チアシードはスーパーフードとして言わずと知れた存在となっています。
食物繊維やミネラルが豊富であり、抗酸化成分が含まれている上にアミノ酸スコアにも優れています。
健康の為にスーパーフードを取り入れていきたいと考えている方もいらっしゃると思いますが、チアシードはどのような時の栄養補給に適しているのか見ていきましょう。
Table of Contents
チアシードとは?
チアシードは中米のメキシコの中部を原産として、メキシコなどの中南米で栽培されているシソ科の一年草のチアの種子です。
古代アステカ王国では、チアの種子はアマランサス、ポロト、トウモロコシなどとともに、主食として栽培され、食用に利用されていました。
種子は茶色ないし黒色で直径2mmほどの小さな楕円形をしたゴマのような種で、蛋白質が20%、脂質34%、食物繊維が25%含まれています。
チアシードの栄養
チアシードの特徴は、浸水させると種の周りがゼリー状になって膨らみ、かさが約10倍になることです。このゼリー状の部分は食物繊維なのです。
チアシードにはスレオニン以外のアミノ酸、αリノレン酸、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄分、銅、セレン、食物繊維が含まれています。
チアシードには以下の健康効果に期待があります。
|
循環器疾患予防
チアシードには血液を健康にすると言われます。
チアシードに含まれる脂肪酸は必須脂肪酸のαリノレン酸であり、オメガ3脂肪酸の一つであります。
αリノレン酸は体内でEPAやDHAに変換され、血液中の中性脂肪やLDLコレステロールの値を低下させるので、血液をサラサラにし、生活習慣病の予防に役立ちます。
αリノレン酸は血の巡りを改善する働きもあるので、冷え対策にも良いとされています。
チアシードにはカリウムが含まれ、カリウムは血液中のナトリウム量が増えると排泄を促し、ミネラルバランスを整えることによって血圧が正常になるように調節します。
チアシードに含まれるミネラルのうちのセレンは抗酸化作用が非常に高いと言われています。
抗酸化作用は血液中の中性脂肪やLDLコレステロールの酸化を防ぐことによって血管トラブルを未然に防ぎます。
つまりチアシードは、高血圧症や脂質異常症の予防に良い食品である上に、動脈硬化や心疾患、脳血管疾患予防に役立つと言えるのです。
アミノ酸組成に優れている
チアシードにはスレオニン以外の必須アミノ酸が含まれています。
殆どの必須脂肪酸が含まれ、体組織の材料や健康な身体作りに必要な蛋白源となり、動物性食品が苦手な方の代替えとしても活用出来ます。
そして、チアシードといえば蛋白質が含まれます。
植物性食品にも関わらず、アミノ酸組成に非常に優れ、筋肉の形成に関わる分岐鎖アミノ酸であるロイシン、イソロイシン、バリンも含まれます。
筋肉の合成に関わるビタミンB6も含まれているので、チアシードは筋肉合成を支える食品であることが言えます。
蛋白質は100gあたり20g含まれています。
但し、チアシードの一日あたりの摂取量は10g位が適度なので、他の食品から蛋白質を摂って、チアシードで筋蛋白の合成を助長する、と考えても良いでしょう。
腸内環境改善、生活習慣病予防
チアシードのゼリー状の部分は食物繊維が豊富に含まれています。
不溶性食物繊維も多く含まれていますが、ゼリー状の部分のグルコマンナンには水溶性食物繊維が含まれています。
不溶性食物繊維はプレバイオティクスで善玉菌の餌となりますので、発酵食品と一緒に摂取すると、腸内環境が改善されることに期待があります。
水溶性食物繊維にも腸内環境を改善する働きがあり、食物繊維を摂ることによって便秘や下痢の改善、免疫力アップ、体質改善、美容など腸内環境改善に関わる効果に有効的と言えます。
不溶性食物繊維は中性脂肪やコレステロールの排出及び血糖値の上昇抑制など、生活習慣病の予防の役立ち、不溶性食物繊維は血液中の余分な糖分や中性脂肪、コレステロールを排出させます。
