセラミドが減少し、肌の乾燥や荒れ、老化を引き起こしてしまいます。

ジャンクフードやインスタント食品に頼った食習慣はアレルギー体質の原因となる為、当然肌にも良くありません。

このような食生活を送って高い化粧品を使ったり、サプリメントでセラミドを補っても、中々肌のトラブルは解消出来ないでしょう。

 

まとめ

サプリメントによる効能を期待したいのであれば、食習慣を正すことが基本となります。

あっさりした和食のメニューを中心に、一汁三菜を守り、野菜やきのこ類、海藻類を積極的に取り入れていくことです。

美容と健康は紙一重であり、食生活や運動習慣、生活リズム、ストレス対策を正しく行うことによって若さや健康、身体が本来持っている自然治癒力や免疫力を発揮出来るといってよいでしょう。

 
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