ふきのとうはキク科の植物であるふきの蕾が複数集まった花芽の部分であり、2月~3月にかけてが旬になります。
「春の使者」と呼ばれるふきのとうの歴史は古く、縄文時代から食べられていたそうです。
初春の味覚であるふきのとうは天ぷらや和え物などに活用されています。
ふきのとうの苦味成分は、ふきのとうが持つ健康効果を発現する鍵を握っているのです。
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ふきのとうの栄養
ふきのとうには、ビタミンB1、ナイアシン、葉酸、ビタミンE、ビタミンK、カリウム、カルシウム、リン、マグネシウム、鉄分、亜鉛、銅、βカロテン、アルカロイド、ケンフェロール、クロロゲン酸、フキロン、ケルセチン、フキノリド、食物繊維が含まれています。
食物繊維は主に不溶性食物繊維が含まれています。
ふきのとうには次のような健康効果に期待があります。
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浮腫み予防
ふきのとうにはミネラルが複数含まれていますが、その中でも特に豊富に含まれているのがカリウムです。
カリウムは血液中の余分なナトリウムの排泄を促す働きがあります。
水分と一緒にナトリウムが排泄されると、浮腫みが解消され、全身の血流が円滑になります。
全身の血流が円滑になることから、冷えや腰痛、肩凝りの症状改善に期待があります。
生活習慣病予防
カリウムには余分なナトリウムの排泄を促して、血圧を正常値に維持します。
そのため、ふきのとうは高血圧の予防に良いと言えます。
ビタミンE、ケンフェロール、クロロゲン酸、フキロン、ケルセチンには抗酸化作用があり、血液中の中性脂肪やLDLコレステロールが活性酸素によって酸化されることを抑制します。
ケンフェロールはミトコンドリアの機能を高めて脂肪燃焼を促します。
クロロゲン酸は糖の吸収を抑え、糖尿病や肥満、脂質異常症の予防のために働きます。
ケルセチンには強い抗酸化作用があり、動脈硬化や脂質異常症を予防するとともに血流改善を図ります。
老廃物排泄
ふきのとうには不溶性食物繊維が豊富に含まれています。
不溶性食物繊維は善玉菌の餌となって腸内環境を善玉菌優位にします。
この時、水溶性食物繊維と発酵食品を摂ると、更に腸内環境改善を図れます。
不溶性食物繊維は、腸の蠕動運動を促し、老廃物を排出させるように働きかけます。
ケルセチンには、老廃物の排泄を促す働きがあり、体内に老廃物が蓄積することを防ぎます。
マグネシウムには水溶性食物繊維と似たような働きがあり、腸管内の頑固な老廃物に水分を含ませて排出を促します。
マグネシウムは水銀や鉛等の有害物を排泄する程の強いデトックス作用があります。
ふきのとうは春先に採れる野菜であることから、摂取出来る時期は春先の肝機能が活発な時期になります。
その為、肝臓は解毒作用をフルに活かし、老廃物の排出を促します。
また、ふきのとうの苦み成分であるアルカロイドが肝機能を強化します。
この苦味は、喘息や胃腸の症状の改善にも有効的と言われます。
骨粗鬆症予防
ふきのとうにはカルシウム、リン、マグネシウムが含まれます。
カルシウム、リンは骨や歯の材量となり、マグネシウムは骨や歯にカルシウムやリンを定着させます。
ビタミンKは骨に存在するオステオカルシンを活性化して骨調整を図ります。
そして、ビタミンA、ナイアシン、ビタミンC、鉄分、亜鉛はコラーゲン生成に関わり、骨形成をサポートしています。
ふきのとうは骨を丈夫にすることを影ながら支えています。
消化器系を活発にする
ふきのとうの香り成分であるフキノリドは、胃腸の働きを高めてくれます。
ふきのとうに含まれているポリフェノールが新陳代謝を高め、食欲を増進させるとともに、消化機能を活発にさせます。
止血作用
ふきのとうに含まれるビタミンKには、血液凝固作用があります。
ビタミンKによる血液凝固作用は、怪我等による傷口からの出血量を抑えるために血液の凝固を促進させ、大量出血に至らないようにします。
貧血予防
ふきのとうには鉄分と銅が含まれています。
鉄分は赤血球の材料となります。
銅は鉄分を非ヘム鉄からヘム鉄にして、鉄分の吸収を高めます。
そのため、ふきのとうは鉄欠乏性貧血の予防に良いと言えます。
注意点
ふきのとうは非常にアクが強い食品です。
このアクの原因はペタシテニンであり、この成分が残っていると肝機能を悪化させると言われます。
水にさらしてアクを抜く、茹でこぼす等して下処理してから料理しましょう。
まとめ
ふきのとうについてまとめます。
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ふきのとうには、ポリフェノールが豊富に含まれており、生活習慣病予防に期待がある食品です。
また、臓器の機能を強化させることにも期待が大きいのです。
アクが多い食品なので、必ずアクを処理してから召し上がりましょう。