全ての細胞内のミトコンドリアに存在する「αリポ酸」

αリポ酸はチオクト酸とも言います。

人間の身体は約60兆個の細胞から作られており、その全ての細胞内にあるミトコンドリアにαリポ酸が存在しているのです。

αリポ酸は「水溶性」「脂溶性」という両方の性質を持っています。





 

αリポ酸の働き

αリポ酸は、体内では代謝を助ける補酵素の一つです。

αリポ酸はビタミンと似た働きをしますが、正確に言うとビタミン様物質です。

αリポ酸は体内で合成される成分ですが、その量は年齢とともに減少してしまいます。

その為。食品やサプリメントでαリポ酸を補うことで細胞の老化を防ぐと言われています。

αリポ酸にはR体とS体があり、体内で生成される天然型のαリポ酸はR体です。

αリポ酸は2つの異なる形で抗酸化作用を産むことが出来ます。これには直接的な作用と間接的な作用とに分けられます。

αリポ酸には次のような効能に期待があります。

  • 生活習慣病予防
  • 老化防止
  • 抗酸化作用を高める
  • 肥満予防
  • ミネラル吸収促進
  • 強いデトックス作用
  • 肥満、糖尿病予防
  • 痛み防止
  • 認知症予防…等

 

癌をはじめとする生活習慣病予防

αリポ酸の直接的な作用は活性酸素を直接不活性化することによって抗酸化作用を働かせることです。

この作用が脂溶性、水溶性いずれの物質に溶けた場合でも、酸化ストレスレベルを低下させることが出来る為、癌をはじめとする様々な生活習慣病の予防 アンチエイジング に効果的とされています。

 

抗酸化作用を高める

αリポ酸の間接的作用は他の抗酸化物質の最適な機能を調整及び促進し、抗酸化作用を更に高めることが可能にすることです。

αリポ酸にはビタミンC、ビタミンEを酸化状態から元に戻す作用があり、抗酸化ビタミン濃度を高めます。

さらにグルタチオンというトリペプチドとコエンザイムQ10もαリポ酸によって増加します。

αリポ酸がグルタチオン濃度を上昇させることによって、抗酸化作用を受けた時にグルタチオンの合成に必用なシステインを提供するようになります。

 

エネルギー産生

αリポ酸は、ピルビン酸デヒドロゲナーゼとα-ケトグルタル酸脱水素酵素という2つの酵素を元気な状態に取り戻し、ミトコンドリア内でエネルギーとして活用出来るようにする働きがある為、エネルギー産生に関わっています。

さらに、分岐鎖ケト酸脱水素酵素という酵素複合体の作用も、αリポ酸によって促進されます。

この複合体はBCAA(ロイシン、イソロイシン、バリン)からエネルギーを産生させる働きがあります

この場合、エネルギー源となる栄養素を確保する必要性があります。

エネルギー源となる栄養素は「糖質(ブドウ糖)」「脂質」「蛋白質(アミノ酸)」であり、運動する際、最初にブドウ糖がエネルギーとして利用されます。


(拡大図は上の画像又は青文字をクリック…解糖系pdf

 

このまま運動を続けて有酸素運動に切り替わると体脂肪がエネルギー源として利用されます。


(拡大図は上の画像又は青文字をクリック…クエン酸回路pdf

 

ブドウ糖及び体脂肪からのエネルギーを使い切ってしまった時は緊急時の対応として筋肉を分解してアミノ酸がエネルギー源として利用されます。

アミノ酸がエネルギー源として利用されてしまうと、筋肉量が低下してしまいます。筋肉量が減るとエネルギー消費が効率的に行えなくなる為に、ダイエットをしても中々効果が現れなくなります。


(拡大図は上の画像又は青文字をクリック…糖新生pdf

 

つまり、太りやすい身体を作ってしまうということになります。

また、隠れ肥満の原因となり、見た目は太っていないにも関わらず脂質異常症等の生活習慣病を引き起こしてしまっている場合もあります。

更に筋肉量が減る事によってロコモティブシンドロームのリスクが高まり、筋力低下により身体の動きが鈍くなり、行動することが億劫になった結果、更に筋力低下を招き、サルコペニアフレイルの悪循環に陥り、要介護状態に陥ってしまうこともあります。

この為、αリポ酸を摂取する場合は、アミノ酸やエネルギー源となる栄養素と併せて摂ると筋肉を維持することが出来、これらのリスクを予防出来ると考えられます。

 

キレート作用

αリポ酸には金属のキレート作用があると言われています。

キレート作用は体内での金属元素の濃度が高い時に化合物が金属イオンに結合してその濃度を下げ、影響を和らげることが可能になります。

金属とαリポ酸の間でキレート錯体が作られることにより、腸におけるミネラルの吸収を助ける働きがあると言われています。

αリポ酸のキレート作用は、その一方で有害金属の排出を促します。

その為、αリポ酸は強いデトックス作用があると言われます。

 

糖尿病予防

αリポ酸にはインスリン同様の働きがあり、筋肉によるグルコース取り込みを促進する働きがあります。

その為、インスリン抵抗性によって引き起こされる、糖尿病、肥満、メタボリックシンドロームの予防に効果が期待されます。

 

その他の働き

その他にαリポ酸には痛みの軽減、認知症予防、抗毒性、心臓血管性、骨密度、神経系にも関わっているそうです。

 

αリポ酸を含む食品、不足、過剰

αリポ酸を含む食品にはレバー、ほうれん草、トマト、人参、ブロッコリーですが、十分な量を摂取するのが困難です。

αリポ酸の不足は、疲労感、生活習慣病、老化などの症状を起こします。

効率的に摂取出来るようにサプリメントを活用するのも良いですが、過剰摂取を起こす場合もあります。

過剰摂取によって、手足の震え、眩暈、発疹の症状が現れることがあります。

1日あたりの摂取量は明確ではありませんが、商品に記載されている摂取量を守るようにしましょう。

 

まとめ

αリポ酸についてまとめます。

  • 生活習慣病予防
  • 老化防止
  • 抗酸化作用を高める
  • 肥満予防
  • ミネラル吸収促進
  • 強いデトックス作用
  • 肥満、糖尿病予防
  • 痛み防止
  • 認知症予防…等

αリポ酸は生活習慣病予防から強いデトックス作用まで、優れた健康効果があるものの、年齢を重ねるとともに不足しやすくなります。

サプリメントから補給しないと充足しにくいものですが、サプリメントを使用する際は、量を守った上で活用しましょう。

 
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