チアシードは水分を含むと10倍に膨らみ、満腹感を得られることが出来ます。
この満腹感が摂取カロリーを抑え、肥満予防に期待されるのです。
チアシードは食物繊維が豊富なことから、腸内環境改善の他にも糖尿病や肥満、脂肪肝、胆石症等の生活習慣病予防に役立てると言えます。
チアシードには、三大栄養素の代謝に関わるビタミンB1、B2、B6が含まれます。
運動時に、体内の糖分や体脂肪がエネルギーとして利用されるので、疲労を抑制しながら効率的に有酸素運動が行えるようにサポートします。
糖分や脂質がエネルギーとして利用されれば、ダイエットに繋がっていきます。
骨形成
チアシードは、ミネラルのなかでもカルシウムが豊富に含まれます。
カルシウムは、骨や歯の材料となる栄養成分です。
そしてマグネシウムも含まれます。
マグネシウムは、カルシウムを骨や歯に定着させます。
この為、チアシードは骨や歯を強くすることに関与します。
造血作用
チアシードには、鉄分、葉酸、銅が含まれます。
鉄分は、赤血球の材料となり、葉酸わ赤血球の合成に関わります。
そして、銅は、鉄を代謝することによって吸収を促します。
その為、チアシードは、貧血の予防や改善に良い食品であることが言えます。
抗ストレス
チアシードはカルシウムが豊富含まれています。
カルシウムは、このストレス社会に欠かせない栄養成分です。
つまり、カルシウムには、イライラや興奮を抑制する作用があると言われ、ストレスに対する耐性を強くします。
チアシードには、セロトニン生成に関わるトリプトファン、ビタミンB6、マグネシウム、鉄分が含まれています。
そして、マグネシウムもメンタル面に大きく寄与する栄養素であり、神経興奮抑制作用や筋肉の緊張を緩和すると言われます。
マグネシウムはリラックス成分であるGABAの働きを持続させます。
オメガスリー脂肪酸にもメンタル面が関わり、鬱状態を軽減させると言われます。
このことから、チアシードは、心機能を安定させる食品の一つであると言えるのです。
男性の悩み、出産
チアシードには、亜鉛が含まれています。
亜鉛は、男性の悩みである、薄毛や円形脱毛症の改善に役立ちます。
亜鉛は、精子や精液の材料となることから、男性由来の不妊症にも役立ちます。
チアシードにはセレンも含まれ、セレンは亜鉛同様に精子の材料となります。
チアシードには、葉酸も含まれています。
葉酸は、核酸の合成に関わるビタミン類であり、妊娠中において胎児の成長をサポートします。
つまり、チアシードは出産のための栄養源としても活用出来るのです。
注意点
チアシードを摂る時は乾燥したまま食べないようにしましょう。
乾燥したまま食べてしまうと、胃の中の水分をチアシードが吸い込んでしまい、胃を荒らしてしまう恐れがあります。
また40度以上の熱を加えてしまうと、折角豊富に含まれているチアシードの栄養成分が壊れてしまいます。
チアシードは10倍の水で12時間、常温の水で浸水してから、且つ熱いものと混ぜずに召し上がりましょう。
1日あたりの目安摂取量
チアシードの1日あたりの目安摂取量は10~12gです。
あまり沢山摂ってしまうとお腹がゆるくなります。
チアシードには発芽抑制因子として働くアブシジン酸という成分が含まれており、植物の発芽を調整しています。
これらの因子がエネルギー代謝に必要な体内のミトコンドリアに影響を与えると言われていますが、1日の目安摂取量を守る範囲なら心配ないようです。
まとめ
チアシードの健康効果についてまとめます。
|
チアシードは噛んで食べるとチアシードの豊富な栄養成分の吸収が良くなりますが、その代わりカロリーも取り込まれます。
殆ど噛まない場合は、カロリーを抑えることが出来ますが、栄養成分の摂取量も下がってしまいます。
栄養を優先するか、それとも食事摂取量を抑えることを優先するのか、目的に合わせて噛むか噛まないかの選択をするとよいでしょう。