オロット酸は、乳清と呼ばれるヨーグルトの表面に溜まっている水分の部分から発見された複素芳香環化合物です。オロチン酸、ウラシル6-カルボン酸とも呼びます。
アルコール発酵成就産物からネズミの成長促進因子として発見されたので、ビタミンB13と呼ばれますが正式にはビタミン様物質です。
オロット酸は人間の身体で生合成される為必須ビタミンではありません。
体内でアスパラギン酸から合成されることによって作られています。
また、水溶性ビタミンとして知られています。
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オロット酸の働き
オロット酸の働きには次のものが挙げられます。
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悪性貧血予防
オロット酸は葉酸やビタミンB12の代謝を助ける働きがあります。
葉酸は体内でDNAを形成する役割があり、妊娠中の方には積極的に摂ることが望ましい栄養素です。
ビタミンB12は葉酸とともに働きかけることによって、悪性貧血を防ぐ役割があります。その為、女性にとって重要な働きがあります。
脳機能の保護
オロット酸には脳の血液供給不足による神経細胞の情報伝達障害を抑制することによって、神経を保護するという働きがあるそうです。
二日酔い予防、老化防止
オロット酸には葉酸やビタミンB12の代謝を助ける他、肝機能を高める効果、二日酔いの予防、老化予防への効果効用有と言われています。
その他の働きについては、現時点では解明されていない部分が沢山あるそうです。
欠乏症及び過剰摂取障害
オロット酸は体内合成可能であり、食事をすれば殆ど不足することがない為、欠乏症状は見られないと言っても良いでしょう。
オロット酸の過剰摂取により健康被害は、現時点では認められていません。
その為、オロット酸の1日の目安摂取量も明らかになっていないのです。
オロット酸過剰によるオロット酸尿症
オロット酸の過剰摂取とは別に、体内でオロット酸が過剰になる場合があります。
生化学的にはピリミジン塩基の生合成中間体で、ジヒドロオロット酸からジヒドロオロット酸デヒドロゲナーゼによって誘導され、オロット酸ホスホリボシルトランスナーゼによってオロチジン一リン酸となります。
ピリミジンの代謝に問題があると尿中に排出され、オロット酸尿症となります。
オロット酸尿症とは知的障害を伴い遺伝病であります。
オロット酸を含む食品
オロット酸を多く含む食品は、根菜、小麦胚芽、ビール酵母等です。
これらと、葉酸やビタミンB12を含む食品と一緒に摂取しておくことで、その効果を高めることが可能になります。
また、オロット酸は水溶性ビタミンの為、水に溶かして摂取すると、効率底に吸収することが出来るのです。
まとめ
オロット酸の働きについてまとめます。
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まだ、不明なところもある栄養成分ですが、普段からバランスの良い食事を心がけている限り、不足の心配はそれほどないでしょう。