料理の引き立て役とされるにんにくは、栄養豊富でデザイナーフーズピラミッドでは、癌予防に効果の高い食品の中でも重要度が高い食品と位置されています。
そして中華料理やイタリアンには欠かせない存在となっています。
にんにくの注目成分と言えば臭いの成分である硫化アリルの一種のアリシンです。
このアリシンがパワーの鍵を握っているのです。
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にんにくに含まれる栄養成分
にんにくにはビタミンB1、カリウム、リン、食物繊維、アリシン、グルタチオンが含まれます。
にんにくによって得られる健康効果には次のものが挙げられます。
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エネルギー代謝に大きく関与
にんにくはビタミン類が豊富に含まれているわけではありませんが、ビタミンの中ではビタミンB1が豊富に含まれています。
ビタミンB1は糖質の代謝に大きく関与します。
ビタミンB1は解糖系、クエン酸回路にて補酵素として利用されます。
解糖系ではブドウ糖がピルビン酸に変化するまでにビタミンB1を必要とします。
そしてピルビン酸がアセチルCoAに変換して有酸素運動にて利用されるためにもビタミンB1を必要とします。
ビタミンB1は脳の栄養源であるブドウ糖の代謝に大きく関わり、ブドウ糖が脳の栄養として利用されることをサポートします。
その為、鬱や怒り等の感情をコントロールしたり、記憶力や学習力を高めてくれます。
にんにくに含まれる硫化アリルはビタミンB1の吸収を高めます。
解糖系やクエン酸回路にて利用されるビタミンB1の働きを強化し、運動時の疲労を抑制しつつ脂肪燃焼や新陳代謝を促進します。
アルコール代謝
胃や腸から吸収されたアルコールは肝臓へ運搬されます。
アルコールがアセドアルデヒドに変化する時にアルコール脱水酵素が働きます。
しかし、アルコールを大量摂取すると別の経路からアルコールを代謝します。
この時に沢山のビタミンB1を必要とします。
にんにくにはグルタチオンが含まれています。
グルタチオンはアセドアルデヒドやアンモニア等の有害物質の分解を促進します。
有害物質分解の促進により、二日酔いや腎炎、腎不全を予防します。
また、腎機能を正常に保つことによって尿からの老廃物排泄を促進します。
高血圧予防
にんにくにはカリウムが豊富に含まれます。
カリウムは血液中のナトリウム量が過剰になると排泄を促し、血圧を正常に調節します。
また、ナトリウムの上昇を抑えるため、余分な水分を必要とすることがないために浮腫みを予防すると言えます。
循環器疾患予防
硫化アリルには血液中の余計な脂質を減らす働きがあります。
そして抗酸化作用によって血液中の中性脂肪はLDLコレステロールを酸化から守ります。
更に、硫化アリルには血液の凝固を阻害する働きがあると言われます。
その為、脳血管疾患や心疾患を予防すると言えます。
癌予防
にんにくには抗酸化作用があることから、細胞を損傷から守り、癌を予防すると言えます。
にんにくはデザイナーフーズピラミッドでは特に癌予防効果の強い食品として位置づけられています。
その鍵を握っているのがNK細胞です。
にんにくに含まれるSアリルシステインには弱ったNK細胞を蘇らせる働きがあります。
NK細胞は癌細胞や身体にとって有害なものが侵入した時に、このような有害物を攻撃して戦い抜きます。
殺菌作用
にんにくには強い殺菌作用があります。
食中毒菌、寄生虫の害から守るとともに、生ものの臭み消しとしての役割もあります。
注意点
にんにくは、癌予防効果に期待の大きい食品ですが、摂り過ぎには注意しましょう。
お腹をこわす
にんにくは刺激の強い食べ物です。
摂り過ぎてしまえば胃粘膜障害を起こしてしまいます。
また、強い殺菌力があることから善玉菌まで殺してしまうことがあります。
硫化アリルは水と熱に弱い
硫化アリルは水と熱に弱い性質があります。
長時間水にさらしてしまうと、硫化アリルによる健康効果が享受出来ない場合があります。
油料理に用いる際は、短時間で仕上げるようにしておきましょう。
大事なペットに与えない
硫化アリルは犬や猫には中毒性をもたらしてしまいます。
その中毒症状には溶血性貧血、胃腸障害、衰弱があります。
まとめ
にんにくの健康効果についてまとめます。
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にんにくは癌予防に期待の大きい食品ですが、食べ過ぎは胃もたれを起こしてしまいます。
生で食べるのなら1片を、加熱して召し上がる場合は3片に留めておきましょう。