ビタミンUの「U」は英語で潰瘍と意味する「ulcer」の頭文字を取ったものです。
ビタミンUはキャベツから発見されたため「キャベジン」とも呼ばれます。
ビタミンUには蛋白質の合成を活発にする作用や胃酸の分泌を抑える作用、及び消化管粘膜を修復する働きを持っています。
また、蛋白質を合成するときに必要な栄養素の一つでもあります。
ビタミンUはビタミン様物質と言われています。ビタミン様物質とは、体内において補酵素としてビタミンと似た重要な働きをしますが、体内で合成出来るのでビタミンと区別されていております。
その為、必ずしも栄養素として外部から摂取する必要はそれほどないのです。
そして、ビタミンUは水溶性に分類されています。
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胃酸分泌抑制
ビタミンUは過剰な胃酸の分泌を抑える働きがあることにより、胃や十二指腸潰瘍の予防効果があると言われていることから、医薬品に利用されています。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍にかかってしまうと、胃酸やピロリ菌、ストレスなどによって胃や十二指腸の粘膜が傷付けられ、粘膜や組織の一部の組織が欠損してしまいます。
自覚症状で言うと、上腹部や胸やけなどの訴えがあります。
修復作用
ビタミンUには蛋白質の合成を活発にする作用もあり、胃や腸に潰瘍が出来てしまった時は、修復するための蛋白質が必要となります。
蛋白質には皮膚や筋肉、内臓、髪、爪など身体のあらゆるところを作るのに必要不可欠な栄養素であり、ビタミンUと蛋白質の組み合わせが内臓の修復に大きく関わるのです。
但し、胃や腸に潰瘍が出来てしまった場合、胃腸での消化吸収力が弱っているので、蛋白質を多く含む食品を選ぶ際は、胃腸内に残渣が残りづらい食材を選ぶ必要があります。
使用食材が限られてしまいますが、豆腐、豆乳、魚は潰瘍が出来てしまった時の蛋白源として適しています。
魚は小魚などの硬い物では残渣が残る為、切り身魚を煮る、蒸す等軟らかく調理出来る方法で召し上がります。
刺身は栄養豊富で生の食品であり、酵素も摂取出来るので新鮮なものを選んで摂取することをお勧めします。
但し、イカやタコ、貝類は胃腸内に残渣が残りやすい食品なので、潰瘍が治るまでの間は避けた方が良いでしょう。
卵も蛋白源と適しており、ビタミンUを多く含む食品の一つなので、卵とじにして調理すると、消化が良い上に蛋白質とビタミンUの両方を効率的に摂取できます。
ビタミンUを含む食品と摂取上の注意点
ビタミンUを多く含む食品として、キャベツ、レタス、セロリ、アスパラガス、青のり、卵などに含まれます。
ビタミンUは熱に強い方ではないので、加熱調理の際は手早く炒めたり、茹でたりして摂ります。
基本的には毎日野菜をしっかり摂ることによって、ビタミンUが摂れるので、胃腸の健康にも繋がります。
スープや煮物にした場合はビタミンUが煮汁に溶けだすので、煮汁も摂取すると良いでしょう。さらにキャベツや濃い緑色の野菜、青のりにはビタミンKが多く含まれています。
ビタミンKには出血を緩和する作用がありますので、ビタミンUとの相乗効果が期待できます。しかしビタミンKを摂取する際、ワーファリン等の抗血液凝固薬を服用している場合は薬が効きづらくなる為、注意が必要です。
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ビタミンUを効率よく摂取するには?
キャベツを沢山使用する料理としてお好み焼きがあります。お好み焼きを作る時に、一枚あたり100~150gのキャベツを使用します。
一見かさが多いようですが、キャベツは加熱によって縮むので食べやすくなります。お好み焼きにはビタミンUが豊富である青のりも使用されます。
また、小麦粉や卵も必要不可欠であり、更に蛋白質が含まれる食品も合わせて使用するので、お好み焼きはビタミンUを効率的に摂取するのにベストな料理と言えます。
但し小麦アレルギーやグルテン不耐症がある場合は、小麦粉の代わりに米粉や粉末タイプのホワイトソルガムで代用すると安全でしょう。
まとめ
ビタミンUには蛋白質の合成を活発にする作用や胃酸の分泌を抑える作用、及び消化管粘膜を修復する働きを持っています。
ビタミンUは野菜をしっかり摂っていれば十分摂取出来る上に、体内で合成出来るので不足することは少ないですが、水溶性で体外に排出されやすいので、過剰摂取になることはないと考えられています。
但し、野菜が苦手で殆ど野菜の摂取がない場合や、潰瘍が出来てしまった時に十分に補えないと、不足してしまうことがあります。
ビタミンUはお好み焼きにして食べると効率よく食べられますが、お好み焼きも胃腸の調子が良くない時に向いているわけではありませんので、普段から暴飲暴食によって胃を荒らすことのないように気を付けましょう。