苦瓜は未熟な野菜を食用として用いるウリ科の植物です。
原産地は東南アジアであり、中国を経て日本に持ち込まれました。
現在は主に九州、沖縄で生産され、沖縄での生産量は3割以上を占めていると言われています。
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苦瓜の栄養
苦瓜にはビタミンC、カリウムが豊富であり、鉄分、食物繊維、苦み成分のモモルデシンが含まれます。
苦瓜はビタミンCが豊富であり、100mgあたり76mg含まれます。
ビタミンCを多く含むスーパーフードに比べると劣りますが、通常食べている野菜や果物の中では多く含まれている方です。
因みにグリーンキウイが85mg、いちごが62mgなので、ビタミンCを多く含む野菜に適していると言えます。
そして苦瓜は種も食べられ、種には実の3倍ものビタミンCが含まれる上に、植物性食品から滅多に摂れない共役リノール酸が含まれます。
苦瓜の健康効果は次のものがあると言われます。
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美肌効果
ビタミンCと言えばコラーゲン生成に欠かせない栄養素です。ビタミンCは抗酸化作用のあるビタミンのうちの一つであり、肌を紫外線から守り、シミやシワを防ぐことによって老化予防効果があると言われています。
苦瓜には食物繊維が含まれ、食物繊維によって腸内環境が改善されることによって美肌効果が得られることに期待があります。
ビタミンCにはシミやそばかすを目立たなくする働きもあることから、苦瓜には美肌効果があることが言えます。
癌予防、免疫力強化
苦瓜のビタミンCにはNK細胞を活性化し、免疫力を強化する働きがあると言われます。
抗酸化作用のうちの一つの働きとして抗癌作用もあることから、苦瓜は癌予防に良いとされています。
また、ビタミンCには粘膜を強化する働きもあり、免疫力を強化するとともに風邪やインフルエンザ等の感染症から身を守る食材であることが言えます。
ビタミンCには生活習慣病予防やアセドアルデヒド分解、鉄吸収の促進など、この他にも沢山の効能があります。
浮腫み解消
苦瓜にはカリウムが豊富に含まれます。カリウムはナトリウムと共に電解質の均衡を図り、細胞を正常に保つ働きがあります。
カリウムには体内に余分に溜まったナトリウムを排泄する働きがある為、血圧を正常値に調整する働きがあると言われています。
このほかにも浮腫み改善効果や血流促進作用に良いとされています。
貧血の予防や改善
苦瓜には鉄分が含まれ、赤血球の材料となります。
ビタミンCは鉄を還元することによって鉄の吸収を促します。
その為、苦瓜は鉄欠乏貧血の予防や改善に期待があります。
糖尿病予防
苦瓜は糖尿病予防に良いと言われています。
苦瓜には食物繊維が含まれ、食物繊維によって余分な糖の吸収を抑えることから、食後血糖値を急激な上昇を抑えると言えるでしょう。
夏バテ予防
苦瓜の苦み成分である「モモルデシン」には食欲増進効果や胃の粘膜保護効果があると言われています。
苦瓜は熱帯地域で栽培され、夏野菜であることから、食欲が落ちやすく夏バテを起こしやすい暑い時期に食べることによって、これらの症状を軽減することから、夏野菜として非常に適した食材であることが言えます。
ビタミンCを効率良く摂るには?
ビタミンCは熱に弱いですが、苦瓜の場合は油で炒めて調理する方法が一番ビタミンCの効能が得られやすいと言われます。
苦瓜を用いる料理の代表的なものとして「ゴーヤチャンプルー」がありますが、油炒めであることから苦瓜のビタミンCを効率的に摂取する為に理に適っている料理であることが言えます。
種の栄養に注目!
苦瓜は種も食べられます。
苦瓜のビタミンCは実の3倍含まれていると言われます。
100gあたりに換算するとおよそ230g含まれ、少量摂るだけでもビタミンCを補助的に摂ることが出来ます。
苦瓜の種には共役リノール酸が含まれます。
共役リノール酸は主に肉や卵、乳類等の動物性食品に含まれています。
植物性食品では唯一、苦瓜の種に含まれています。
共役リノール酸はダイエット効果で注目されている成分であり、体脂肪をため込みやすい身体を作る上に、抗酸化作用や生活習慣病予防にも期待がある成分です。
共役リノール酸はオメガ6脂肪酸であるため、摂りすぎてしまうとオメガ3脂肪酸との摂取比率が崩れてしまいます。
注意点
苦瓜はビタミンCの摂取源として活用出来る野菜ですが、以下の点にも注意しましょう。
腎機能低下
苦瓜にはカリウムが多いことから、腎機能が低下し、排泄機能が弱っている方は摂取を控えた方が良い食材です。
排泄機能が弱まると、本来尿中に排泄されるカリウムが排泄されなくなります。
カリウムは血圧調整や電解質均衡を図るのに大事なミネラルですが、血液中のカリウムが上昇しすぎると不整脈を起こしてしまいます。
最悪の場合は心不全を患って死に至るリスクがある為、腎機能が悪化している場合は少量に留めておくようにします。
冷えによる腹痛や浮腫み
苦瓜はウリ科の植物であることから、夏場に向いている食品です。その為、身体を冷やす食品でもあります。
大量摂取すると身体を冷やすとともにお腹を壊してしまうこともあります。
また、冷えることによって血流が悪くなり、浮腫みの原因になることもあります。
グリーンカーテンとして
苦瓜は夏場に庭で栽培されたり、グリーンカーテン(日よけ)として栽培されることがあります。
この時に気を付けてほしいのが、同じウリ科のへちまやひょうたんと混同して栽培しないことです。
へちまやひょうたんにも苦み成分が含まれていますが、苦瓜に含まれているものと異なる「ククルビタシン」であり、強い苦味がある上に食中毒を起こしてしまいます。
苦瓜をへちまやひょうたんと近い位置で栽培すると、蔓同士が交配してしまい、へちまやひょたんを苦瓜と間違えて食用に用いてしまうことも無きにしも非ずです。
まとめ
苦瓜についてまとめます。
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苦瓜は熱帯地域で栽培されていることから、暑い時期に起こる体調不良の改善に適した食品であることが言えます。
苦味の強い野菜ですが、暑い時期のビタミンCの補給源として役立ててみましょう。