カラギーナンはゲル化剤として用いられる食品添加物の一つであり、直鎖含硫黄多糖類の一種です。
カラギーナンは、ジャムやアイスクリーム、ゼリー、タレ、乳製品、乳飲料、缶コーヒー、魚肉加工品、デザート等に用いられています。
所謂「アガー」と呼ばれているものです。
また、食品以外では、シャンプーや化粧品、歯磨き粉等に使われています。
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天然の食品添加物
カラギーナンの原材料は、紅藻類からアルカリ抽出されたものが用いられます。
カラギーナンはガラクトースに結合している硫酸基の割合の違いにより、3つに分けられています。
これには、κ(カッパ)、ι(イオタ)、λ(ラムダ)があります。
タイプ | 原料 | 性質 |
κ(カッパ) | オオキリンサイ |
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ι(イオタ) | キリンサイ |
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λ(ラムダ) | スギノリ |
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カラギーナンの使用目的
カラギーナンの使用目的はゲル化剤として、増粘剤としての2つがあります。
ゲル化剤として用いられるカラギーナンは、κ(カッパ)、ι(イオタ)です。
これらはプリンやゼリー、グミ、乳製品が使われたデザート、魚肉加工品等に用いられます。
κカラギーナンは、強度の強いゲルを形成します。
κカラギーナンは冷却した時にカリウムと反応します。
ιカラギーナンはカルシウムによって弾力のあるゲルを形成します。
増粘剤として用いられる場合は、デザートソース、ソースやタレ等に使われます。
安全性が疑われる
カラギーナンは人の消化管では殆ど分解されないと言われています。
しかし、海藻由来にも関わらず、発癌性が疑われているものでもあります。
動物実験ではカラギーナンの分解物が消化管に潰瘍や癌を引き起こす上に、未分解のものもこれらのリスクがあると言われています。
また、下痢を起こす場合もあります。
ただ、人への安全性は明確ではないため、日常的な摂取は避けておくことが無難でしょう。
まとめ
ゲル化剤や増粘剤として用いられているカラギーナンは、食品添加物である以上、完全に安全なものとは言えません。
しかし、加工食品の多くは、カラギーナンだけではなく、様々な種類の食品添加物が使用されています。
食品添加物を全く摂らない食生活を送ることは無理がありますが、出来る限り加工食品の摂取を控えることです。