副腎疲労

副腎とは左右の腎臓の上部にある器官であり、ストレスに対処するホルモン「コルチゾール」をはじめ、生命の維持に欠かせない様々なホルモンを分泌します。

副腎から分泌されるコルチゾールには、血糖値や血圧のコントロール、免疫機能、神経系に役立つ働きがあります。

副腎疲労を起こしてしまい、ホルモンが正常に分泌されなくなると、生活習慣病や鬱症状、花粉症等のアレルギー症状、橋本病、バセドウ病などの疾患を発症することもあります。

副腎髄質はアドレナリンやドーパミン等の性ホルモンも分泌する為、やる気を高めて生理作用をコントロールし、月経前症候群や更年期障害にも良いと言われています。





 

コルチゾールの過剰分泌による抵抗性低下

コルチゾールが正常に分泌されない原因として、大気汚染や食品添加物、気温の変化、食生活の変化、持病、感染症及び精神的なストレスが関係します。

コルチゾールが過剰に分泌される状態が続くと副腎が疲れて必要な時に十分な量を分泌出来なくなり、ストレスに対する抵抗性が弱まります。

 

ホルモン生成に関わる栄養

ホルモン生成には脂質やビタミンC、ビタミンB群等が関わります。

良質な脂質

ホルモンの材料には脂質が必要となります。

脂質はオメガ3脂肪酸を含むえごま油や亜麻仁油、オレイン酸を含むオリーブオイル、中鎖脂肪酸を含むココナッツオイル、鯖やサンマ等の青魚から良質な脂質を摂取することをお勧めします。

この良質な脂質から様々な副腎ホルモンを生成するにはビタミンC、ビタミンB群、マグネシウム等が必要となります。

ビタミンB群

ビタミンB群は、ホルモン生成の過程において大量に消費され、枯渇状態に陥りやすくなります。

ビタミンB1は豚肉、玄米、大豆に多く含まれ、B2はレバー、魚、納豆に多く含まれ、B12は貝類、葉酸は青菜、パントテン酸はタラコに含まれています。

その中の葉酸は貧血に良いと言われますが、新しい細胞を作る役割もあると言われています。

ビタミンB群はお互いに協力関係を保ちながら、様々な物質の代謝に関わっている為、欠かさずに摂ることが必要です。

ビタミンC、ファイトケミカル

ビタミンCは野菜、果物に主に含まれています。

野菜や果物にはファイトケミカルという色素や香り、甘味や苦みなどの植物由来の物質が含まれ、抗酸化作用を持ちます。

ファイトケミカルの抗酸化作用によって疲れた副腎を再生させる働きが期待出来るのです。

ファイトケミカルの種類を例に挙げると、お茶に含まれるカテキン、トマトや赤パプリカに含まれるリコピン、トウモロコシに含まれるルテイン、ほうれん草やモロヘイヤに含まれるクロロフィル、茄子やブルーベリーに含まれるアントシアニン、ネギやニンニクに含まれる硫化アリル等があります。

 

ファイトケミカルによる抗酸化作用が役立つ

本来体内でエネルギーが産生される過程において、活性酸素などのフリーラジカルという物質が必然的に発生します。

活性酸素は本来体内で必要な役割がありますが、大量発生してしまうと炎症や老化、過酸化脂質の産生の原因となってしまいます。

副腎が正常に活動している場合は、フリーラジカルによる炎症等の症状をコルチゾールが抑制します。

コルチゾールの分泌量の減少が炎症による様々な障害を起こしてしまいます。コルチゾール不足による弊害を抑えるのにファイトケミカルが役に立つのです。

 

コルチゾール合成

また、パントテン酸には副腎の働きを助ける作用があり、コルチゾールの合成に関わります。

ビタミンCが関わることによってパントテン酸によるコルチゾール合成を助長し、蕁麻疹や炎症作用を抑え、免疫力アップに効果があるとされています。

ファイトケミカルにもアレルギー抑制効果があり、更に高血圧予防、血糖調整、肝機能保護の等、優れた働きを沢山持っています。

更に肝機能保護機能によって副腎への負担軽減や炎症予防に繋がります。

 

普段からミネラルを摂取すること

副腎疲労時にはミネラル類も不足しやすくなります。

ナトリウムやカリウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウムは海藻類や貝類に含まれています。カリウムは生野菜、生果物、納豆に含まれ、マグネシウムは大豆製品、海藻類に含まれています。

副腎疲労の原因の一つとして大気汚染や食品添加物等の有害物質が原因として挙げられています。亜鉛やマグネシウムには有害物質の対外排出を促す働きがあります。




 

腸内環境改善も大事

心身共に健康に過ごせるには腸内環境改善も大切です。

納豆や味噌、醤油等の発酵食品には菌類によって腸内環境を整える働きがあります。

大豆製品、野菜、果物、きのこ、芋類、ナッツ類には不溶性食物繊維が含まれ、発酵食品と不溶性食物繊維からなるシンバイオティクスにより更に腸内環境改善を高めます。

腸内環境が整うことによって、腸から「セロトニン」をはじめ、様々なホルモンが分泌されます。

セロトニンにはストレスを緩和する働きを持っています。

また、セロトニン生成には「トリプトファン」が関わっており、トリプトファンは大豆製品から摂取出来ます。
 

蛋白質、ビタミン、ミネラルを欠かさずに

ストレスに対抗するには蛋白質の摂取も必要となります。

神経伝達を正常に働かせるには蛋白質が関わるからです。

神経伝達物質には「興奮性伝達物質」と「抑制性伝達物質」の2つがあります。

神経伝達物質には蛋白質が原料となり、ビタミン、ミネラルによって合成されています。

興奮性伝達物質 抑制性伝達物質
  • ノルアドレナリン
  • ドーパミン
  • アセチルコリン
  • グルタミン酸
  • GABA

 

カフェイン依存は副腎疲労のサイン

副腎疲労を起こすとコーヒーやチョコレートが無償に欲しくなります。

これはカフェインを摂ることによって副腎を刺激し、コルチゾールが分泌されるので一時的に疲労感が緩和します。

カフェインの効果がなくなると、更にコルチゾールの分泌が悪くなり、更に疲労感を増強させてしまいます。

カフェイン依存に陥ると、副腎疲労の症状を更に悪化させるという悪循環を招きます。

また、肝臓に負担をかけないためにも、アルコールの摂取や甘い物の摂取は控えた方が良いでしょう。

 

グルテンやカゼインは炎症を引き起こしやすい

体内の炎症を引き起こしやすい物質としてグルテン、カゼインが代表的な物として挙げられています。

グルテンは小麦に含まれ、カゼインは乳製品に含まれます。

「グルテン不耐症」「乳糖不耐症」が見られる場合は、これらの成分によって小腸の粘膜に炎症が出来やすく、副腎疲労が発症しやすいと言います。

このような場合、「グルテンフリー」又は「カゼインフリー」の食事療法が必要となります。

 

正しい食事と適度な休養を

食品添加物を用いた食品も副腎に負担をかけると言われます。

食肉加工品、インスタント食品、スナック菓子、ファーストフード、清涼飲料水の摂取を控え、普段から栄養バランスのとれた食事を摂ることを心がけます。

疲れた時は身体を休め、無理しないことも大切です。

 





 
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