寒天は水ようかんやあんみつ等の和菓子やところてんに使われていることが知られています。
寒天の歴史は実はところてんより古いと言われています。
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寒天の歴史
寒天は江戸時代の前期に、山城国紀伊郡伏見御駕籠町(現在の京都府京都市伏見区御駕籠町)の旅館「美濃屋」を営んでいる美濃太郎左衛門が発見したことが寒天のはじまりといわれています。
当時、真冬にところてんを戸外に置き忘れたた、ところてんが凍結し、日中に水分が溶けて、その後日を経たあと乾物状となり、試しに溶かしてみたところ、とろこてんよりも白く海藻臭さがなかったことによって「寒ざらしのところてん」として寒天が誕生されたと言われます。
この寒天は精進料理の食材としても活用出来ると推奨されていたそうです。
じつは寒天よりところてんの方が古い歴史をもっています。
ところてんは中国から伝わったそうで、奈良時代に記された正倉院の記録に登場しているとのことです。
寒天の栄養
寒天はテングサやオゴノリからの海藻類から作られています。
寒天は食物繊維が豊富な上にノンカロリーという生活習慣病予防やダイエットに嬉しい食品です。
その為、次のような効能に期待があります。
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不溶性、水溶性の両方の食物繊維を含む
寒天には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方を含みます。
不溶性食物繊維は腸の蠕動運動を促し、排便を促します。
そして善玉菌の餌となることによって善玉菌の数を増やし、腸内環境を改善します。
その為、腸内に溜まった老廃物を排泄しする働きや排便コントロール効果、腸内環境改善による太りやすい体質の改善や免疫力アップ等の効果に期待があります。
不溶性食物繊維には腸管からの余分な糖の吸収を抑える働きがあります。
糖の吸収が抑えられると血糖値の上昇や中性脂肪が体内に蓄積されることを防いだり、糖の吸収阻害により脂質異常症予防、肥満予防等、様々な効用が得られることが言えます。
水溶性食物繊維は、腸管からの糖の吸収抑制及び、体内の余分なLDLコレステロールや中性脂肪を排出する働きがある為、生活習慣病予防効果に期待が出来ます。
水溶性食物繊維にも不溶性食物繊維同様に腸内環境改善効果作用があると言われています。
また、ノンカロリーで満腹感が得られる為、食事前に食べると食べ過ぎ防止や糖分の吸収抑制効果によって、肥満予防効果に期待があります。
寒天独自の「アガロペクチン」
寒天にはアガロペクチンが含まれています。アガロペクチンは寒天にしか含まれていない成分です。
アガロペクチンには血圧を下げる作用、血液をサラサラにする作用、LDLコレステロールを下げる作用があると言われます。
その為、高血圧や脂質異常症、動脈硬化の予防に期待があります。
アガロペクチンには美容効果もあると言われます。
アガロペクチンには紫外線による肌のダメージから守る働きがある為、シミやシワの予防により老化防止が期待されます。
ゲル化剤
寒天は液体をゲル化させることにも利用されます。ゲル化に用いられるものには寒天、アガーがあります。
因みにアガーとアガロペクチンは違うものになります。
この3つの違いを表にまとめておきます。
項目 | 寒天 | アガー | ゼラチン |
原材料 | 天草 オゴノリ |
カラギーナン | コラーゲン (牛や豚の皮由来) |
融解温度 | 90℃以上 | 90℃以上 | 50~60℃ |
色 | 白い | 無色透明 | 薄い黄色 |
透明感 | 無し | 有り | 有り |
食感 | 歯切れ良い べとつきなし |
軟らかい なめらか |
プルプルしている 口溶け良い |
使用例 | ところてん 水ようかん 杏仁豆腐 煮凝り等 |
ゼリー プリン 水ようかん等 |
ゼリー プリン マシュマロ ババロア等 |
注意点
寒天を摂る際は以下の点に注意します。
摂りすぎは便秘に
寒天は水溶性食物繊維及び不溶性食物繊維も含まれており、ダイエットや健康効果に期待のある食品です。
しかし食べすぎてしまうことも却って腸内環境を乱します。
寒天を食べる時は水分も一緒に摂ることです。
水分が不足することによって便が吸い込むべき水分が寒天に吸い込まれてしまうため、水溶性食物繊維としての機能が働かなく、腸内で便を円滑に排泄出来なくなります。
冷えによる様々な不調
摂りすぎは身体を冷やしてしまいます。
身体を冷やすことによって血の巡りが悪くなり、身体が浮腫みやすくなります。
特に女性は冷えによってホルモンバランスの崩れに繋がり、婦人科系のトラブルを起こしやすくなります。
また、寒天は食物繊維が多いことから、摂りすぎは却って排便を促してしまい、更に身体が冷えると下痢を起こしやすくなります。
まとめ
寒天に期待する健康効果は以下の通りです。
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寒天の薬膳効果は水毒を直し、身体を冷やすと言われています。
それは寒天の持つ栄養成分そのものの働きと言えるでしょう。