自律神経やホルモンを統制する天然アミノ酸「GABA」

体内に広く存在する天然アミノ酸のひとつであるγ-アミノ酪酸は「GABA(ギャバ)」と呼ばれています。

通常アミノ酸は蛋白質を主に構成しますが、GABAは主に脳や脊髄で「抑制性の神経伝達物質」として働いています。

GABAは1961年から医療用医薬品として認められ、2000年以降や食品の成分として厚生労働省から定められ、リラックス効果がある成分として知られてきました。





 

GABAの働き

GABAの働きは大きく分けると次のようになります。

  • 交感神経の抑制
  • 脳機能の活性化
  • 肝臓、腎臓の活性化

 

交感神経を抑制

GABAは体内では中枢神経や腸管などの末梢臓器に多く存在しています。

その為、自律神経やホルモン分泌を統制する役割に携わっており、自律神経の交感神経の動きやノルアドレナリンの分泌を抑制させています。

この交感神経抑制によって「リラックス効果」「睡眠効果」「正常血圧の維持」 に役立っています。

リラックス効果

中枢神経は興奮性と抑制性の2つがあります。

GABAが体内に増えると、抑圧性の中枢神経が活性化されるため、気持ちを落ち着かせます。

更にGABAを摂取することによって、末梢神経にあるGABA受容体が活性化されることにより交感神経が抑制 されます。

交感神経の抑制により、副交感神経が優位になり、リラックス効果により精神を安定させることが出来るのです。

睡眠効果

GABAは交感神経の働きを抑制させる作用によって、ノルアドレナリンやドーパミンなどの興奮系のホルモン分泌を抑えることに繋がるため、良質な睡眠がとれる ことが期待されます。

正常血圧の維持

GABAを摂取すると高血圧が改善されると言われています。

これは血圧が高ければ高いほど血圧を下げる効果が強く現れますが、正常血圧の場合は更に血圧が下がるのではないのです。

つまり、GABAには血圧を正常な状態に維持 働きがあると言う事です。

GABAには交感神経の働きを抑制し、更に血管収縮抑制や抗利尿ホルモン分泌抑制や腎機能の活性化によって、ノルアドレナリン分泌が抑えられるので、血管の収縮を予防することが出来ます。

これに交感神経抑制によって、高血圧の原因となるストレスを抑える ことに繋がります。

また、排尿を促すことによって、体内のナトリウムを排出することも血圧改善の理由の一つ となっています。

 

肝機能、腎機能の活性化

GABAにはアルコール分解酵素の働きを促進することから、肝臓の働きを高める と言われています。

また、腎機能を活性化し、ナトリウムの排泄を促す 役目があります。

これらの機能によって血液中のコレステロールや中性脂肪の上昇を抑制 し、更に成長ホルモンの分泌を促進 させます。

 

脳の活性化

その他のGABAの効果として、脳内の血流を活発する働きによって、脳内に運ばれる酸素量が増えるので、脳細胞の代謝促進により脳が活性化すると言われます。

また、インスリン分泌を促進する研究報告がなされており、糖尿病の予防や悪化防止 に期待されています。他にも記憶力や学習能力の向上 アルツハイマーの予防 などの様々な効果が知られています。

 

1日あたりの摂取量及びGABAを含む食品

GABAの1日あたりの摂取量は30㎎以上 が必要となります。

ただ、現代人はストレスにさらされているので、少し多めの50~100㎎を食品やサプリメントから摂ると良いでしょう。

ギャバを多く含む食品は発芽玄米に特に含まれています。

このほかにトマト、なす、アスパラ、南瓜、きゅうり、メロン、みかん、ケールなどの野菜や果物、漬物、キムチのような発酵食品に含まれています。

またGABAはグルタミン酸から作られますが、乳酸菌等の微生物によるサポートが必要となります。

グルタミン酸を含む醤油や味噌にもGABAが含まれ、更に発酵食品であることから、GABAをより効率的に摂取することが可能です。

 

まとめ

リラクゼーション効果で注目されているGABAの働きをまとめます。

  • 交感神経の抑制
  • 脳機能の活性化
  • 肝臓、腎臓の活性化

GABAはストレス社会において欠かせない栄養成分ですが、その為には、野菜や発酵食品を積極的に摂ることが大切です。

主食も発芽玄米を取り入れてみると良いでしょう。

 
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