ワカメはコンブ科の海藻です。ワカメは日本の特産海藻で日本人にとって身近な食品
です。
わかめの美味しい時期は3~5月の春頃が風味、食感共に良いと言われています。
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ワカメの歴史
日本人に親しまれているというワカメの歴史は大変古く、縄文時代から食用として食されてきました。
ワカメの名前の由来は、「若い芽」と食べられる海藻という意味を指す「芽」が語源となってワカメと名付けられています。
ワカメには部位によって呼び方が異なります。通常ワカメと呼んでいる部分は軟らかい葉の部分のことを指し、厚い葉の部分をめかぶと呼んでいます。
そして中心の茎の部分を茎ワカメと呼んでいます。
ワカメの栄養
ワカメはビタミン、ミネラルが豊富に含まれ、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マンガン、リン、鉄、亜鉛、銅、セレン、モリブデン、クロム、ヨウ素、フコイダン、アルギン酸、クロロフィル等を含みます。
ワカメには次の健康効果に期待があります。
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骨形成
ワカメには骨を作る栄養として、カルシウム、マグネシウム、リンが含まれています。
カルシウム、リンは骨や歯の材料となり、マグネシウムはカルシウムを骨に定着される働きがあります。
ワカメには、ビタミンKも含まれます。
ビタミンKには骨芽細胞を形成する働きがある為、カルシウムはマグネシウムとともに骨を丈夫にする働きがあります。
その為、骨粗鬆症予防効果や骨折による怪我の治りを早める効果に期待があります。
ヨウ素には成長促進作用があることから、骨の成長をサポートします。
皮膚や髪を美しくする
海草類にはヨウ素が含まれています。
ヨウ素にはエネルギー代謝を促進する働きをはじめ、成長促進、皮膚や髪、爪の健康を維持します。
ビタミンB2は粘膜の生成に関わり、皮膚や髪、爪の健康を維持する役割があります。
亜鉛や葉酸は細胞分裂に関わることから傷の治癒を早め、ビタミンC、鉄分はコラーゲンの生成に関わります。
ビタミンCは抗酸化作用やメラニン生成抑制の働きがあることから、紫外線のダメージから皮膚を守ったり、シミやそばかすを目立たなくすると言われます。
海藻類にはムコ多糖類が含まれ、肌の保湿や関節の動きを滑らかにすると言われています。
ワカメは皮膚や粘膜、爪等、身体の組織を若返らせ、傷の治癒を早めたり、コラーゲン生成にも関与していると言えます。
エネルギー代謝
ワカメにはビタミンB群が含まれ、三大栄養素の代謝に関わります。
ビタミンB1とマグネシウムは糖分をピルビン酸に変換し、ピルビン酸はビタミンB1によってピルビン酸に変換され、クエン酸回路による有酸素運動によるエネルギー代謝経路に入ります。
クエン酸回路のエネルギー代謝においてビタミンB2は補酵素の一つとして利用されます。
ヨウ素にはエネルギー代謝を高める働きがあると言われます。
運動時において糖分や体脂肪をエネルギーに変換されることに関わる為、疲労を抑制しながらエネルギー代謝を促進すると言えます。
癌治療効果に注目されている
フコイダンは癌治療効果がある成分として注目されています。
フコイダンにはアポトーシス機能があり、フコイダンが癌細胞に直接接触することによって癌細胞のDNAを破壊して癌細胞を自滅させます。
このアポトーシス機能にはもう一つの経路があり、癌細胞の表面に穴を開けて直接攻撃するものもあります。
ビタミンCはNK細胞を活性化させることから、癌細胞の増殖を抑えたり、癌を予防することに期待があります。
ただ、癌治療の有効性は癌の進行度合いや患者様の身体状況や服薬状況によってそれぞれの為、一律に効果があるという保証はありません。
