和菓子に必ずといっていいほど使われている小豆は、沢山の栄養成分が含まれています。
蛋白質やビタミンB群、ポリフェノールと言えば思いつくのはダイエットと美容でしょう。
でも、小豆の健康効果を得るのなら、砂糖が入っていない方が望ましいのです。
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小豆は古くから食されてきた
日本へは3世紀頃から中国から伝来されたと言われていますが、縄文時代の遺跡から小豆の種子が発見されている程、古い時代から食用として用いられていたと考えられます。
小豆の種皮はえんじ色の他に、黒、白、灰、茶、斑点模様等と実はバリエーション豊富なのです。流通している多くは大納言の赤が主流となっており、一般的に出回っているものは中納言の系統です。
小豆の栄養と期待する効能
小豆というと和菓子に使われていて甘いから太るというイメージがありますが、糖分の他に蛋白質、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ポリフェノール(カテキン、シアニジン、アントシアニン)、イソフラボン、サポニン、カルシウム、鉄分、カリウム、マグネシウム、亜鉛、葉酸等が含まれており、砂糖不使用の場合、相当健康的な食品であることが伺えます。
このように栄養が豊富なことから、以下の効能に期待があります。
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エネルギー代謝
小豆にはビタミンB1、B2、B6が含まれていることから三大栄養素の代謝に関与していることが言えます。
糖質や脂質をエネルギーとして利用し、疲労抑制効果もあることからダイエットに良いと言われます。
そして小豆には蛋白質も含まれ、19種類のアミノ酸が含まれています。
筋蛋白合成に関わるビタミンB6も含まれていることから、脂肪燃焼しやすい身体を作る食品であることが言えます。
この話を聞くと和菓子が大好きな甘党の方にはとっても嬉しい情報の様に読み取れますが、あくまでもこの小豆の脂肪燃焼効果や体質改善効果を享受するのには、砂糖が入っていない小豆を摂取し、更に有酸素運動をすることによってこのような効能を得られることが言えるのです。
とは言っても市販の小豆(あんこ)は砂糖たっぷりの甘いものが殆どです。
食品売り場で運良く小豆の水煮(砂糖なし)に巡り合う事がありますが、カレーやポークビーンズ、チリコンカンなどの洋風煮込み料理に甘くない小豆は割と合うので、このように料理で活用してみると良いでしょう。
腸内環境改善
小豆には水溶性と不溶性の両方の食物繊維が含まれています。
不溶性食物繊維は腸の蠕動運動を促し、排便を促す働きがあります。
小豆にはオリゴ糖も含まれ、不溶性食物繊維とともにプレバイオティクスとして善玉菌の餌となったり、善玉菌を増やす働きがある為、腸内環境を改善し、腸内に溜まった不要なものの排泄を促す働きがあります。
その為、便秘解消等の排便コントロールの他、腸内環境改善によって得られる免疫力増強や体質改善効果を得られると言えるでしょう。
水溶性食物繊維には便を軟らかくする働きがあり、マグネシウムには便通を円滑にする働きもある為、これらの効能から小豆は便秘対策に良いとされています。
生活習慣病予防
不溶性食物繊維には腸管からの余分な糖分の吸収を抑える働きがあると言われます。
水溶性食物繊維は血液中の余分なLDLコレステロールや中性脂肪を排出する働きがあると言われます。
小豆には抗酸化作用による生活習慣予防効果に加え、サポニンによってアディポネクチンの分泌を促進し、インスリン感受性を高めて、血糖値の上昇を抑えます。
小豆には糖尿病や脂質異常症、高血圧症、動脈硬化、肥満、脂肪肝、胆石症等の疾病予防効果に期待があることが言えます。
ポリフェノールによる様々な健康効果
小豆の注目の成分と言えば抗酸化作用のあるポリフェノールです。
また、小豆にはサポニンも含まれ、サポニンにも抗酸化作用があると言われます。
抗酸化作用には血液中のコレステロールの酸化を抑制し、血管が傷つくことを防ぎ、動脈硬化や心疾患、脳梗塞等の予防の他、抗癌作用、紫外線から肌を守る働きがあると言われます。
カテキンには抗癌作用、糖尿病や脂質異常症及び肥満等の生活習慣病予防、殺菌作用、抗菌作用等があります。
シアニジン、アントシアニンには動脈硬化や心疾患等の循環器疾患予防、眼精疲労や白内障の予防、コラーゲン生成、花粉症予防等に関わりを持ちます。
小豆に含まれるポリフェノール含有量は赤ワインより多く、その効能は1.5~2倍もあると言われます。
浮腫み解消
小豆にはカリウムが豊富に含まれます。カリウムは体内に溜まった余分なナトリウムを排泄させる働きがある為、血圧を正常に保つと言われます。
このように排泄効果があることから、浮腫みの解消に繋がり、全身の血流を促進することから、冷え性にも良いとされています。
