オレイン酸豊富な森のバター「アボカド」は生命の源と呼ばれる

アボカドはクスノキ科ワニナンシ属の常緑高木であり、一般的にアボカドと呼ばれるものはその果実を言います。

アボカドはメキシコと中央アメリカを原産とし、古代アステカ時代から「生命の源」と呼ばれ、珍重されてきました。

19世紀末にアメリカで栽培されるようになり、現在はアボカドの殆どがメキシコ、ニュージーランド、アメリカで生産されています。

アボカドは果実ですが脂肪分が多い為「森のバター」「バターフルーツ」とも呼ばれています。





 

アボカドの栄養

アボカドにはオレイン酸、αリノレン酸、リノール酸、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、CoQ10、カリウム、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維が含まれています。

アボカドには以下の健康効果に期待があります。

  • やせ型の糖尿病の方のカロリー補給源
  • 美容効果
  • 老化防止
  • 腸内環境改善
  • 癌予防
  • 循環器疾患予防
  • 糖尿病予防
  • 高血圧予防
  • 冷えや浮腫みの解消…等

 

痩せ型の糖尿病のカロリー補給源

アボカドには100gに対して187kcalものカロリーがあり、果物の中では一番高カロリーです。

しかし、アボカドに含まれる栄養組成は他の果実とは異なり、脂肪分が18~25%含まれていると言われます。

そしてアボカドの8割のエネルギーが脂肪を占め、そのエネルギーのうちのおよそ2/3がオレイン酸であり、残りはリノールやαリノレン酸、飽和脂肪酸から構成されています。

アボカドはこのように食品中の脂質の割合が多いことから、糖尿病の食品交換表では表5(脂質類)として分類されています。

通常果実は表2として糖質源として分類されています。つまり、カロリーは高いものの低GI食品として位置付けられ、やせ型の糖尿病の方にとって血糖値を上げずに摂取カロリーを底上げ出来る食品の一つであることが言えます。

 

美容成分が豊富

アボカドにはオレイン酸、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンE、ビタミンC、食物繊維、CoQ10等美容成分が多く含まれています。

細胞膜や皮膚の栄養及び老化防止

オレイン酸は細胞膜を作る働き及び皮膚に弾力を作る働きがあります。

オレイン酸及びビタミンA、ビタミンE、ビタミンCには抗酸化作用がある為、肌を紫外線から守ることによってシミやしわ、たるみを予防します。

ビタミンCはコラーゲン生成に欠かせない成分です。

抗酸化作用の直接的及び間接的作用

CoQ10にも抗酸化作用があります。

CoQ10には酸化型と還元型があり、抗酸化作用があるのは還元型の方です。還元型のCoQ10は直接的に働きかける時と間接的に働きかける時があります。

直接的に働きかける時はサブついた部分に直接サビ取りをします。

間接的に働きかける時は、サビ取りをして疲れたビタミンEを本来の働きが出来るようになるように戻していきます。

腸内環境改善

アボカドには食物繊維が豊富に含まれており、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の比率が1:2とバランス良く含まれています。

不溶性食物繊維はプレバイオティクスとして善玉菌の餌となって善玉菌を増殖させます。

腸内に溜まった老廃物の排泄を促したり、排便コントロール効果によって腸内環境が改善され、美容効果が高まったり、免疫力が強化されたり、太りやすい体質が改善される等の効果が期待されます。

水溶性食物繊維は主に生活習慣病予防としての働きがありますが、便秘解消の効能も持っています。

オレイン酸には便を軟らかくして便の通りを良くする働きがある為、更に腸内環境改善効果を高めることが言えます。

 

抗酸化作用

アボカドに含まれるオレイン酸や抗酸化ビタミンには抗酸化作用があることから、活性酸素の産生を抑え、コレステロールの酸化を抑制します。

これによって血管壁がLDLコレステロールや中性脂肪によって傷付けられるのを抑える為、傷によってアテロームが形成させることを予防し、動脈硬化の予防に役立つと言えます。

動脈硬化の予防によって心筋梗塞や脳血管疾患の予防に繋げられます。

また、抗酸化作用は癌予防にも役立ちます。




 

高血圧や糖尿病の予防

アボカドの脂質の多くを占めるオレイン酸は悪玉コレステロールを除去し、善玉コレステロールを増やす働きがあります。

リノール酸にはLDLコレステロール、血圧、血糖値を下げる作用があります。
αリノレン酸はLDLコレステロール、中性脂肪、血圧を下げ、体内ではEPAやDHAに変換され、血液をサラサラにします。

カリウムにはナトリウム同様に電解質均衡、細胞の正常維持等の効能がありますが、体内に余分に溜まったナトリウムの排泄を促す為、血圧が正常範囲内に収まるように調整する働きがあります。

更にアボカドの食物繊維が腸管からの糖の吸収を抑え、血液中に余分となったLDLコレステロールや中性脂肪を体外に排泄します。

アボカドには抗酸化ビタミンやCoQ10が含まれていることによって抗酸化作用があることから、糖尿病、高血圧症、脂質異常症等の生活習慣病の予防効果に期待があることが言えます。

 

冷えや浮腫みの解消

アボカドにはカリウムが豊富に含まれています。

カリウムにはナトリウムの排泄によって、浮腫みを改善し、全身の血流を促す働きがあります。

血流が改善されることによって冷えや腰痛、肩こりの症状改善にも期待があります。

 

その他アボカドに期待する健康効果

このほかにもアボカドにはビタミンB群やビタミンKも含まれています。

ビタミンB群は三大栄養素の代謝に、ビタミンKは血液凝固作用や骨の形成に関わります。

 

注意点

アボカドを摂取する際に気を付けて欲しいことは、抗酸化作用があるからといって食べ過ぎは良くないことです。

骨をもろくする

ビタミンEの過剰摂取は出血傾向が強くなったり、破骨細胞を活性化させることによって骨をもろくしてしまいます。

カロリーオーバー

そして、アボカドは健康効果に恵まれているものの高カロリーな食品の為、沢山食べてしまうと、カロリー過多によって肥満を招いてしまいます。

腎不全末期

アボカドに含まれているカリウムには高血圧症に人にはお勧めの食材の一つですが、腎不全の方、特に腎不全が進行して排尿困難を起こしている場合は摂取を控えた方が寧ろ好ましいです。

カリウムが体内に過剰に蓄積すると、不整脈を起こし最悪の場合は心不全を起こして死に至らしめてしまいます。

 

まとめ

アボカドについてまとめます。

  • やせ型の糖尿病の方のカロリー補給源
  • 美容効果
  • 老化防止
  • 腸内環境改善
  • 癌予防
  • 循環器疾患予防
  • 糖尿病予防
  • 高血圧予防
  • 冷えや浮腫みの解消…等

アボカドは1日あたり1/2~1/4個が適正量となります。

美容効果に期待の多いアボカドですが、これ以上摂取してしまうと上述のような過剰摂取障害を起こすことが懸念される為、目安として摂っていただけると良いでしょう。

 





 

関連記事

最近の記事

  1. ダイエットをするのなら体重を40kg代前半になるまで落としましょう…という危険なダイエット

  2. 大豆の大量摂取が甲状腺に影響を及ぼす…ゴイトロゲンとは?

  3. 強い抗酸化作用が秘められる「チコリ酸」