初期のうちなら可能性は完全にないとは言い切れませんが、もっと大切なのは癌や生活習慣病の原因となるような食生活を送らないことと、ストレスケアを行って予防に努めることです。
薄毛対策
海草類に含まれているフコイダンには「FGF-7」という髪の成長を助ける働きがある成分があり、毛母細胞に働きかけることによって髪の生成や成長を促す効能があると言われます。
ワカメには亜鉛が含まれ、亜鉛は薄毛や円形脱毛症の予防や改善効果に期待のある成分です。
強いデトックス作用
アルギン酸には不溶性食物繊維としての働きと水溶性食物繊維としての働きがあります。
その為、善玉菌の餌としての働きや、短鎖脂肪酸の働きよって大腸内のPHを弱酸性にするというそれぞれの働きから、腸管内を善玉菌優位にします。
水溶性食物繊維とマグネシウムによって便に適度に水分を含ませたり、不溶性食物繊維の作用によって便のかさを増やし、腸の蠕動運動を促して、腸管に溜まった老廃物の排泄を促します。
ワカメを含め、海藻類全般にはクロロフィルが含まれ、クロロフィルには腸管内に溜まった有害物質や重金属を排出することから、強いデトックス作用に期待があります。
クロロフィルの強いでデトックス効果によって消臭効果にも効果的とのことです。
生活習慣病予防
ワカメは食物繊維が含まれていることから、腸管からの余分な糖分の吸収を抑制します。
また、血液中の余分なLDLコレステロールや中性脂肪を排出する働きがあると言われています。
ヨウ素にはエネルギー代謝を促進する働きがあることから肥満予防に良いと言えます。
ワカメにはナトリウム、カリウムが含まれ、電解質の均衡を図り細胞を正常な状態に守っています。この為、筋無力感や不整脈を予防するとされています。
カリウムは血液中のナトリウム濃度が高くなると、余分なナトリウムの排出を促すため、血圧を正常に調節すると言われます。
その為、糖尿病をはじめ、肥満、脂質異常症、高血圧症、動脈硬化、心疾患、脳血管疾患等の生活習慣病予防効果があることが言えます。
出産をサポート
ワカメに含まれている葉酸には核酸の合成という働きから、細胞分裂を正常に行うために必要となります。
その為、胎児が正常に成長する為に葉酸は利用され、妊娠中の方にとって重要な栄養素となります。
ワカメには亜鉛も含まれ、亜鉛や精子や精液の材料となることによって、男性由来の不妊症改善に役立ちます。
鉄欠乏性貧血
ワカメには鉄分が含まれ、鉄分は赤血球の材料となります。
銅やビタミンCは鉄代謝に関与し、二価鉄を三価鉄に還元することによって鉄の吸収を促します。
注意点
ワカメを摂取するときは、次の点に注意します。
腎機能低下
ワカメにはカリウムが多く含まれています。
腎機能が低下し、尿からの排泄が困難となると、通常尿中に排泄される筈のカリウムが排泄量低下により体内に蓄積されやすくなります。
血中カリウム濃度が上がり過ぎてしまうと、不整脈を起こし、最悪の場合は心不全を起こして死に至る危険性があります。
その為、腎機能があまり良くない場合は、摂取量を控えると良いでしょう。
ヨウ素の過剰摂取
ワカメを含む海草類は、過剰摂取するとヨウ素の摂取量をオーバーしてしまうことがあります。
ヨウ素の過剰摂取は甲状腺機能を正常に働かせなくなくなり、バセドウ病の原因と
なります。
抗血栓剤服用
ワーファリン等の抗血栓薬を服用している場合は薬の効力を弱めてしまう場合があります。
一度に大量摂取することは避け、摂取する場合はほんの少量に留めておきましょう。
まとめ
ワカメについてまとめます。
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ワカメは日本人にとって馴染みの深い食品なので、味噌汁をはじめ、和食の献立に沢山活用出来ます。
和食に用いる調味料は、醤油や味噌、酢等の発酵食品が用いられ、腸内環境の観点からも、ワカメと和食の相性はとても良いことが言えます。