マクロビオティックでは小豆は腎臓を強化するのに良い食品と言われています。小豆の形は腎臓の形に似ており、臓器の形と似ている食品はその部分を強化すると言われています。
実際に小豆に豊富に含まれているカリウムが、ナトリウムの排泄を促し、老廃物の排泄促進や浮腫み防止の効用があることから、小豆は腎臓が健康なうちは腎臓機能を健康に保つ働きがあることが言えます。
骨粗鬆症予防に関与
小豆には骨や歯の栄養となるカルシウムが含まれている上に、カルシウムを骨に定着させる働きのあるマグネシウムも含まれている為、骨を丈夫にし、骨粗鬆症予防に役立てると言えます。
エストロゲン様作用
小豆にはイソフラボンが含まれ、更年期における不快な症状を軽減する働きや美容効果が得られると言われます。
ところが、この効能が得られるには個人差があるそうです。
イソフラボンは更に細かく分類され、そのうちのゲニステインが特に更年期障害や更年期症状、更年期による骨形成及び骨吸収のアンバランスによる骨量低下を軽減すると言われています。
更年期の症状は種類が数多く、症状も人によってそれぞれですが、ゲニステインの摂取によって骨粗鬆症予防やLDLコレステロール値の上昇抑制効果があると言われています。
ただ、大豆を摂取しても更年期における不調が改善されないケースもあります。
これはイソフラボンの中のダイゼインがエクオールを産生出来ないケースであり、このエクオール生産菌は持っている人と持っていない人がいます。
エクオールが産生出来ない場合はサプリメントで摂取する方法があります。
イソフラボンには美容効果もあると言われ、抗酸化作用によるシミやしわ、たるみの予防、肌のターンオーバー促進、肌の炎症予防、美白、コラーゲン増加等があります。
ところが、この美肌効果もエクオール生産をもっていない場合、これらの効能が発現されないと言われます。
貧血予防に役立つ
小豆には鉄分は葉酸等、造血に関わる成分も含まれています。
但し、大豆に比べると含有量が少ない為、大豆ほどの期待はないものの、貧血予防に役立てると言えます。
あずき茶として
小豆は「小豆茶」として飲用する摂取方法もあります。
小豆茶には食物繊維、サポニン、カリウム、ポリフェノール、ビタミンB1、B2、B6等の成分がお湯に流出される為、これらの健康効果が得られると言っても良いでしょう。
更にカロリー0なので太る心配もない上に、ノンカフェインなので就寝前の摂取の可能で、子供にも安心して飲ませることが出来ます。
どうしても甘い小豆が食べたい場合は?
どうしても小豆は甘いものが良い場合は、次の方法でヘルシーに仕上げます。
黒糖や甜菜糖を使って煮る
茹で小豆を自分で作れる場合は、小豆に使う甘味料を白砂糖ではなく、黒糖や甜菜糖、玄米水飴や麦芽糖を用い、自然塩で甘さの対比効果を活かして、市販のものより少しヘルシーな茹で小豆を作る方法もあります。
手作り甘酒の作り方を応用
炊飯器で作る甘酒の調理方法を応用し、茹で上がった小豆を60℃位に冷まして、小豆の煮汁と麹を加えて8~10時間発酵させる方法で甘味のある茹で小豆を作る方法もあります。
麹と一緒に作る時は通常の茹で小豆とは見た目が大きく変わりますが、甘さはしっかりしているので、ぜんざいなどに活用出来ます。
甘さがある上に麹の栄養も摂れ、麹は発酵食品であることから、更に腸内環境改善に良い小豆が出来上がります。
摂取上の注意点
小豆を摂る時は次の点に注意します。
腎機能低下
小豆は健康な人にとっては腎臓機能の悪化を抑制するのに向いている食品ですが、腎機能が悪化している場合は、蛋白質とカリウムの含有量が多いことから、寧ろ腎機能を悪化してしまいかねません。
特にカリウムにおいては、腎不全のステージが進むと排尿困難に陥り、それに伴ってカリウムも体内に蓄積されてしまいます。
血中カリウム濃度が上がると不整脈を起こすリスクが上がり、最悪の場合は心不全を起こして死に至る危険性もあります。
腸疾患
小豆は食物繊維が豊富なことから、腸疾患に罹っている場合も注意が必要です。
腸閉塞を起こしている場合は腸管の神経障害によって腸が働かなかったり、腸管の閉塞が見られることがあり、食物繊維によって腸管を詰まらせやすくなります。
また、腸管が炎症を起こしている場合や下痢気味の場合も控えておきましょう。
砂糖が入っているものは生活習慣病や便秘に
また、小豆には便秘やダイエット、生活習慣病の予防など、あらゆる効能に期待をされやすいですが、身体にいいからといって通常市販で売られている白砂糖入りのあんこや和菓子を大量摂取しては、太る上に糖尿病や脂質異常症、脂肪肝等に罹患するリスクを高めてしまいます。
また、白砂糖は胃や腸の蠕動運動を止めてしまい、消化管内に食品が停滞することによって、食品を腐敗させ、腸内環境を悪化させてしまいます。
まとめ
小豆の効能についてまとめます。
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小豆の栄養成分の効能を得られるには白砂糖が使われていないということが前提なので、市販の甘い小豆には健康効能はあまり期待しない方が良いでしょう。