グレープシードオイルとはブドウの種子を圧搾して取り出したオイルを脱酸、漂白、脱臭の行程を経て作られます。
グレープシードオイルは消化が良く、リノール酸、リノレン酸、オレイン酸が含まれており、中でもリノール酸が豊富に含まれています。
また、ブドウの種子に含まれるポリフェノールの一種「プロアントシアニジン」という成分が含まれているという特徴があります。
Table of Contents
グレープシードオイルの栄養
グレープシードオイルには、オレイン酸、リノール酸、プロアントシアニジンが含まれます。
グレープシードオイルにはどのようなメリットがあるのかというと、次の点が挙げられます。
|
生活習慣病や認知症の予防
リノール酸にはLDLコレステロールを減らす働きがある他に、血圧や血糖値を下げる働きもあります。
その為、心疾患や脳血管疾患等の生活習慣病予防に効果的であることが言えます。
リノレン酸には腸内において悪玉菌を減らして善玉菌を増やす働きがあり、腸内環境改善作用があると言われています。
リノール酸は脳内物質の一つであり必須脂肪酸でもあるアラキドン酸を産生します。
その為、記憶力や言語能力を高め、成長期のお子様に必要である上、認知症予防にも役立てます。
プロアントシアニジンによる抗酸化作用
グレープシードオイルは抗酸化作用のあるプロアントシアニジンというポリフェノールが含まれています。
ポリフェノールは赤ワインに豊富に含まれており、赤ワインの抗酸化力が注目されたのはプロアントシアニジンによるものとされています。
このプロアントシアニジンの抗酸化作用はビタミンEよりも強いと言われています。
抗酸化作用によって動脈硬化や心疾患、脳梗塞、癌の予防や浮腫み防止に役立ち、紫外線から肌を守る事によって老化予防が期待出来るのです。
マッサージオイルとして
グレープシードオイルは食用の他にもマッサージオイルとしても活用出来ます。
お好みのエッセンシャルオイルを加えてマッサージをすると、オイルが肌になじみ、エッセンシャルオイルの効果や肌に潤いをもたらします。
また、ヘアオイルとしても活用出来ます。
注意点
グレープシードオイルの脂肪酸の殆どはリノレン酸が占めている為、熱に弱いという欠点があります。
オリーブオイルの代わりに使う場合もありますが、オリーブオイルはオレイン酸が含まれていることから熱による変性を防ぐことが出来ます。
リノレン酸は加熱するによってトランス型脂肪酸に変性してしまいます。
トランス型脂肪酸は百害あって一利なしの脂肪であり、栄養になるどころか脂溶性ビタミンの働きを妨げたり、血管壁をもろくするなど、動物性コレステロールよりも厄介な存在です。LDLコレステロールよりも脂質異常症や動脈硬化のリスクが高い油です。
加熱によってトランス型脂肪酸に変性してしまうリスクに加え、リノレン酸の過剰摂取は却って身体に害を与えてしまいます。
必須脂肪酸であるαリノレン酸とリノール酸は摂取比率が1:1~3が理想となっています。
ところが、リノール酸に偏ってしまうとこの比率が崩れてしまいます。
体質劣化、アトピー
リノール酸の割合が増えてしまうと、体質が劣化してしまいアレルギー体質になりやすくなってしまいます。
アレルギー体質になると生まれてくる子供がアトピーになるリスクが高くなります。
生まれてくる子供がアトピー症状によって痒さで苦しんだり、アレルゲン除去食によって食べ物が制限されるという辛さを味合わないためにも、積極的にαリノレン酸を含む食品も摂る事が必要です。
生活習慣病
リノール酸はLDLコレステロールを減らしたり、血圧や糖尿病に良いと言われていますが、摂り過ぎは却って逆効果となってしまいます。
寧ろ善玉コレステロールを減らしてしまい、脂質異常症、動脈硬化、脳梗塞、心疾患のリスクを高めてしまいます。
炎症体質へ
リノール酸は摂り過ぎると炎症作用の物質が産生され、炎症を起こしやすい体質となってしまいます。慢性的に炎症が続くと癌を引き起こしやすくなります。
また、炎症を起こしやすいということは肺炎を起こしやすくなります。
誤嚥によって肺に食物が入った時に特に肺炎が起こりやすくなります。
肺炎は繰り返し起こされ、発熱を伴い、経口摂取が遠ざかる原因となります。
経口摂取が出来なくなると食べる楽しみを失うとともに、生き甲斐も失ってしまいます。
また体内に炎症反応が起こると身体の栄養状態の悪化してしまいます。
特に身体を動かせない高齢者においては褥瘡の原因となりやすく、炎症反応を起こしCRP値が高くなると、皮膚の創傷を治す為の治療をあらゆる面から根気強く行っていかなくてはなりません。
皮膚の創傷を治療するには体位の工夫や処置方法、薬剤等も関わりますが、早く治す鍵を握っているのは口から食べることです。
肺炎が酷くなって経口摂取が困難になり、更に消化管が使えなくなることによって点滴からの栄養補給を行う場合、傷の治療が困難となり、栄養療法による治療手段を失い、患者様本人が痛い思いをすることとなってしまいます。
まとめ
グレープシードオイルについてまとめます。
|
グレープシードオイルは癖がなく使いやすい油ですが、開封したら出来るだけ早く使い切って酸化させないようにすることです。
もし、開封後に臭いが気になる場合は処分した方が安全です。
製造工程においても化学溶剤で抽出する場合は高温にする必要がある為、トランス型脂肪酸が含まれていることが否めません。
食用として使う場合はドレッシング等の非加熱調理に使うか、美容オイルに使う方がお勧め出来ます。